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私がSalesforceを卒業してRandstadに入社した理由

詹思怡(ミシェル・セン)

プロフェッショナル事業部コンサルタント
~profile~
中国上海出身。中高私立のバイリンガル(中英)教育を受け、高校卒業後に来日、日本語学校に1.5年間通った後、国立お茶の水女子大学を卒業。 新卒第一期生として2015年に株式会社セールスフォース・ドットコムに入社。マーケティング部署で 1年間、その後リクルーティング新卒採用チームへ異動し、5年の間セールスフォース日本法人の新卒採用プログラムFutureforceに従事した。 現在、ランスタッド日本法人のプロフェッショナル部署にて、上場前のスタートアップを中心にCクラスの転職をサポートする。


これまで

2014年Salesforce World Tour Tokyoにて

初めまして、ランスタッドのMichelleと申します。世界最大級総合人材サービス会社のランスタッドに入社して、7カ月が経とうとしていますが、一番よく聞かれた質問は「なぜin-houseからagencyに行ったのか」でした。

ぜひこの機会を借りて、私の採用という仕事への見解となぜin-house(社内の人事採用担当者)からagency(人材紹介会社の営業職)にキャリアチェンジしたかについて、皆さんに少しでも役に立てられるインサイトを与えられたらと願います。

自分は上海出身で、中高私立のバイリンガル(中英)教育を受け、高校卒業後に来日、日本語学校に1.5年間通った後、国立お茶の水女子大学を卒業しました。新卒第一期生として2015年に株式会社セールスフォース・ドットコムに入社し、本当に世界一幸せな新卒時代を送り、第一志望が叶ってマーケティング部署へ配属、1年後には新卒採用チームへ異動し、5年の間セールスフォース日本法人の新卒採用プログラム(Futureforce)の飛躍的な成長に大きく貢献してきました。

ここまで読んでいただき、順風満帆なイメージを持たれたら、それは大きな誤解になります。

現実は、日本特有の「新卒の就職活動」で成功するための重要な情報(どこにどんな就活イベントがあるのか、面接では何を言うと正解になるのかなど)を知らず、根拠のない自信しかない大学3年生だったため、第一志望群が全部不合格になってから慌てて興味もない企業に応募し、面接に落ちまくり、就活を諦めようとも考えたり挫折ばかりでした。最後は人伝でセールスフォースと面接する機会をいただき、7回の面接を経て内定を獲得しました。そして、「セールスフォースだから新卒採用が簡単だろう」とよく言われますが、その発言をする方は、きっと採用という仕事がどれだけ難しいかを理解していない方でしょう。自分が採用担当としてはじめて大きい就活イベントに出展した時、会社ブースにはもちろん誰も来てくれず、通りかかる就活生にパンフレットを差し伸べながらお声掛けすると嫌がられるリアクションの連続、からのスタートでした。よくネタとして出すことでもありますが、「セールスフォース」を「せ、せーる、ほーす、ほーすですか?」と、社名が全然通じない時代でした。

数多くの施策が成功し3年間が経ったころ、セールスフォースも新卒採用市場では人気企業になり、ブースに立つだけで学生が笑顔で向かってくる、完璧な面接対策ができた面接超人な学生が集まってくるようになりました。そのタイミングから、私は人気企業の人事になりたかったわけではないので、次のチャレンジを考えはじめました。過去の経験を活かせると思い、中途採用担当のポジションに転職したのが次のステップです。

2社目では、唯一の中途採用担当者としてカントリーマネージャーのダイレクトレポートラインで入社をしたのですが、組織変動に伴い、たった6カ月の在籍期間でした。大変短い間でしたが、10名以上の社員の採用に成功しました。

次の機会を探すタイミングとなり、もちろん中途採用担当として、他の会社で同じ中途採用のポジションでの転職ができましたが、それではなくagencyを選びました。そして外資系で有名なagencyの選考を他2社受けましたが、最終的にランスタッドを選びました。

1社目、新卒採用担当、in-house(5年間)
2社目、中途採用担当、in-house(6カ月)
3社目、人材紹介会社、agency (現在)

