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【代表インタビュー】AI開発の基盤となるアノテーションサービスを展開するAPTOが大切にしている2つのこと

AI開発には、精度の高い大量のデータを学習させる「アノテーション作業」が不可欠です。APTOは、そのアノテーションをスマホアプリで手軽にできる「harBest(ハーベスト)」というプラットフォームを提供しています。

このビジネスモデルを形にした、元エンジニアである高品代表にこれまでのキャリアや、APTOが目指す未来の世界について詳しくお聞きしました。


高品  良/ 代表取締役CEO

大学で経営工学を学んだのち、インフラ/バックエンドエンジニアとして大規模機関系システム開発に従事。その後、ITコンサル会社にて多数のIT案件を経験し、2017年にVRコンテンツ制作会社vLab株式会社を設立。2020年よりAI開発領域に興味を持ち、データ収集・作成に特化した株式会社APTOを創業。

「データ収集の課題」に直面したことが、起業のきっかけに

ーーまずは高品さんのこれまでのキャリアについて、教えてください。

私のファーストキャリアは、インフラ/バックエンド周りの開発をするエンジニアからスタート。そこからITコンサル会社に移り、さらにフリーランスになってからもエンジニアを続けていましたが、8年前にVRコンテンツ制作を手がけるvLab株式会社を立ち上げました。エンタメ系コンテンツを作りつつ、次第にAI開発にも挑戦してみようと思い、2020年にAPTOを創業。2社目の起業をすることになりました。

元々はvLab株式会社を始めた頃に「SNSの自動炎上検知サービスをAIを使って開発したい」と考えていたのですが、実際にやってみるとなるとデータ収集における課題に直面したんです。

同じタイミングで機械学習エンジニアの仲間や、弊社エンジニアの遠藤とも出会い「必要なデータをもっと速く、高い精度で集められれば、AI開発はよりスムーズにできるのではないか」と考えたことが、APTO創業のきっかけとなりました。

ーーAI開発をビジネスとしてやっていこうと思われた背景に、エンジニアとしての経験が深く関わっていたのですね。

そうですね。当時のAI開発は、取り組んでいる企業が今よりも少なかったのですが、どこも大量かつ高品質のデータを必要としていそうだとは感じていました。そのため、私たちが直面している課題と同じ悩みを持っているだろうと予想したんです。

最初に出資してくれた投資家からは「スマホアプリを活用してユーザーにAIデータを作成してもらうとなると、ユーザー側の作業データも活用できそうだ」との意見もありました。

2年前にはOpen AI社のChatGPTが世に出てきましたし、これからはAI技術も指数関数的に伸びていくはず。その時にもデータは必ず必要になります。例えば画像による物体検出は、大量のデータを与えたことによって実現していますからね。技術の進歩を、多くのデータが支えているのは間違いないです。

AI開発の未来のために意識しておきたい2つのキーワード

ーーAI開発の文脈で、APTO社が重視していることはありますか?

2つありまして、1つはデータ中心のAI開発という意味を持つ「データセントリック」。

一昔前までは、データは少々おろそかにされていました。どちらかといえば「AIはモデルやアルゴリズムが重要。データに含まれるノイズに耐えられるモデルを開発しよう」とされていたのですが、結局は大量に高品質なデータがあれば、精度の高いAIに仕上がっていく時代になってきています。

モデルによって機械学習をチューニングする開発手法から、アノテーションツールを使ってデータの品質を中心に据えた開発手法へと変わりつつある今は、私たちにとっては非常に好機です。

如何にに正しい、きれいなデータを集められるかを重視しながら、ビジネスを拡大していきたいと思っています。

ーーもう1つ重視されていることは?

「HITL(Human inThe Loop)」ですね。人間介在型のAI開発を指す言葉です。分かりやすいのはメルカリ社の事例です。

メルカリ社ではさまざまな商品が取引されていますが、売買が禁止されているものが出品されるケースが時折あるとのこと。そういう商品をAIで検知していくために、CS(カスタマーサクセス)を担当しているオペレーターが学習データの「先生役」となって、AIのモデル開発に携わっているんです。いたちごっこ的に、新たな商品が出てはデータ蓄積をし、AIで解析できるようにする。そしてまた新たな商品が出品される、、、この繰り返しになるので、こうした一部、人が介在する関わりは、非常に大切なことだと思っています。

ChatGPTにも同様の仕組みが導入されており、こうした人が介在していくAI開発はこれから主流になっていくでしょう。私たちも会社をあげて、しっかりとやっていきたいところです。

APTOが目指す「データセントリック企業」のビジョン

ーーAPTOとしては、これから先、どのような未来を目指していきたいと思っていますか?

当社には、新たなアノテーションデータを収集 / 作成できるスキームが整っています。今後は「データ収集に困ったら、とりあえずAPTOのharBestにアクセスすれば解決する」という世界を実現したいです。

アノテーション作業は非常に大変ですから、まとまったデータがあればすぐにダウンロードしたいと希望する企業も多いはず。しかし日本国内で、こうしたデータがまとまっていたり、依頼できたりするプラットフォームは多くはないです。だからこそ、他社に先駆けて「APTOでどんなデータも集められる世界」を目指しています。

ーー会社の経営方針については、いかがでしょうか?

AI開発を手がける上場企業はいくつかあるんですよね。ただ「データドリブン」や「データセントリック」を掲げているAI企業で、上場している会社はまだないんです。「データセントリック」を掲げ、アノテーション領域で一旗あげようとしている私たちが最初に上場ができれば、新しい分野での上場になりますし、業界も盛り上がるのではないかと思い、今はIPOを目指して頑張っています。

支援実績に関しては、海外企業とのやり取りもあり、最近では「医療系のデータを活用してほしい」との依頼がありました。創業当初と比較すると、問い合わせ件数も非常に増えています。

生成系AIが誕生し、ここ数年でAIリテラシーが急激に高まってきています。その結果、現場のユーザーの間でもAIの理解度が高まり、データの重要度も注目を集めているのではないでしょうか。私たちにとっては追い風でもありますので、より実用段階に入っていくタイミングが来ていると思っています。

ーーでは最後に、求職者の方へメッセージをお願いします。

すでに日本では少子高齢化が進んでいます。今までシニア人材が担っていた職人技や専門性の高い業務は、今後補助的にAIが担う可能性が高くなるでしょう。APTOの技術によって、労働人口が減っても、産業の発展を維持していく未来を支えることができます。

業界に関係なく、さまざまな産業のAI開発を支えることができるのが、当社の強み。データ収集・作成によるアノテーションに特化しているため、ホリゾンタルにAI開発支援に携わることができます。エンジニアにとっては、そうした「幅広さ」は魅力的に感じるかもしれませんね。

また、COOやCTO、CFOなど社内の役員レイヤーのポストも募集していますし、上場を目指す成長企業で、自分自身もキャリアアップできるチャンスがあります。

今はまさに、AIが社会に実装されていく過渡期であり、多くの産業に導入されていく変革期でもあります。そんな瞬間に世界を変えていく当事者として関わる喜びを、一緒に感じてほしいです。

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