こんにちは。株式会社シンシア・ハートで代表取締役をしている堀内猛志(takenoko1220)です。
このnoteでは、起業を志してベンチャー企業に新卒入社したのに、結局17年も所属してしまった結果、38歳6か月にしてやっと起業した人間のヒューマンストーリーという名のポエムブログを書いています。
創業noteを書き始めてから、まもなく2年が経とうとしています。そんな中、改めて前回の記事を読み返してみると、「伝えたいことが整理できていなかったな」と感じました。
では、何がダメだったのか。考え続けるうちに、「振り返り方」と「言葉の選び方」を雑にしてしまっていたことに気づきました。
今日は、そんな反省を踏まえながら、「過ぎたことをどう振り返るか」そして「この創業noteを書く意義」について、改めて考えてみたいと思います。
目次
“精度の高い振り返り”とは
物事の本質を振り返るために
振り返りとは、問い続けること
生と死の意味を問う
心に響く“ことば”を
現代の1日=江戸時代の1年
過去の記憶が未来の自分を励ます
創業noteを書き続ける意義
言葉の力で、心を動かす
メンバーを募集しています
“精度の高い振り返り”とは
僕は、せっかく振り返りに時間を使うなら、できる限りその精度を高くしたいと思っています。書く瞬間に出来事を思い出すのではなく、書くまでの間に、1周、2周、3周と考えを巡らせ、思考のレベルを上げていくようなイメージです。
たとえば、1日の終わりだけでなく、ふとした瞬間に振り返りを重ねていくと「どの場面でも同じようなことが起きているな」と感じる“最小公倍数的なもの”が見えてきます。これが、記事のコンセプトの種になります。その種をもとに、思考を整理し、物事を構造的に捉えていくことで、伝えたいことが明確で、わかりやすい文章を書くことができるんです。
ところが前回は、その過程をサボってしまいました。振り返りの精度を高めるための自分との対話をせずに、思うがままに書いてしまった、という感じですね。
物事の本質を振り返るために
その反省をもとに、今月は「振り返り」という行動自体を見つめ直すことにしました。そうすると、不思議なことに、仕事から離れている時間の方が、むしろ精度の高い振り返りができていることに気づいたんです。
今、僕は夜に一切仕事をせず、息子に本気で向き合うようにしています。以前は、息子が遊んでいる横でチャットの返信をすることもありました。一見すると生産的に見えますが、実際は、子どもと遊びながらの返事で、クリティカルなことを言えるはずがありません。
逆に、デバイスを手放して、大人ならすぐにできる・わかるようなことを一生懸命にやっている息子の姿を見ていると、僕の中で「人間ってこうやって成長していくんだな」という新しい感覚が生まれました。
そして「息子はどんな大人になるだろう」「二十歳になる頃にはリニア中央新幹線が開業してるかな」「今は奈良に帰ろうかと思ってるけど、東京と奈良を1時間で行き来できるようになったら、今の場所に住み続けてもいいかもしれない」……と、連想的に想像が広がっていくと、最終的に「どんな未来をつくりたいか」「どういう世界なら楽しいか」といった問いに行き着くんです。
元々僕がやっていたように、わざわざ時間を取って紙に書き出しながら考えるよりも、息子と向き合いながら考える方が、よほど前に進んでいるように感じられます。
振り返りとは、問い続けること
僕が「振り返り」という行動にこだわるのは、それが本当に大事なことであると認識しているからです。特に、独立して社長になってからは、その重要性を強く実感します。
会社員時代は、上から指示されたことをやるのが第一だったので、「自分が何のために生きているのか」「どういう世界を目指すのか」といったテーマについて、そこまで深く考えることはありませんでした。でも、経営者になってからは、そんなことばかり考えています。もっと言えば、こうした問いを持たずして、経営者をやる必要はないとさえ思うんです。
僕が独立したのは、儲けるためではなく、世のため、人のため、そして、それを通じて自分の人生を良くするために、限りある時間を使いたいと思ったからです。
だからこそ僕は、自分の歩みを振り返りながら、常に「ゴールとはどういう世界なのか」をアップデートし、「なぜそれやりたかったのか」を何度も思い出し、ゴールに辿り着くまでのソリューションをひたすら考え続けています。
生と死の意味を問う
最近になって僕は、振り返りの中で、さまざまな事象の「意味」も考えるようになりました。最も考えるのは、妻の死の意味です。
僕は、妻が亡くなったことをマイナスな出来事として終わらせたくありません。事実は変わらなくとも、意味付けすることで、何かしらが前に進んでいると思えるようになること。それが、僕なりの彼女の死の受け止め方です。
こうして考え続けていれば、僕が生きる意味や、1人で息子を育てる意味も、なんとなく見えてくる気がしています。
心に響く“ことば”を
僕は、単に自分の中で振り返るのではなく、振り返ったことを発信することも大切にしています。そして、発信する際に、ものすごく重要だと感じているのが、自分の考えを表す言葉を見つけることです。