現在 - why agency

2021年9月、Randstad Professionalsに入社

では、本題に入ります:なぜin-houseからagencyを選んだのか。

一言でいうと、もっと採用という仕事を極めたいのと、ビジネス側を理解したいと思ったからです。
その理由は、以下3点になります:

1. Market Knowledge
2. Information Volume
3. Skill

1. Market Knowledge

まず1つ目、Market Knowledgeですが、これは日本の人材マーケットに対する知識のことを指します。どの業界に、どのようなポジションがあって、業界ごとにどのくらいの経験を有している人材がいくらの給料を得て、ホットなところはどこで、どういう課題を持っているのか等々、マーケットの知識をagencyでは幅広く知ることができます。

当時、自分が続けてin-houseの採用担当というキャリアを選んだとしたら、いくら長年経験しても、取得できる情報は自社関連の情報に限られ、マーケット情報はagencyにお問い合わせするか推測しかできないと考えました。「あの会社、今とても盛り上がっているから・・」や「お金持っていそうだから・・」など給料情報などの詳細も、推測しかできないと考えたのです。

また、in-houseは自分の所属している会社のブランドが候補者の興味に影響されるのに対して、agencyでは3rdパーティとして多種多様な業界の様々なレイヤーの人材と会話を通じて情報収集し学ぶことができます。見えてくるものが多くなるにつれ、提供できる情報や機会やアイディアも増えると考えたのです。

2. Information Volume

そして2つ目、agencyにいると自分のスキルを磨くためにも、また候補者に有意義な情報を提供するためにも、日々接触する情報のボリュームが非常に多いことを指します。情報は、多ければ多いほど良いという考え方ではなく、in-house担当と比較してのお話をしています。

また、プロフェッショナル同士では、お互いのできることや知っていることを利用してWin-Winが成り立つ関係である以上、自分の「できると知っている」を増やしたいと思い、そのためにはagencyは非常に良い環境だと考えました。

ポジションがin-houseかagencyかは関係なく、採用という仕事で大事なのは、正確な情報を与え、真摯に付き合い、信頼を築くことだと考えています。Agencyにいて面白いのはその信頼を活かし、候補者の現在の転職のみならず、将来の転職もサポートができ、何らの機会でビジネスで手を組むことすら可能だというところです。

3. Skill

そして3つ目、Skillでは、スキルアップができることを指します。In-houseではHead of Recruitingや少なくとも採用チームのリーダーレベルにならないと、会社の役員やマネジメントのポジションの採用に携われないのに対して、agencyではその経験ができます。

スキルに関しては、経験が長ければ長いほど高まるわけではなく、要領よく経験していけばいくほど高まると考えています。そして、その前提となるのは要領よく経験ができる「環境」に身を置くことと考えたのです。

もちろん、agencyにいると必ず会社の役員やハイポジションを担当できるわけではなく、自分で開拓(業界ではBDと称する、Business Developmentの略)をすることが必要になってくるのですが、それもagencyの醍醐味ではないかと考えます。

自分はシリーズCで上場前の大変excitingな企業を自ら開拓し、CxOポジションの採用を担当している中、該当企業のCEOとクライアントミーティングを実施しています。ダイレクトに連続起業家CEOとミーティングをする前に事前準備で多くのことを学習したこと、採用という仕事をより高い視座でできること、企業の上場前の時期でその成長に携われること、すべてが刺激的でかけ替えのない経験と考えます。もちろん、これらはin-houseでは経験できないことですので、非常にやりがいを感じます。

以上、私がin-houseからagencyを選んだ理由になります。これら3つのことを知らなくても、自社のために採用ができればいいじゃないか、或いはキャリアアップに障害はないんじゃないかとなど、考え方は様々で十人十色だと思います。あくまで私個人の意見となります。

現在 - why Randstad

そもそも、「なぜin-houseからagencyにいくのか」と質問を聞いてくる方は、大きく分けると、以下2種類になるのではないかと考えます:

(この2者の違いを明確に分からない方からは、不思議に聞かれることはこれまでありませんでした)

