代表インタビュー:クリエイト軽井沢グループ CEO 林 健太郎氏
軽井沢に特化し、不動産、建設、別荘管理を通じて、この土地ならではの暮らしを支えてきたクリエイト軽井沢グループ。
2026年、同社はボルテックスグループの一員となり、新しい経営体制で次の成長へ踏み出しました。その舵を取るのが、代表取締役の林健太郎です。
現在は東京と軽井沢を行き来しながら、クリエイト軽井沢グループの経営に加え、ボルテックスでのM&Aにも携わっています。地方銀行からキャリアを始め、財務、投資、M&Aへと仕事の幅を広げてきた林は、なぜ自ら事業会社の経営を担うことを決めたのか。
これまでのキャリアと社長就任の背景、数字と現場の両方に向き合う経営スタイル、そして軽井沢から描く事業の未来と、これから一緒に働きたい人物像について伺いました。
林 健太郎/代表取締役社長
新卒で地方銀行に入行後、29歳で株式会社ボルテックスへ入社。財務部門で金融機関との折衝やファイナンス業務に従事したほか、M&Aやベンチャー投資を担う部門の立ち上げにも携わる。同社の事業規模が150億円から1,000億円へ拡大する成長期を、財務・投資の側面から支えた経験を持つ。その後、自らもM&Aに携わり、ボルテックスグループへ参画したクリエイト軽井沢グループの代表取締役に就任。現在は不動産・建設・別荘管理の各社を率い、両社の強みを掛け合わせた事業成長と、次代に向けた組織づくりを推進している。
目次
企業を見る仕事から、企業を成長させる仕事へ
――まず、これまでのキャリアについて教えてください。
林:最初に入社したのは地方銀行でした。もともと企業や経済に関心があって、さまざまな会社と関われる仕事がしたいと考えていました。銀行では不動産に関わる取引に触れる機会も多く、その経験が後のキャリアにもつながっています。
転機になったのは29歳のときです。自分から転職活動をしていたわけではありませんでしたが、仕事上のつながりから、ありがたいことにお声をかけていただき、ボルテックスへ転職したんです。
当時のボルテックスは、まだ年商150億程度。現在のような規模になる前の成長途上にありました。決められたことをこなすだけではなく、まだ正解のない仕事に次々と挑戦していく。そうした環境が自分の性格に合っていると感じたことが、入社の大きな理由ですね。
――まさに転期だったのですね。ボルテックスでは、どのような仕事を担当していたのでしょうか。
林:まず財務部門に配属し、金融機関との関係づくりや資金調達に携わりました。会社が成長していくために必要な資金をどう確保するかを考え、金融機関を開拓していく仕事です。
その後、もともと関心を持っていた投資の分野へ仕事を広げ、社内で投資事業の部門を立ち上げたんです。ベンチャー投資やM&Aについて、案件を探すところから企業の分析、実行まで担当してきました。この頃はかなりハードワークに働いていて、毎日が生きている感覚の連続でしたね。
銀行でも、融資先の事業や業界を理解し、企業を分析しますよね。なので、投資やM&Aの仕事にも大きな違和感はありませんでした。いやむしろ、楽しかったんです。
財務の仕事が数字を中心に会社を見るものだとすれば、投資やM&Aでは、その企業が持つ強みや将来性、ボルテックスの事業と組み合わせたときに何が生まれるかまで考えることができる。
企業を外側から分析する仕事から、企業の成長により深く関わる仕事へ。少しずつ役割が広がっていきましたね。
約1年向き合ったM&A。その先の経営にも責任を持つ
――クリエイト軽井沢グループとは、どのように出会ったのでしょうか。
林:いろいろな業務提携先・シナジーを生み出せそうな領域へ足を運んでいた時、ほんと偶然にご紹介を受けたことがきっかけで、出会い、知りました。ボルテックスでも軽井沢で別荘事業をすでに展開していたため、クリエイト軽井沢グループが持つ不動産や建築の知見と組み合わさることで、新しい可能性が生まれるのではないかと考えたんです。
