なぜか共感できるお仕事マンガ「贋(まがいもの)」
Photo by The Cleveland Museum of Art on Unsplash
※この記事の中には、3か所意図的な誤字があります。ぜひ探してみてください!
(3か所以上見つけた場合、私のミスです。ご指摘ください)
こんにちは、佑人社の島です!
編集部で、入試や模試の問題の編集や校正のお仕事をさせていただいています。
仕事を題材にした物語は世にあふれていても、
なかなか自分の仕事と完全に同じ職業の物語は見つからないことが多いです。
校閲を題材にしたものはあっても、問題編集をやっている人が出てくるものは
今のところ見つけられていません。(知っている方がいれば教えてください!)
でも、自分とは同じ職業ではない主人公なのに、なぜか共感できることってありませんか?
今回は、私の仕事とは違うはずなのに、なぜか共感できるお仕事マンガ「贋(まがいもの)」(作・黒川 裕美)を紹介します。
「贋(まがいもの)」は、贋作をテーマにしています。
売れない幽霊画家である主人公の内海が、あるきっかけで贋作作りに手を染め、
いつしかそれにのりめこんでいく…というストーリーです。
贋作を本物と偽って売ることは犯罪なので、もちろん私の仕事とは異なるのですが、
それでも共感できるところがいくつかある気がして、夢中になって読んでしまいました。
私が共感したポイントを2つ挙げます。
共感ポイント①
模写ではなくて、その作者の新作を描く
贋作と言うと、有名な作品にそっくりな模写を作ることを想像していましたが、
内海が作るものは単なる模写ではありません。
その作者や作品が生まれた時代について研究を重ねて、作者になりきり、
あたかも「その作者が描いた新しい作品が見つかった」かのような新作を描きます。
模試の問題や入試問題の制作もこれに似ているところがあります。
当たり前ですが、過去問の「模写」のように完全に同じ問題を作るわけではありません。
過去問に沿った新しい問題を作る必要があります。
(もちろん、昨年度と変更点などがないかを線密に打ち合わせた上ですが)
そのためにその県の公立入試の過去問や学校の過去問を解き、過去問のレベルや出題形式をしっかり研究しています。
問題の内容だけでなく、問題文での閉じ開き(漢字で書くか、ひらがなで書くか)や語尾、図や選択肢のフォントなど、案件に合わせてその都度確認し、再現していきます。
この細部へのこだわりは、内海が、描くモチーフや画風だけでなく、筆づかいを再現するための体の使い方までこだわる姿と重なるところがあり、共感しながら読みました。
共感ポイント②
好きなこととできること
内海が「できること」は贋作作りですが、やっぱり好きなのは幽霊画です。
「できることじゃなくて好きなこと(幽霊画)に取り組んでいること」を褒めてくれていた
亡き師を裏切るように「できること」でお金を稼ぐことに葛藤を抱えながらも、
贋作作りを続けるうちに才能が開化し、自然とのめりこむようになっていきます。
教育関係の仕事で、生徒の笑顔を直接見る以上のやりがいは、なかなかないのではないかと思います。
私は前職が塾講師だったのですが、転職で「できること」に焦点を当てて新しい仕事を始めることに迷いもありました。
今は、自分の「できること」を生かせて働けていることに大きな喜びとやりがいを感じています。
これまで、誤字など細かい点が気になってしまうことは自分の欠点だと思ってきました。
環境を変えて働き始め、誤字を発見できるのは長所だし、むしろもっと伸ばしていくべき点だということに気づくことができました。
過去の全てと、持っている能力の全てを生かして「できること」にフォーカスしていく内海は、
なんだか私に似たところがあると思います。
フィクションの中で内海を応援しつつ、
私は贋作作りではなく正しい方向に力を使っていけるよう、今日もお仕事に取り組むのでした!
さて、私の隠した誤字は3つ見つけられましたか?見つけられた方はぜひ「いいね!」をお願いします。