今回は、シリウスΑMRのピッキングアプリ「SpeedPicker」をご紹介させて頂きたいと思います。主に3つの機能に特化して機能概要だけでなく、運用の考え方というテーマで進めたいと思います。
①ピッキングリスト読込機能
先行して出力したリスト上のオーダーIDをΑΜRに備え付けたスキャナーで読み取らせ、ピッキング業務を開始することが出来る機能となります。この機能で利用者様は自動オーダー割り付けとピッキングリストによる指定オーダー割り付けのどちらかを選択することができます。
この機能と相性の良いお客様は、送状や納品書といった商品に同梱する帳票類を先行出力する方式を採用されていらっしゃる方々となります。これまではAPI連携を念頭に入れていたため、AMRのシステム(以降RMS)でオーダーを解析し、相性の良いオーダー同士を1つのタスクにまとめたり、オーダーの順番を入れ替えるといった自動割り付けがなされていました。
API連携を基に検品梱包エリアで帳票等を後出しするフローを想定していたため、先行出力する帳票類とオーダーの順番に乖離が出るなどオペレーション上の課題が生じていたのですが、ピッキングリスト読込機能によって利用者の得られるメリットは主に3つです。
・AMRの作業対象となるオーダーの指定が利用者側で簡便に決定できる。
・紐付け数上限値以下であれば紐付けオーダー数を利用者側で調整できる。
・先行して帳票出力をする運用やWMSの大幅な仕様変更、APIの連携が不要となる。
WMSの仕様変更としては納品書やピッキングリストに読込対象となるオーダーNo.のバーコード印字をお願いしております。バーコード種類はCODE128やNW-7、QRコードなど、商品読み取りと同条件で設定することが可能です。実際にご検討勧められているご担当者様からはWMSの大幅な改修が不要であることや既存フローから逸脱しない範囲ですぐに効果検証を進められること、対象品がAMRの容器サイズを超過する場合に人力でのピッキング用にオーダーを転換できることなどがメリットとして感じて頂けております。
②オーダー紐付けエリア・梱包エリアの複数設定
続いてはオーダー紐付けエリアや梱包エリアの複数設定が可能という点です。
ロボット導入台数が増えれば増えるほど、こうしたオーダーの紐付けや容器の荷卸といった人手作業が発生するポイントでのΑMRの渋滞などが課題として挙げられていました。
この機能によって、オーダー紐付けエリアをオーダー条件に応じて複数設定できるだけでなく、複数梱包エリアにAMRの動線を導くことができることでより広範なエリアや多数のAMR導入をご検討されている利用者様にとって運用の幅を広げて頂ける機会になるかと考えております。
③ピッキング高効率モード
こちらの機能はピッキング時の商品コードのスキャニングを省略したり、1SKUを複数間口に同時仕分けが可能になるモードです。想定しているお客様はAMRピッキング後に別途検品工程(及び流通加工工程)を設けている利用者様やピッキング対象が定番商品で固められている物流現場や生産現場で検品品質よりピッキングの生産性を高めたいお客様のニーズに応えたものです。
今回紹介したこちらの3つの機能についてはお客様管理画面上でお客様自身が使用したいタイミングで設定を変更できます。お客様の運用状況や優先したい事項に基づいて柔軟に切り替えてご使用頂ける環境を実現、改めて自社のオペレーションでの優先度の高い事項やAMRで吸収可能な業務有無をご検討いただく機会になれば当社としても嬉しい限りですし、日々の物流現場における改善活動に柔軟に組み合わせることができる点がシリウスAMRの良さでもあると自負しております。
AMR自体の誕生は他の自動機器と比べてもまだ日が浅く、機能面でまだまだ物流実オペレーションの観点で至らない点があるかと思いますが、より倉庫内のオペレーションを簡便化できるように機能開発にはより注力して参ります。また今回ご紹介した機能はピッキングアプリ「Speed Picker」となりますが、入庫・格納機能を司る「Goods Keeper」など今後も機能開発・機能更新予定が目白押しです。気になる機能などがございましたらまずはお気軽に当社担当までお問いわせ頂けますと嬉しいです。お客様の業務要件などを確認させて頂いた後に物流現場との相性や使用感を気軽に感じて頂ける実証実験を数日間で行うプランを用意するだけでなく、デモ環境をご視察頂ける当社の越中島デモセンターや導入企業様と提携してAMR導入現場においての見学会なども企画して参ります。ご興味を頂きましたらお気軽にお問合せください!