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【社員インタビュー Vol.20】3人目の博士課程卒業者!元物理学の研究者がアダコテックにAIエンジニアとして入社に至るまで

2022年11月にAIエンジニアとして永井健さんが入社しました!

▼永井健(ながい・けん)
2021年6月まで北陸先端科学技術大学院大学で講師として生物物理学の研究室を運営。その後、株式会社NTTデータオートモビリジェンス研究所にてADAS検証ツールの開発に従事。2022年11月より株式会社アダコテックにAIエンジニアとして入社。



様々な学会からの受賞歴などアカデミアで高い評価を受けていた永井さんが、なぜITエンジニアにキャリアチェンジしスタートアップのアダコテックでチャレンジすることに決めたのか、インタビューでお聞きしました。

博士課程卒が多いアダコテックでも稀に見るアカデミックなご経験ですが、アカデミアに進まれた経緯や、研究の内容について教えていただけますか?

昔から数学が好きだったのですが、数学を使って世の中の現象が理解できることに興味を持ち大学の物理学科に進むことにしました。修士課程に行くか考えるために研究室を探していたところ、生命現象を扱う物理が有ることを知り、面白そうと思い進学しました。博士課程には行くかどうか迷っていたのですが、博士課程の学生でありながら給料がもらえる学術振興会の特別研究員として選ばれたので、修士課程と同じ研究室の博士課程に行くことにしました。

博士卒業時には当時の研究対象をもっと深く知りたいと考えており、研究を続けるための職を探していたところ、研究員として雇ってもらえる場所が見つかったのでそのままアカデミアに残ることにしました。その後、2014年4月に北陸先端科学技術大学院大学(JAIST)にて教員として採用され、生物物理の研究室を運営していました。

アカデミアの時代に専門としていたのは生物物理という分野です。その分野の中で生き物の群れの物理についての研究を主に行っていました。大腸菌などの微生物を大量に使った実験で得られたデータを群れの数理モデルを使って解析し、生き物の群れに成り立つ普遍法則を研究していました。自分の研究内容は基礎研究的な側面が強かったですが、近い分野に群れのモデルを使ったドローン編隊の制御や避難時の人流制御などと言った応用研究を行っている研究者もいて、応用も可能な分野でした。

――大学教員からITエンジニアへのキャリアチェンジのきっかけは何だったのでしょうか?

2018年度からソフトロボット学の創生という工学系のグループ研究に関わったのがきっかけです。その中で、群れの物理の知見を使ったロボットを作成するプロジェクトに入ったのですが、工学系の研究であったので社会実装も見据えながら研究を進めることになりました。その中で、自分の研究スキルを使って社会を作り上げていくことに興味がわき、エンジニア職への転職を意識するようになりました。

今はディープラーニングの登場などによってAIが社会に浸透したため、様々なサービスの中で深い数理的な知見を求められます。ITエンジニアへの転職は大きなキャリアチェンジになるとはいえ、今なら自分のスキルを強みとして転職活動を進められると考え、挑戦してみることに決めました。


――そして初めて民間企業に転職されたんですね。前職ではどのような経験をされたのでしょうか?

前職の会社は自動車開発ツールのベンダーでした。その中で、ADAS(先進運転支援システム)の検証支援ツール開発およびツールの導入支援を担当しました。

アカデミアでの仕事と考えるポイントが全く異なるため、入社してしばらくは苦労しました。アカデミアにいるときは、専門が基礎研究であったことも有り、仕事のゴールを決める上で自分の興味が大きなウェイトを占めていました。一方で、ツールの開発では顧客の課題解決がゴールとなるので、顧客との対話が重要となります。転職してすぐは顧客の要求と合わないものを開発してしまうことも多かったです。

苦労することは多かったものの、新しい仕事のスキルが身についていく感覚が面白かったので楽しみながら仕事をしていました。

――お仕事は楽しかったとのことですが、転職しようと思うようになったきっかけはあったのでしょうか?

