軽井沢の気候や風土を理解し、その土地の良さとオーナー様の価値観を形にする、クリエイト軽井沢建設。設計部門の中心を担う羽田は、住宅メーカーで約16年間、住宅設計に携わった後、同社の建物に惹かれて別荘設計の世界へ飛び込みました。
現在は建売別荘の企画・設計を軸に、オーナー様との対話からつくる注文別荘、リフォーム、小規模工事まで幅広く手がけています。
住宅メーカー時代に向き合ってきたのは、日々の暮らしを支える「住居としての設計」。一方、クリエイト軽井沢建設で手がけるのは、施主が日常を離れ、どのような時間を過ごしたいのかまで考える「別荘としての設計」です。
住居と別荘では、設計の何が違うのか。お客様の期待や、まだ言葉になっていない思いをどのように読み取り、空間へ変えていくのか。そして、自由度の高い設計の中で、設計者自身の発想やクリエイティビティをどう生かせるのか。これまでのキャリアと印象に残るエピソード、これから一緒に働きたい人物像について伺いました。
羽田匡秀/設計部門責任者
大学で建築学科を卒業後、住宅メーカーへ新卒で入社。長野・上田・軽井沢の各エリアで、約16年間にわたり住宅設計を担当し、数多くの住宅設計に関わる。その後、クリエイト軽井沢建設へ入社。現在は建売別荘の企画・設計を中心に、注文別荘、リフォーム、小規模工事まで幅広く携わり、軽井沢ならではの建築を支えている。
目次
住宅設計一筋で16年。その経験を、別荘づくりへ
――まず、これまでのキャリアについて教えてください。
羽田:大学では建築を学び、卒業後は住宅メーカーに入社しました。地元が長野県だったこともあり、長野、上田、軽井沢といった県内のエリアで、約16年間、設計の仕事を続けてきました。
住宅設計の基本やお客様との打ち合わせ、施工を見据えた図面の考え方など、今の仕事の土台は住宅メーカー時代につくられましたね。
16年間勤めた後、当時のクリエイト軽井沢建設に転職しました。
次にやりたいことを明確に決めていたわけではなかったのですが、退職後に少し時間を置き、仕事を探す中でクリエイト軽井沢建設のホームページを見て、「いい雰囲気の建物をつくっているな」「こんな建築をやっている会社があるんだ」と惹かれ、話を聞いてみようと面接を受けたのが始まりです。
住宅メーカーでは企画化された商品を扱うことも多かったので、自由度の高い環境で自分に何ができるのか、入社前には正直よく分かっていませんでした。ただ、建物を見て感じた直感を信じて飛び込んだ、という表現が近いですね。
今では、飛び込んでよかった、そう思います。
日常を支える住居から、特別な時間をつくる別荘へ
――住宅メーカー時代と現在では、設計者としての仕事の範囲も大きく違うのでしょうか。
羽田:全然違いますね。前職では業務が細かく分かれていて、自分が担当するセクションも比較的明確でした。一方、クリエイト軽井沢建設では、設計だけをしていれば仕事が完結するわけではありません。
現在は、建売別荘の企画・設計を中心に、オーナー様と打ち合わせを重ねながらつくる注文別荘、リフォームなどにも関わっています。規模の小さな工事であれば、職人さんと現場で納まりを確認し、工事の調整まで自分で担当することもあります。
現場へ行き、施工担当者や職人さんと話し、お客様とも直接向き合う。扱う範囲が広い分、設計以外の知識も身につきます。大変さがないとは言いませんが、一部分だけではなく、建物が形になるまでを広く理解できる環境だと思いますね。
――「住居としての設計」と「別荘としての設計」には、どのような違いを感じますか。
羽田:そうですね。自由度は大きく違います。
住居設計では、毎日の家事や生活動線、収納、設備など、日常を快適に過ごすための使い勝手が重要になります。一方、別荘は、週末や休暇などの限られた時間を過ごす場所になるので、自宅と同じ便利さをそのまま持ち込むのではなく、ホテルに滞在するときのような、普段とは違う時間の過ごし方まで考えないといけません。
たとえば、多少の不便があっても、窓から見える景色や空間の美しさを優先した方がよいこともあります。部屋数や設備を増やすより、大きな一つの空間で自然を感じられることに価値がある方もいる。住居では当たり前だった判断が、別荘では必ずしも正解ではないということです。
軽井沢の別荘では、特にお客様ごとの価値観や過ごし方が設計へ表れます。「こういう空間で過ごしたい」「こんな使い方をしてみたい」という思いに対して、決まった型へ当てはめるのではなく、どうすれば実現できるかを考える。これが一流の設計士の仕事だと思っています。
また別荘設計の自由さは、設計者が好きなものを自由につくれる、という意味では決してありません。お客様の思い、土地の特性、軽井沢の気候、施工やコストといった条件を受け止め、その中でまだ見えていない答えを探す、それが、自由です。
「できない」で終わらせず、「この方法なら実現できるのではないか」と発想する。提案する。実現させる。
