こんにちは。株式会社シンシア・ハートで代表取締役をしている堀内猛志(takenoko1220)です。
このnoteでは、起業を志してベンチャー企業に新卒入社したのに、結局17年も所属してしまった結果、38歳6ヶ月にしてやっと起業した人間のヒューマンストーリーという名のポエムブログを書いています。
ここ最近、当社ではブランディングのテーマを磨き続けていました。その取り組みがようやく形になり、今月中にはブランドブックも出来上がる見込みです。
今回は、その過程で改めて考えた「ペルソナ」の話です。誰に向けて、何を届けるのかを深く考えたことで、自分たちが作りたいサービスやプロダクトの輪郭も、以前よりはっきりしてきました。
その気づきを、8月の振り返りとして残しておきたいと思います。
目次
幸せのターニングポイント
これまでも何度も話してきたことですが、当社では「全世代がときめくAgelessな社会を創る」をPurposeに掲げています。
そのきっかけは、年齢とともに幸福度が下がっていく日本の現状を変えたいと考えたことです。僕は、日本を「歳を重ねれば重ねるほど幸せを感じられる国」にしたいと、本気で思っています。
「では、どこから幸せにしていくのか」と考えたときに思い浮かんだのが、30〜40代でした。理由は大きく二つあります。
一つは、僕自身がその年齢で人生の岐路に立ったからです。自分と同世代でもあるので、肌感がありますし、最も解像度高く想像できる世代でもあります。
もう一つは、データを見ても、やはりこの年代が一つの分岐点になっているからです。日本では、30代後半あたりから幸福度が下がっていく傾向があります。しかも、年齢を重ねるほど幸福度が高まっていくアメリカでさえ、30代で一度落ち込むタイミングがあるんです。
実際に、世の中には「ミドルエイジ・クライシス」という言葉もあります。それだけ、この年代で悩んでいる人が多いということです。だから僕は、30〜40代が、人生における一つのターニングポイントなのだと考えています。
僕たちが向き合いたい人
30〜40代と一言でまとめても、その中にはいろいろな人がいます。だからこそ、すごく狭く、深く、ペルソナを考え出しました。
その結果気づいたのは、僕たちが向き合うべき人と、そうではない人がいるということです。
たとえば、世の中には、何の悩みもなく、自信たっぷりにいろいろなことに挑戦し、成功している人がいます。そういう人たちは、言ってしまえば「悩みって何?」という感覚でいるので、僕たちのサポートは必要ありません。
一方で、働くことやキャリアに対して、さして関心がない人もいます。タイパやコスパを一番に考えて、できるだけ働かずに、安定した環境で高い報酬を得られればいい、と考えているタイプです。その人たちからすれば、わざわざ転職・副業する必要はありませんし、ましてや独立なんてもってのほかなので、やはり僕たちのサポートは必要ありません。
では、僕たちが向き合うべき人は誰なのか。それは、今のキャリアに満足したり、諦めたりしているわけではない。かといって、ガンガン次の挑戦へ踏み出せるわけでもない。そんな“間にいる人たち”だという結論に行き着きました。
毎日が「全国大会」になった人たち
“間にいる人”の解像度をさらに高めていくと、僕自身も含めて、ある程度共通するものが見えてきました。具体的には、こんな人です。
学生時代までは、勉強もスポーツもそれなりにできた。ある程度有名な高校や大学に入り、部活でキャプテンや部長を任され、友達も多くて人気者だった。
こういった人は、世の中に結構な確率でいるんですよね。
ところが、その人が社会に出てからもずっとエースだったかというと、そうはいきません。上には上がいるからです。特に、新卒の中でも優秀な人ばかりが集まる大手企業は、毎日が全国大会みたいなもの。地方大会や県大会では「お山の大将」でいられた人も、そこで初めて「あれ?俺、一般人だったの?」と自信を失いがちです。
でも、学生時代から20年近くかけて培ってきた承認欲求は、そう簡単には消えません。「自分は一番のはずだ」「もっとチャンスがあっていいはずだ」「もっと評価されてもいいはずだ」という気持ちは、どこかに残っています。
その思いがありながら、現実では思うようにチャンスを掴めていない。ここに、この世代ならではの苦しさがあるのだと思います。
簡単には動けない世代
価値観が多様化した現代の20代は「この会社は違う」とひとたび気づけば、1000万円以上の年収があっても、割とあっさり辞める決断をします。
しかし、30〜40代は、そう簡単にはいきません。生きてきた時代と、今抱えている環境の両方が影響して、なかなか思い切れないんです。
同世代なのであえて「僕ら」と言いますが、僕らが生きてきたのは、受験も就職も、みんなが目指す「一流」や「大手」に受かれば勝ち組だと言われる時代でした。だから、「なぜその大学に行きたいのか」「なぜその会社に入りたいのか」と聞かれても、自分の中に明確な理由があるわけではありません。みんなが目指していて、そこに受かれば「すごいね」と言ってもらえたからです。
そのまま15年、20年と働き続けていると、「できること」と「好きなこと」が混ざっていきます。そうすると、「あなたは何が好きですか?」「本当は何がやりたいですか?」という問いに、どんどん答えられなくなっていくんです。だから、なかなか転職には踏み出せない。
さらに、この年代になると、大手企業というブランド、役職、年収、子どもの教育費、親の介護、パートナーとの関係など、抱えるものも増えていきます。
こういった時代と環境が要因となって、自分の中に葛藤を抱えていても、今いる場所からスパッと抜け出すのは簡単ではなくなってしまうんです。
煽ったって仕方がない