そこから約1年、旧オーナーと検討や交渉を重ねていきました。私にとっても、会社全体の買収を中心になって進めるのは、初めてに近い経験で、とても新鮮な体験だったと今でも振り返って感じることがありますね。数字や条件だけではなく、これまで地域で築かれてきた事業や社員の皆さんのことも理解しながら進める必要があったため、個人的に最も成長できた経験だったと思います。
――そこから、なぜご自身が社長を担うことになったのでしょうか。
林:M&Aの成立が見えてきた段階で、「誰がクリエイト軽井沢グループの経営を担うのか」という話になりました。軽井沢という地域で現地の経営を担える人材を探すことは、そう簡単ではありません。そこで、自分から「私がやります」と手を挙げたんです。
自分がM&Aを担当した以上、成立させることだけがゴールではありません。その後の会社を成長させ、このM&Aを成功させるところまで責任を持たなければならない。それなら、自分が経営を担うべきではないかと考えたんです。
誰かに用意されたポジションへ移ったというより、自分が決めた案件の先にある責任を引き受けた。その感覚に近いと思います。
正式なスタート前から、社員と同じ時間を過ごし経営の感覚を前もって感じれた
――財務やM&Aから事業会社の社長へ。不安はありませんでしたか。
林:外から企業を見ることと、実際に中へ入って経営することは違います。クリエイト軽井沢はオーナー企業でもあったので、実際に入ってみなければわからないことはあるだろうと思っていました。
ただ、正式に新体制が始まる前から、以前のオーナーがよくしてくださったんです。1月のスタートに先立って、10月、11月頃から社員の皆さんと会う機会をつくっていただき、しばらく一緒に仕事をさせてもらいました。
社員の皆さんにとっても、ある日突然、知らない人が社長として現れるのではなく、「こういう人が来るんだ」と事前に知る時間になったと思います。私自身も、どのような人たちが働いているのかを知り、同じ時間を過ごせたことで、不安は少しずつ小さくなっていきました。
基本的に私は、必要以上に悩んでも仕方がないと考えるタイプなので、現場のことは、そこで長く働いてきた皆さんの方が詳しい。最初から自分一人ですべてをわかろうとするのではなく、皆さんに頼りながら、自分が担うべき役割を果たそうと考えました。実際に、社員の皆さんの人柄にも助けられたと思っています。本当に感謝していますね。
経営者の仕事は、決めて、進めて、責任を取ること
――社長として、ご自身の役割をどのように考えていますか。
林:私自身が営業の最前線に立って、すべてを売るわけではありません。経営者として大切なのは、やることとやらないことを決め、決めたことを前へ進めること。そして、最終的に責任を取ることだと思っています。
社員から判断を求められたときに、結論を先延ばしにしたり、一度決めたことを後から何度も変えたりしていたら、現場は動けません。意思決定をすることで社員の皆さんが動きやすい状態をつくり、決めた方向へ進む。その結果に責任を持つことが、自分の役割だと思っています。
――財務出身というと、数字に厳しい経営者を想像する人もいるかもしれませんが、どのようなマネジメント手法を意識されていますか。
林:もちろん数字は厳しく見ますし、事実ベースで会話することを常に意識しています。また、もっともっと売上を伸ばしたい、会社を大きくする必要があるということも社員にはストレートに伝えています。ただ、数字によって余計なプレッシャーを与えたいわけではありません。
成果を個人の能力や頑張りだけに依存させるのではなく、営業や仕事がしやすくなる環境と仕組みをつくる。一人ひとりの能力をできるだけ活かせる場所や、強みに合った仕事を考える。そのうえで、組織として成果を出せる状態にしたいと思っています。
数字は、人を追い込むためのものではありません。何がうまくいき、何を変えるべきなのかを共通認識にして、会社を前へ進めるために使うものだと考えていますね。
「一棟売れた」を、狙って再現できる組織へ成長させたい
――数字を見る立場から、現場や組織を動かす立場に変わって、最も大きなギャップは何でしたか。