お客様の思いを起点にしながら、自分なりの提案やクリエイティビティを図面へ反映できる。そこに、別荘設計ならではの難しさとおもしろさがあると思いますね。
施主の期待を読み取り、まだ見えていない形を一緒につくる
――別荘のオーナー様との打ち合わせには、一般住宅とは異なる難しさもありますか。
羽田:正直、かなりありますね。
別荘を建てるお客様の中には、これまでにも家づくりを経験されていたり、国内外のさまざまな建物をご覧になっていたりする方も多くいらっしゃいます。建築に詳しく、ご自身の中に明確なイメージを持っている方も少なくありません。
そのため、単にご要望どおりの図面を描けばよいわけではないんです。「このくらいのことは、当然考えてくれているだろう」という、言葉になっていない期待まで想像する必要があります。
お客様がどこまでの完成度を求めているのか、何を当たり前と考えているのか。その期待値を、対話の中から丁寧に読み取っていく必要がある。ここが非常に難しく、楽しい部分でもありますね。
――設計力だけでなく、コミュニケーションも重要になるのですね。
羽田:そう思いますね。
最初の頃は、お客様との距離の取り方や期待値の合わせ方に慣れるまで、少し時間がかかりました。ご要望をそのまま受け取るのではなく、「なぜ、それを希望されるのか」「その先にどのような過ごし方を描いているのか」まで考えなければいけません。
お客様の希望をすべてそのまま受け入れることとも、設計者の考えを一方的に押しつけることとも違います。できることと難しいことをきちんとお伝えしたうえで、別の方法を提案する。言葉になっていない思いをくみ取り、設計者の経験や発想を重ねながら、少しずつ具体的な形へ変えていく。
打ち合わせを始めた時点では、お客様自身も完成形をはっきり描けていないことがあります。対話を重ねる中で、お互いに「本当に大切にしたいもの」が見えてくる。最初には存在しなかった答えを一緒につくれることが、この仕事の深みだと思います。
緑と広大な土地が、同じものは二つとない建築を生む「気取らなくていい場所」それが軽井沢
――長く軽井沢の建築に関わってきた羽田さんにとって、軽井沢はどのような場所ですか。
羽田:緑が本当に豊かで、空気が澄み、街全体に開放感がありますね。うまく言葉にするのは難しいのですが、私は「あまり気取らなくていい場所」だと感じています。
私たちのお客様には、企業の経営者をはじめ、社会の第一線で活躍されている方も多くいらっしゃいます。ただ、自然の中で別荘の話をしていると、肩書に関係なく、その方自身の価値観や人柄が見えてくるんです。開放的な自然の中にいることで、人も少し開放的になるのかもしれません。
敷地の考え方も、都市部とは異なります。軽井沢では広大な土地の中に建物を配置でき、窓の先には既存の木々や遠くの景色が広がります。隣地の枝がこちらへ入り込むこともあれば、こちらの木々が隣の景色の一部になることもある。それさえ借景として楽しめるような、おおらかさがあります。
もちろん、自然が豊かだからこそ、虫もいれば、冬は雪が降り、寒さも厳しい。美しいところだけではありません。それでも、自然を排除せず、付き合いながら過ごす。人も建物も気取らずにいられることが、軽井沢の魅力なのだと思いますね。
――設計者にとって、軽井沢で建築に向き合う魅力はどこにありますか。
羽田:土地ごとに、地形も木の位置も、光の入り方も、見える景色も違います。建物だけを単体で考えるのではなく、どの木を残し、どこへ視線を抜き、自然とどのようにつなげるかを考える。土地が持つ個性そのものが、設計の出発点になります。
都市部では、限られた敷地を無駄なく使うことが重要になる場面も多いと思いますが、軽井沢では、広い土地に対して余白をどう残すか、その余白をどう豊かな時間につなげるかまで設計できるのが魅力です。
お客様の思いと、その土地にしかない自然を掛け合わせるからこそ、同じものは二つとない、唯一無二の建築が生まれる。そこに関われる喜びは、もう計り知れませんよね。
軽井沢をまだ知らない方には、まず一度、この街の中を歩いてみてほしいですね。写真で見るだけでは分からない緑の深さや、敷地の広がり、街に流れる開放的な空気があります。ここでなければ生まれない建築がある。その魅力を、これから設計に関わる人にも知ってもらいたいと思います。
正解のない土地で、「どこまで配慮できるか」を考える
――軽井沢の気候や土地は、設計の難しさにもつながりますか。
羽田:そうですね。積雪や凍結、雨、湿気など、軽井沢ならではの条件があります。都市部の住宅のように、駐車場から室内まで一度も雨や雪に濡れずに入れる動線を、すべての敷地で実現できるわけではありません。
だからこそ、「軽井沢だから仕方がない」で終わらせるのではなく、できる限りの配慮を設計へ入れることが必要です。雪に対してはどのような対策を考えたか。実現できない部分には、どのような理由があり、代わりに何をしたのか。お客様へきちんと説明しながら、答えを一緒につくっていく必要があります。