ちなみに、転職サービスの広告では、「自分の市場価値を知りましょう」「あなたの年収、低すぎるかもしれません」「人生変えるなら、今」といった、手垢がついたような煽り文句をしばしば目にします。
けれども、実際は、既に転職サイトに登録したり、エージェントに相談したりする中で、「自分の市場価値は大体こんなものだ」とわかっている30〜40代は多くいます。その上で、「自分らしさってなんやねん」「いきなり人生を劇的に変えるのは無理だ」と、悩むからこそ、苦しんでいるんです。
ところが、そんな等身大の悩みを受け止めてくれる相談相手は、意外といません。パートナーには「え、なんで?」と言われ、友達には「今のままでいいじゃん?」と言われる。エージェントに相談すれば、当然ながら転職を勧められます。
そんな中でも、「なんとか挑戦しなきゃ」と一歩踏み出そうとする人はいます。でも、そのたびに現状維持本能がやってきて、「やめておけ」とブレーキをかけてくる。だから、転職をするかどうか、何度も揺らぐんです。なんなら内定をもらって承諾した後だって揺らぐし、入社してからも揺らぐ。
でも、それでいいんです。人間ですから。揺らぎながらも、挑戦を繰り返していくような人。それでも諦めずにやっていこうっていうマインドがある人を、僕はファーストペルソナとして応援したいと思っています。
人生は変えなくていい
では、そんな30〜40代のターゲットに対して、僕たちができることは何なのか。改めて考えて出てきた結論は、「人生は変えなくていい。観方だけを変えればいい」と、伝えることでした。
ここで言う観方とは、「捉え方」とも言い換えられます。観方を変えれば、あなたの人生は本当に価値のあるものであり、その中には、いろいろな場所で必要とされる要素があるのだと、気づいてほしいと思ったんです。
当社に相談に来られる方の中には、自分の経験を安く見積もっている人が少なくありません。「私、15年間営業しかしてこなかったし、1社しか経験がありません」「コンサル会社に入ったけれど、忙しくて徹夜ばかり。身体を痛めつけているだけで、何も得られていない気がします」といったことをよく話されます。
特に管理職クラスの方は、残業代もつかない中で、いろいろなものを受け止めながら働いています。そんな日々の中で、「自分のやっていることに意味はあるのか」「このまま続けていて、市場価値は上がるのか」と悩んでいる人も多いんですよね。
でも、15年続けてきたということは、それだけで専門性があるということです。徹夜が続くような環境で働いてきたのであれば、それだけコミットできる力やマインド、やり切る体力があるとも言えます。そういう武器を欲しがる場所は、いくらでもあると思うんです。
外からのきっかけがないと、そのことに気づけない方は多くいます。だからこそ、「人生を変えなくていい。まずは自分自身の人生を認めてあげてほしい」と伝えたいんです。観方を変えることで、「確かにそうかも」と自信を持ってもらうことが、最初の一歩目なのだと思います。
ブレーキを外し、ゴールを示す
「人生は変えなくていい。観方だけを変えればいい」という考え方は、そのまま当社のブランドコンセプトになりました。
エンジンはあるけども、なぜかブレーキも一緒に踏んでしまっている人。そして、進むべき方向性がわからなくなっている人。「観方を変える」ということは、そういう人たちのブレーキを外し、ゴールを示すことだと考えています。
それは、こちらが新しいアプローチをするというより、いかにその人自身が気づけるようにするか、ということなんですよね。僕たちは、そこに価値を見出していきたいと思っています。
そして、これは僕自身にも重なる話です。経営者として事業を進めていても、うまくいかないことはあるし、日々揺れることもあります。でも、それも含めて、自分の人生です。
感情のプラスもマイナスも経験しながら、全力で回り道をしていく。成功したというゴールの「点」だけではなく、その過程で得た経験を「線」として捉える。こんなふうに観方を変えれば、無駄なものは一つもなくて、すべてが成功のための伏線だったんだなと捉えることができます。
そう思いながら生きているからこそ、僕は新しいことにも全力で挑戦しています。そして、こうした考え方を、サービスやプロダクトに落として届けていきたいと思っています。
今月のまとめ:“田中さん”を助けたい
ちなみに、社内では、このペルソナを「田中さん」と呼ぶことにしました。僕らだけで会議をしていると、どうしても僕ら自身を主語にして話してしまうからです。
それからというもの、サービスやプロダクトについて話し合うときも、「田中さんだったら、その判断はしないんじゃないか」「田中さんは、そんなこと言わないと思う」「それは強い人の意見であって、田中さんはそうはならないでしょ」といった会話が出るようになりました。
8月は、自分たちが本当に助けたい「田中さん」の輪郭が見えたことで、サービスやプロダクトの方向性、そして改善活動の判断基準までクリアになった1ヶ月だったと感じます。
ここに至るまでは、かなり紆余曲折があり、ピボットも何度もしてきました。それでも、なんとなく前に進んでいる感覚があるのは、やはりペルソナがはっきりしたからです。
ここから先、当社ではブランドの発信やサービスコンセプトの整理、プロダクトのリリースなどを進めていく予定です。今後のシンシア・ハートの展開に、ぜひご期待いただければと思います!
メンバーを募集しています
当社では、引き続きメンバーを募集しています。役員候補をはじめ、bizdev、pdm、営業、キャリアアドバイザーなど多数のポジションがあり、副業やフルリモートといった働き方も選べます。
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