林:我々のビジネスは、別荘が一棟が成約すると、売上の数字が大きく動きます。ただ、経営する立場では、「結果として一棟売れた」だけではなく、「狙った結果として、この数字になった」と説明できなければいけないと考えています。つまり、再現性が一番大事ということです。
これまでは、毎月の数字をどう積み上げるか、どの行動が成果につながったかを細かく捉える考え方が、それほど強くありませんでした。その意識を変えていくことには難しさがあります。
過去に売れてきた実績や、経験豊富な社員が持つ感覚は、クリエイト軽井沢グループの大きな強みです。一方で、市場もお客様の考え方も変わります。「今まで売れてきたから、これからもきっと売れる」だけでは、次の成長はつくれません。
だからこそ、行動量や営業のプロセスを捉え、データを残し、なぜ成果が出たのかを言葉にする。特定の誰かだから売れるのではなく、組織として同じような成果を生み出せる状態に変えていきたいと思っています。
――これまでのやり方を変えることに、難しさはありませんか。
林:もちろんあります。これまでの方法で実際に成果が出ていたからこそ、「このままでいいのではないか」と感じるのは自然なことです。私は、現場の経験やこれまでのやり方を否定したいわけではありません。
経験豊富な社員が持つ知見を、数字やデータも使いながら、次の人へ引き継げる形にしたい。そこへ新しく入る人の視点や力も掛け合わせたいと考えています。
オーナーの判断を中心に動く会社から、チームで考え、同じ方向を向いて進む会社へ。教育や一人ひとりの成長にも、これまで以上に力を入れていく。その変化を、社員の皆さんと一緒につくっているところです。
事業の成長と人の成長を両立させていく、が次なるミッション
――クリエイト軽井沢グループを、これからどのような会社にしたいと考えていますか。
林:事業として、今よりさらに成長させたいと考えています。ただし、売上だけを大きくすればよいわけではない。会社として社会に与えられる影響を広げること、そして、そこで働く人が成長することも大切だと思っています。
クリエイト軽井沢グループには、長く会社を支え、軽井沢で経験を積んできた社員がいます。その方々が持つ知見を大切にしながら、新しい人の視点や力も取り入れたいと思っていますね。
会社が変わるために、これまでの社員と新しく入る社員を対立させる必要はありません。互いを尊重し、刺激を受けながら、それぞれの強みを生かしていくことが重要です。
採用についても、単に人手が足りない部分を埋めるためだけに行うものではないと考えています。新しい人が入ることで、これまでになかった仕事や事業が生まれる。そこまで含めて、人への投資だと思っています。
「このブランドだから選びたい」と、世界から思われる存在へ
――事業の将来について、どのような構想を持っていますか。
林:まずは現在の不動産、建設、管理の事業を、さらに強くしていきます。そのうえで、別荘を売る、建てるという領域だけにとどまらず、軽井沢で培った知見を生かした新しいサービスや事業にも挑戦したいと考えています。
例えば、ホテルや滞在に関わるサービス、他のリゾートエリアへの展開なども、将来の選択肢として考えられます。ただ、何でも広げればよいということではありません。クリエイト軽井沢グループが得意としてきた「ものづくり」と、顧客一人ひとりに向き合う姿勢を軸にしていきたいと思っています。
あとは、海外のお客様への発信も強化したいですね。まずはアジア圏を含め、より多くの人に自分たちのブランドやものづくりの価値を直接伝えたい。「軽井沢だから」だけでなく、「クリエイト軽井沢グループが手がけたものだから選びたい」と思っていただける存在を目指しています。
――その構想は、働く人にとってどのような機会になりますか。
林:そうですね。まずは、海外への情報発信、マーケティング、新しい商品やサービスの企画など、これまで社内になかった仕事が必要になりますね。
すでに、新しく加わったメンバーが東京で情報を集め、軽井沢の社員と連携して案件につなげたり、WebサイトやSNS、情報発信の改善に取り組んだりしています。新しい人が入ったことで、会社の動き方が少しずつ変わり始めています。
