私たちヒューエンスの本拠地・十勝地方は国内でも有数の農業地帯です。この十勝で四大作物と呼ばれるものがあります。ジャガイモ、豆類、小麦、それと甜菜(てんさい)です。「ビート」とも呼ばれる甜菜は実は直接食卓には並びませんが、日常の食生活とは切っても切れない作物なのです。そう「砂糖」の原料になっているのです。
秋になるとみられる風景
10月上旬から11月にかけて帯広の郊外を車で走ると、畑の端に茶色いゴロゴロとした丸いものが積み上げられ、シートがかぶせられている風景を目にします。積まれている規模は畑によって違いますが、収穫された甜菜が工場に運ばれる前に畑で保管されているのです。甜菜は、ホウレンソウの仲間ですが、見た目はカブに近く、直径が10~15センチ、長さは30センチほどの大きさです。根の部分の糖度が10%台半ばと果物並みに高いため、根から糖分を抽出することで砂糖ができるのです。
甜菜の模型(ビート資料館展示より)
10月には、収穫されたばかりの甜菜から砂糖を作る作業が本格化します。どうやって甜菜から砂糖が作られるのか。帯広市内にある日本甜菜製糖株式会社のビート資料館を訪ねました。甜菜は洗って泥を落とした後、フライドポテトのようなスティック状に細断され、お湯に浸して糖分を抽出します。不純物を取り除いたり、煮詰めて結晶化させるなど何段階かの工程を経て、スーパーなどでよく見る上白糖やグラニュー糖などの製品ができあがります。
ビート資料館
※参考文献:日本甜菜製糖のホームページ「てん菜から砂糖を作る」
日本最大の製糖工場
帯広市近郊から甜菜が運ばれるのは隣町・芽室町にある日本甜菜製糖の芽室製糖所。道内最大の製糖工場、いえ、国内で甜菜から砂糖を作っているのは北海道だけですので、日本最大の製糖工場です。芽室製糖所では1日最大9000トン以上の甜菜が加工されます。
日本甜菜製糖の芽室製糖所(日本甜菜製糖提供)
工場に集められた甜菜がコンベアで運ばれていく(日本甜菜製糖提供)
寒冷地作物として道内に普及
ヨーロッパなどで栽培されていた甜菜は寒冷地で育つため、明治時代に北海道で栽培が始まり、昭和の時代に大きく発展しました。いまでは国内の砂糖生産量のうち80%、約55万トンが甜菜からのもので、すべて北海道産です。なかでも十勝管内は、道内(=国内)の甜菜生産量340万トン(2023年)のうち45%に当たる151万トンを生産している最大の産地です(注1)。
ヒューエンスのお客様には、砂糖と密接な関わりを持つ菓子やアイスクリームの製造工場もいらっしゃいます。これも十勝との不思議なご縁といえるでしょうか。
※注1 北海道十勝総合振興局「2024十勝の農業」から農林水産省「作物統計」より