「言語化」と言ってしまえば簡単かもしれませんが、この表現を使うと、ふんわりしたものをきっちり記号にする、という印象を受けてしまいます。だから、僕はあえて「ことば化」と表現したいと思います。僕が自分の考えや感情をこうして綴るときには、相手の“脳”が理解できる言語ではなく、“心”に情景が伝わることばを選びたいんです。
それをすることで、僕が振り返ったときの記憶も、もっともっと鮮明になる気がしています。
現代の1日=江戸時代の1年
ところが、今の世の中は「おいしい」も「嬉しい」も「危ない」も全部「ヤバイ」の一言で片付けられるように、言葉の扱いが雑になってきています。
僕は、インプットする情報があまりに多すぎるために、自分の中で情報を構造的に整理して、相手に伝わりやすい言い方に処理(=スループット)する暇がなく、そのままアウトプットせざるを得なくなっていることが要因なのではないかと考えています。
実際に、インターネットやSNSの普及した現代では、人が1日に得る情報量は、江戸時代の365倍、つまり、1年分に相当するとも言われているんです。だから、脳内での処理が追いつかず、ざっくりした言葉を選んだり、インプットしたものをそのままコピペで出力したような言葉になったりしてしまうのではないでしょうか。AIに文章作成を任せるのも、考える余裕がないからかもしれませんね。
過去の記憶が未来の自分を励ます
僕は、言葉が雑になると、自分の記憶まで雑になってしまうのではないかと危惧しています。
もし僕が、妻や息子と過ごした大切な日々を雑な言葉で片付けてしまって、後々振り返ったときに「あの頃は忙しすぎて記憶ないわ」なんてことになったら、すごく嫌ですし、超もったいないですよね。
それに、かけがえのない思い出をたくさん持っている人ほど、辛いときにその一つひとつが前を向かせてくれる気がしています。「学生時代楽しかったな」でも、「新卒の頃の俺、めっちゃ輝いてた」でも、「弱ってたとき、あの人に助けてもらったな」でも、なんでもいいです。そんな過去の記憶が、壁を乗り越えるための原材料になると思います。
冒頭で触れたように、前回のnoteでは、言葉を雑にしてしまったと反省していますが、こうした日々を大切な思い出として残しておくためにも丁寧に言葉を選びたいと、気持ちを新たにしました。
創業noteを書き続ける意義
僕にとっての振り返りには、大きく2つの目的があります。一つは、単に懐かしむのではなく、経営者としてのマインドや視座、考え方を見直し、前に進んでいることを確認すること。もう一つは、思いや考えを発信して、僕自身のことを知ってもらうことです。
特に、僕が何を考えているかを伝えたいのは会社のメンバーたちです。当社はフルリモート勤務なので、どうしても対面よりもコミュニケーションが不足してしまいます。
同じ空間にいれば、休憩中やミーティングの前後など、雑談できるタイミングはいくらでもありますが、フルリモートだと話せるのはオンラインミーティングのときくらいです。しかも、「用意、ドン!」でスタートするので、お互いに「今から喋るぞ」と構えてしまいます。
それに、お互いの人となりを知るにあたっては、喋って伝えていること以上に、ふとした瞬間に感じるものの方が多い気がするんです。「多分こういうのが好きなんだろうな」とか「あれ?なんか背中が疲れてる?」とか。行間にその人らしさが詰まっている、と言ってもいいと思います。
また、こうしてnoteを公開していることで、見ず知らずの人が僕を見つけてくれることもあるので、これからも発信し続けていきたいと考えています。
言葉の力で、心を動かす
9月〜10月は、今まで業務委託で支えてくれたメンバーの卒業と、キーマンとなる二人の新メンバーのジョインがありました。その二人も、拠点は京都と福岡でフルリモート勤務になります。だからこそ、進捗確認や1on1のような当たり前の話だけでなく、もっと“エモい話”もしていきたいんですよね。
僕の会社に入るということは、僕を信じて、限りあるその人の時間をくれたということです。でも、そんな人たちに対して、まだまだお金や地位、ブランドでは返すことができません。
その分、当社が目指すパーパスやミッションで、心を熱くしてあげたい。「それ、めっちゃいいっすね」って言ってもらいたいし、「やりましょう!」っていうテンションになってもらいたい。そのためにも、一層言葉というものを磨いていきたいです。
こうした出来事を経て、僕自身、目標までの距離も縮んだ気がしますし、より気合いが入りました。事業もさらに拡大フェーズに入っていきますので、シンシア・ハートの今後にどうぞご期待ください!
メンバーを募集しています
僕が代表を務める株式会社シンシア・ハートは、おかげさまで5月末で第3期を終了し、6月から第4期を迎えました。
当社の掲げるビジョンは「全世代がときめくAgelessな社会をつくる」こと。年齢に関係なく、全ての人が自分の未来に期待し、今を生きること、明日が来ることにときめくことができる社会をつくるため、全力を尽くしていきます。
そんな当社では、現在創業メンバーを募集中です。COO候補をはじめ、キャリアアドバイザーや求人ライターなどさまざまなポジションがあり、副業やフルリモートといった働き方も選べます。
当社のビジョンや僕自身の生き方、思いに共感してくれる方がいらっしゃったら、以下のWantedlyからご連絡ください。Wantedlyに掲載している以外にも協力いただきたい業務はたくさんありますので、まずはカジュアルにお話ししましょう!ご連絡お待ちしています。