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長年エンジニアとして技術を磨き上げてきたあなたへ。
かつては技術力こそがエンジニアの市場価値を決める絶対的な指標でした。しかし、昨今の激動のIT業界で、これからも力強く生き抜き市場価値の高いエンジニアであり続けるためには、もはや技術力だけでは不十分な時代が訪れています。技術力頼みではいずれ昇給やキャリアアップが頭打ちになってしまうかもしれません。
そのような中で、あなたのキャリアを未来へと繋ぐ強力な武器となる「ビジネススキル」について今回はお届けします。
技術だけでは不十分!“ビジネススキル”の重要性
現代のIT業界はDXの加速やAIの進化、複雑化する顧客ニーズなど目まぐるしい変化の渦中にあります。このような状況下では、どんなに優れた技術を持つエンジニアであっても、その技術力だけでは通用しなくなりつつあるのです。
それはなぜか。理由の一つは、クライアントやビジネスサイドとの距離が縮まっていることです。例えば新しい技術を導入する際、その技術が単なる流行で終わらず、長期的にビジネスにどう利益をもたらすかを経営層に説明できるというように、新しい開発形態や技術が普及しビジネスとエンジニアリングの境界線が曖昧になるにつれて単に要件通りに実装するだけでなくビジネスの意図を理解し、主体的に提案する能力が求められるようになりました。
さらには、技術のコモディティ化が進行し、誰でも技術を習得しやすい環境になったことも挙げられます。オープンソースやクラウドサービスの普及により、特定の技術を習得するハードルは格段に下がりました。また、生成AIの登場で定型的なコーディング作業などが効率化され、エンジニアの仕事は単なる実装にとどまらないことを示唆しています。これにより、特定の技術を「知っている」というだけでは差別化が難しくなっています。むしろ、その技術を使って「何を生み出すか」「どうビジネスに貢献するか」といった視点こそがより重要視されているのです。
Nucoは、設立当初からお客様のビジネス課題を深く理解し、技術を通じて最適なソリューションを提案することでより大きな価値創造を目指しています。私たちは技術力とビジネス感覚を融合させたソリューション提供に強みを持っています。スタートアップならではの環境で、技術力とビジネススキルを磨き、マネージャーや採用担当など、多様なポジションに挑戦できる機会をご用意しています。
ベテランにこそ必要な3つのビジネススキル
では、具体的にどのようなスキルが必要となるのでしょうか。ここでは、ベテランエンジニアの皆さんに特に磨いていただきたい3つのビジネススキルを紹介し、それぞれの能力について「どうすれば良いのか」「これは避けるべき」という視点から解説していきます。
①論理的思考力
長年の経験で培った勘や直感も重要ですが、それを論理的に裏付けて行動の根拠にできて初めてベテランの真価は発揮されます。
最適なソリューションを導き出すには、課題を正確に把握しその本質を理解することが必要不可欠です。つまり、経験に基づいた視点からクライアントの漠然とした要望の裏にある真のニーズを見極める力を養い、適切な手順で課題に対する最適解を導き出すことを目的としています。
お客様から「使いやすくしてほしい」という要望があったとします。
良い例:抽象的な要望に対して、「現状の課題は?」「ボトルネックは?」と質問を重ね、「データ入力の重複」という真の課題を特定します。その上で、「データ連携で入力手間を半分に削減でき、月に〇時間の業務効率化が期待できる」という本質的な解決策と具体的なビジネスメリットを提示し、お客様を納得させます。
悪い例:表面的な要望だけを捉え、具体的な課題特定をせずにデザイン変更など安易な解決策を提案すると、お客様が本当に求めていた業務効率化には繋がらず、根本的な問題は未解決のままです。お客様の満足度は低く、再度の改修依頼や信頼失墜につながりかねません。
②マネジメント力
技術的な課題解決能力に加えて、チームの成長を促し、組織全体の生産性を最大化するリーダーシップがベテランエンジニアには特に求められます。
プロジェクトの成功は、チーム全体のパフォーマンスにかかっています。現場を熟知するベテランエンジニアがマネジメントを担うことで、技術的な課題を理解した上で適切な判断を下し、チームを正しい方向に導くことができるでしょう。皆さんの持つ長年の経験は、マネジメント力を強化し、メンバーの成長を促すだけでなく、チーム全体のより大きなアウトプットへと繋がります。