大きなことでなくても構いません。まずは一つ、新しい仕事や事業を形にする。そこから次の挑戦を生み出したいと思っています。
大きなグループの力を借りても、地域企業としての文化は守る
――ボルテックスグループに参画したことで、クリエイト軽井沢グループらしさが失われるのでは、と感じる方もいるかもしれませんが、どうお考えでしょうか。
林:そうですね。ただ、クリエイト軽井沢グループは、これからも自分たちで考え、自分たちで成長していく会社になっていく。そこに変わりはありません。
ボルテックスには、顧客基盤、事業開発、マーケティング、人材など、さまざまな面で支援できる力があります。それは間違いない強力な資産になります。ただ、ボルテックスありきな経営、事業展開はしたくないんです。あくまでも親会社と子会社の関係は維持しつつ、軽井沢らしさ、を大切に事業展開していきたいと考えていますね。
変えるべきことは変える。しかし、大切にしてきたものは守る。グループの力を借りながら、クリエイト軽井沢自身がさらに強くなることを目指しています。
協調性とは、自分の意見を抑えることではない
――これから、どのような人と一緒に働きたいですか。
林:はい。明確にありますね。コミュ力が高い、営業が上手い。そんな小手先なスキルではなくって、
「周囲を巻き込みながら、自分が実現したいことに力を注げれる人」を求めています。
協調性というと、周囲に合わせ、自分の考えを抑えることだと思われるかもしれません。しかし、私が求めているのは、そういう人ではありません。
これまで会社を支えてきた人の経験を尊重しながら、自分がやりたいことを言葉にして、周囲を巻き込んでいく。周りの人に「手伝いたい」「一緒にやってみたい」と思ってもらえる人が、これからの会社には必要です。
表面的に熱く見える必要は全くありません。自分の中に志があり、やりたいことに向かって学び、行動できることが大切です。応募条件は職種によって異なりますが、採用では年齢やこれまでの経歴だけで可能性を決めるつもりはなく、変化しようとする人は、年齢に関係なく成長できると考えています。
――反対に、今の会社に合わない可能性があるのは、どのような人でしょうか。
林:そうですね。安定や現状維持だけを望む方には、今のクリエイト軽井沢グループには合わないかもしれません。会社自体が変わろうとしている途中だからです。
もちろん、これまでのやり方をすべて変えればよいわけではありません。ただ、市場やお客様が変わっていく中で、自分たちも学び、変化し続ける必要があります。その変化を前向きに捉え、自分もその一部になりたいと思える方に来ていただきたいですね!
完成された会社ではないからこそ、自分で変えられる環境はここにはある
――クリエイト軽井沢グループで働くおもしろさを、どのように伝えたいですか。
林:軽井沢という地は、特殊な地域であり、普段なかなか出会えないようなお客様と接する機会があります。不動産営業であれば、すでに軽井沢に関心を持っているお客様に向き合い、一人ひとりの顔が見える提案ができますし、新規開拓だけを続ける営業とは、違ったおもしろさがあると思います。
設計や施工管理であれば、軽井沢ならではの土地、気候、建築に深く関わることができますし、何よりもお客様(施主)の夢を預かることができます。こんなにドリーミーな仕事は他にないと思いますね。
これからは、SNS、マーケティング、海外展開、新規事業、BizDev、AI開発など、今までになかった役割が生まれる可能性が十分にあります。
クリエイト軽井沢グループには、軽井沢で積み重ねてきた経験と信頼があります。しかし、会社の仕組みや事業は、まだこれから変えられる部分が多くあります。
完成された環境に入るのではなく、自分たちの手で会社を変え、新しい仕事をつくっていく。その挑戦をおもしろいと感じる方と、一緒に働きたいと思っていますね。
軽井沢の価値をつなぎながら、次の時代のクリエイト軽井沢をつくる。
少しでも興味を持ってくださった方は、まずはカジュアルにお話ししてみませんか。