A:現在agencyで働いていて、in-house(上のレベルと思われるところ)に対しては憧れを抱き、将来的にin-houseへのキャリアアップをしたいと思っている方

B:過去はagencyでキャリアスタートして、現在in-houseで働いている方

自分は上記のAでもBでもありません。Bが不思議に思う理由には、おそらく過去に務めたagencyは働き方が自分に合わないと感じたから、ぶっちゃけ、「きつかった」や「もうこんな体育会系は無理、辞めてやる!」とあまり良い思い出ができなかったことがきっかけで、同じ採用ということでin-houseを選んだ方もいらっしゃると思います。その場合、上記をご覧いただきagencyに再チャレンジの余地があるならば、ぜひ弊社ランスタッドの話を聞いてください。

現職への転職過程において、外資系で有名なところの他2社も受けた話に少し触れましたが、(新卒時代に受けた教育の中では1つ、絶対に忘れてはいけないことは、他社をディスらないで自社をPRすることを徹底すること)残念ながらその2社とも、ランスタッドで感じた以下2点を感じることができなかったと言えるでしょう。

他社ではなくランスタッドを選んだ理由は、仕事のレベルが非常に高く、口コミが非常に良かったからです。

在籍期間がたった6カ月だった2社目でのお話です。当時、自分は採用責任者だったので、ランスタッドのコンサルタントNさんから、「うちのサービスを使いませんか」と営業をかけてきました。採用責任者に着任して以来、多くのagencyから引継ぎのミーティングに参加し数多くの営業メールを受け取る中で、Nさんから送られてきた最初のセールスメールのフォーマットが分かりやすく、訴求ポイントが明確で、日程調整の効率が良く、そして商談ミーティングでの時間配分と中身から他社と比較をして事前準備がしっかり行われたことが分かり、ランスタッドは非常に教育がしっかりしたagencyだなという印象を受けました。

そして、商談ミーティングではNさんの横に、マネージャーらしい人物のJさんが同席し、Nさんに主導権を握らせながらも、良いタイミングでフォローアップしているのを見て、若手を育てる姿勢をお伺いできました。2人からは上司と部下の氷山空気ではなく、仲良し師匠と弟子のような雰囲気でしたので、会社の暖かいカルチャーを画面越しにでも感じることができました。

それにしても、ランスタッドから内定が出た時は迷ったものです。そのタイミングにたまたま、友達が友達を連れて自分の家に遊びに来て、「ランスタッドから内定が出て、行くか迷っている」と伝えた時、すぐに祝福と共に「実は私も受けたことがあるが、選考の途中で落ちた。けれどすごく良い会社と友達から聞くし、面接のプロセスも非常に丁寧で、本当に良い体験だった、良い会社だよ!」と言ってくれました。

※ランスタッドはオランダの会社であり、ヨーロッパでは日本でいうとリクルートのような非常に知名度が高い会社

※上記の2人とも英語話者の外国籍、他のagencyでリクルーターを務める実在人物

たまたまのNさんとの商談ミーティング、たまたま出会った初対面の2人、たまたまでしたが同じランスタッドの社風をお伺いでき、安心して内定受諾を決めたのです。

最後に

Randstadはフレックス&リモートです、仕事の合間に外で散歩もしています

色々と想いがあふれ、ついつい長文を起こしてしまいましたが、読者の方にとって、少しでも役に立つ情報が提供できれば心より嬉しいです。

正直、agencyは噂の通り大変です、しんどいです。いくらその候補者のためにと思って、必死で頑張っても、オファーの辞退が発生してショックを受ける時があるし、自分の力でコントロールできない部分が大きい仕事です。

しかし、簡単で楽で、面白くて非常にやりがいを感じる仕事は、存在するのでしょうか。どの道もよそから見えない大変さと楽しさがあり、極めたければしんどいものです。重要なのは、自分が本当にこれでいいか、本当に欲しいものを得られているか、そしてそれを追及する人生で最期を迎える時は納得するのかが大切なのだと思っています。

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