プロジェクト中に問題が発生し、チームのモチベーションが低下したとします。
良い例:マネジメント力のあるエンジニアは、冷静に課題と原因を究明し、メンバーの意見に耳を傾けた上で、「こうすれば解決できるはずだ」と、具体的な解決策や役割分担を提案。メンバーの強みを引き出し、チーム全体で前向きに課題解決に取り組めるよう再活性化させ、プロジェクトを成功へ導きます。
悪い例:メンバーに対し感情的に接したり、具体的な指示を出さずに「各自でなんとかしろ」と丸投げしたりしてしまうとチームの雰囲気は悪化、問題解決も遅延し、最終的にプロジェクトの失敗を招く可能性が高まってしまいます。
③説明力
相手の理解度や背景に合わせた言葉で、複雑な技術を簡便に、かつ納得感のある形で説明することで周囲からの信頼と協力を得やすくなります。
長年の経験から培われた高度で専門的な技術や深い洞察は、非常に貴重な知見です。しかし、専門用語の羅列で終わってしまってはその価値を最大限に活かすことができません。難解な技術課題を誰もが理解できるように説明できる、つまり、非技術者からもビジネス的な理解を得る力は、ベテランだからこそ発揮できる大きな強みとなるのです。
複雑なシステム障害が発生し、お客様や関係者に報告するとします。
良い例:伝達力のあるエンジニアは、専門用語を避け、「システムに交通渋滞のような問題が発生しました。現在は少しずつ解消に向かっています」といった平易な言葉で現状を説明します。その上で、「原因はデータベースへのアクセス集中」「復旧まであと〇時間、一部機能は利用可能」と、正確かつ具体的に、お客様の不安を和らげるように情報を伝えます。さらに、「今後は〇〇といった対策で同様の障害を未然に防ぎます」と、今後のロードマップを明確に提示し、信頼を得ます。
悪い例:「SQLExceptionが発生し、デッドロックによりトランザクションがロールバックされています。」などと専門用語を並べ立てても、非技術者のお客様には伝わりません。理解不能な説明はお客様の不安を煽り、最悪の場合、会社への不信感につながる可能性があります。
「だけじゃない」新時代のエンジニア
皆さんの中には、自ら手を動かして成果を出すことに喜びを感じ、長くプレイヤーとして活躍することを選択されている方もいらっしゃることと思います。しかし、それは同時に、新技術の登場による既存技術の陳腐化や若手との競争激化、体力的な限界といったリスクと隣り合わせで常に全盛期と同様のアウトプットを求められる働き方でもあります。
一方で、マネジメントスキルを身につけることは、エンジニアとして長く働き続けるための有効なリスクヘッジとなり得ます。また、コードレビューや技術選定など、マネージャーになっても技術力を高める機会は豊富にあるのです。実際、Nucoには、現在も機械学習エンジニアとして専門性を深めながら、同時にマネージャーとして運営業務や採用、社内管理業務も担当している者がいます。大きな組織ではないからこそ、各社員にさまざまなチャンスが与えられる環境がNucoにはあります。
近年、AIの進化は目覚ましく、「人間にしかできない仕事」が減りつつあるのは紛れもない事実です。しかし、これは悲観すべきことではありません。むしろAIに代替されにくい「人間ならではの価値」を追求する絶好のチャンスと捉えるべきです。ビジネスを理解し、チームを動かし、プロジェクト全体を成功に導く。まさに、先に挙げたビジネススキルこそが、AI時代におけるエンジニアの付加価値となるのです。
マネジメントに限らず、様々なプラスの価値を習得することで、AIによる業務の自動化が進む中でも、あなたの役割が陳腐化せず、常に市場から求められる存在であり続けられます。さらに、特定の技術に依存しないキャリアを構築できるため、景気の変動や技術トレンドの変化にも揺らぎにくい、つまり、仕事の継続性・安定性を保つことができます。
若手よりも豊富な経験と幅広い視野を活かした「ベテランにしかできないこと」、例えば技術とビジネスの橋渡し役や組織を導くリーダー、次世代のエンジニアを育成するメンターなど、専門性を深めるだけではないキャリアパスにも目を向けてみませんか?
ご紹介した3つのビジネススキルは、AI時代において人間にしかできない価値を追求するエンジニアにとって重要な選択肢の1つです。
マネジメントと技術力の追求は、決して二者択一ではありません。むしろ、マネジメント経験を積むことで、より高い視点からプロジェクト全体を俯瞰し、効率的に物事を進められるようになり、あなたの市場価値を飛躍的に高めます。
Nucoは技術力とビジネススキルを兼ね備え、新たな価値創造に挑戦するエンジニアを求めています。