前職では既存の数理的技術をツールに実装することはあっても、新技術開発やデータ分析を行うことはなく、研究で培ったスキルを使う機会があまりありませんでした。とはいえ、学ぶことも多く転職はあまり意識していなかったのですが、将来的にはできればもう少し自分のスキルを活かした仕事をしたいと考えていました。

そこで、自分のスキルを活かせそうな会社の情報収集のため転職エージェントさんとお話をすることにしました。お話する中でアダコテックを紹介され、産総研という大学に近い研究機関発のスタートアップであったので気になり、カジュアル面談をお願いしました。

――その後どのような流れで入社に至ったのでしょうか?

カジュアル面談までに会社の情報を調べたところ、比較的古典的な手法を使っているものの高い検知技術を持っていることがわかりました。アカデミアでの研究の中では古典的な技術を使って画像処理や解析を行うことが多かったため、自分が使い慣れている技術との相性の良さを感じました。そこで、論文をチェックするなどアダコテックの技術について知識をつけ、できるだけ面談で会社の良し悪しを見極められるように動きました。

面談ではCTOの伊藤さんに様々なことを聞きましたが、すべて誠実に答えていただきとても充実したものでした。面談の中で自分のスキルとの相性を確認できたとともに伊藤さんの実直で飾らない雰囲気に惹かれたため、アダコテックのAIエンジニア職に応募することにしました。

一次選考は現役AIエンジニアとの面接だったのですが、そこでお話した方々の人柄が良く、会社の雰囲気にとても魅力を感じました。次の1dayインターンでデータ解析を行い、解析結果についてエンジニアたちと議論を行う中で各々が高い技術力を持っていることがわかり、一緒に働いてみたいと思いました。最終面接ではCEOの河邑さんとお話をしたのですが、誠実な人柄に惹かれ面接時間が過ぎていることに気づかないほど話し込んでしまいました。最終面接後はぜひ入社したいと考えていたところ運良く内定がいただけたので、入社することに決めました。

――技術にも、メンバーにも惹かれて入社いただいたんですね!実際に入ってみて2か月ほどですが、どうですか?

最初に持った印象通り、AIエンジニアはどの方も高いスキルを持っていると感じています。アダコテックにはわいがや会というものがあり、部門を越えて事業や技術に関して議論する場があるのですが、そこで選考過程では話さなかった事業開発や営業担当の方とも関わることで、それぞれの方が高い技術を持っていることがひしひしと伝わってきて毎日刺激的です。

また、アカデミアの経験との相性は想定していたよりもいいと感じています。アダコテックは独自技術を強みとするので論文調査や専門書の輪読会にも重点が置かれていて、アカデミア時代とかなり近いリズムで仕事ができています。また、少人数の研究室を少しずつ立ち上げていった感覚がスタートアップで組織を作り上げていく感覚に近く、違和感なくフィットできています。選考過程で感じていたように自分のもつ数学の知見および画像処理の知見がかなり使えるため、技術開発の中でも過去の経験が役立っています。



――自分のスキルを活かして働きたい、という希望が叶っていてなによりです!今後、アダコテックでどのようなエンジニアになりたいですか?

HLACという独自技術があっても、それを売り込んでいくためには事業開発担当やwebエンジニアなど他部門の方と連携を取りながら技術開発を進める必要があります。自分が得意な部分のスキルを高めるだけでなく他部門の知識も深く学び、変化が多い中でも素早く他部門と連携して開発を進められるエンジニアとなりたいです。

――最後に、今後どのような方と一緒に働きたいですか?ぜひ、メッセージをお願いします。

まだ人数が少ないスタートアップなので変化が激しく、様々なシステムが整っていません。色々と大変な場面も多いですが、一緒に組織を作り上げていく過程を楽しめる方と仕事ができたらと思います。

またHLACという技術は、まだ応用事例がそこまで多くありません。そのため、課題解決のために新技術開発がしばしば生じます。0からの開発が好きな方だとお互いに楽しみながら仕事ができると思います。

興味のある方には是非エントリーしていただきたいと思います!

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