軽井沢の設計には、100点の正解が一つだけあるわけではありません。大切なのは、どこまで考え、どこまで配慮したか。その過程をお客様と共有し、「そこまで考えてくれていたんだ」と感じていただける仕事を積み重ねることだと思いますね。
別荘建築は、お客様とのコミュニケーションから生まれる
――これまで担当した中で、印象に残っている別荘はありますか。
羽田:個性的な建物を含め、本当にいろいろあります。あるお客様へは、最初に7LDKほどのプランをご提案しました。ところが、打ち合わせを重ねる中で、最終的には大きな1LDKに近いプランへ変わったことがあります。
面白いですよね。
一般的な住宅の感覚では、部屋数が多い方が使いやすいと考えるかもしれません。しかし、そのお客様にとっては、細かく部屋を分けるより、大きな空間で過ごすことの方が心地よかった。その方が「これがいい」と思えるなら、それがその別荘の答えになります。
注文別荘では、目の前のお客様の価値観を伺い、その方にとっての豊かな時間を空間へ変えていきます。一方、建売別荘では、まだお会いしていない方の過ごし方を想像し、広さやコスト、眺望、開放感、プライバシーのバランスを考えます。
特定の好みに寄せすぎず、それでも「ここで過ごしたい」と感じてもらえる個性をどうつくるか。考える順序は違っても、その場所で過ごす人を想像することは同じです。完成した空間を見た方が直感的に「これがいい」と感じてくださったとき、こちらの想像とお客様の感覚がつながったのだと思います。
建築は、図面だけで生まれるものではありません。お客様との対話によって、初めて楽しい空間が形になるのだと思います。
図面だけで終わらない経験が、提案の引き出しを増やす
――普段は、どのように仕事を進めていますか。
羽田:日によって大きく違います。今日でいえば、午前中は小規模工事の現場で職人さんと施工方法や納まりを確認し、午後はお客様とリフォームの打ち合わせ。その合間に図面や事務作業を進めています。建売、注文、リフォームなど、複数の仕事を並行して動かしています。
社内では施工担当者と話す機会が一番多いですね。設計したものを実際にどうつくるのか、施工の視点を聞きながら調整して、営業担当や職人など、さまざまな人と連携して仕事を進めている感じです。
リフォームや小規模工事は、建物の状態を読み取りながら細部を考える必要があり、意外と手がかかります。ただ、自分で現場まで経験することで施工のノウハウが蓄積されます。お客様との打ち合わせでも、「その方法は難しいですが、こうすれば実現できます」と、具体的な代案を出せるようになるんです。
高級別荘の設計だけを切り取れば華やかに見えるかもしれませんが、実際には細かなリフォームや現場との調整も含めて設計の仕事です。幅広く関わるからこそ、提案の引き出しが増え、設計者として成長できるのだと思います。
これまでのセオリーを疑い、相手に合わせて考え続けられる人と働きたい
――今後、設計チームへ加わる方には、どのような姿勢を期待しますか。
羽田:お客様によって、求めることも大切にしていることも違います。ですから、「仕事はこのように進めればよい」という一つの方法を覚えること以上に、目の前のお客様や仕事に合わせて、自分をアジャストしていく姿勢が大切だと思います。
細かなご要望にもできる限り向き合い、なぜそうしたいのかを考える。その積み重ねが信頼になり、たとえ途中で小さな失敗があっても、最後まで一緒に良いものをつくろうと思っていただける関係につながります。
お客様に合わせて考え続けることは、簡単ではありません。しかし、向き合った経験は、必ず自分のノウハウとして蓄積されます。さまざまなお客様や建物に対応できる設計者ほど、結果として強くなれると思っています。
設計の範囲を決めすぎず、現場や施工にも関心を持ち、分からないことを吸収していく。これまで身につけたセオリーを大切にしながらも、ときにはそれを疑い、別の可能性を考えられる。そんな方と一緒に仕事ができたら嬉しいですね。
住宅設計の経験があっても、別荘設計では感覚の違いに戸惑うと思います。ただ、住宅設計で身につけた技術や使い勝手への視点があるからこそ、それをどこで生かし、どこで発想を変えるべきかを考えられます。自分で考えながら仕事の幅を広げ、施工やリフォーム、お客様との対話を含めて建築の全体を知りたい方と働きたいですね。
軽井沢の自然と向き合い、お客様の価値観を世界に一つだけの空間へ変えていく。
決められた商品を設計するのではなく、図面、現場、施工、そしてお客様との対話まで、建築の全体に関わる。住宅設計で培った経験を生かしながら、自分のセオリーを広げたい方にとって、クリエイト軽井沢建設には、設計者として挑戦できる環境があります。
少しでも興味を持ってくださった方は、まずはカジュアルにお話ししてみたいと思いますね。