- 法人営業
- 27卒|社内SE/ヘルプデスク
- 営業・事務
- Other occupations (3)
- Development
- Business
小林 千景 大学卒業後、広報や通販、広告の領域でキャリアを積み、情報発信の基礎から
戦略・クリエイティブまで幅広く経験を重ねる。 現在はビューティガレージ(以下BG)にて、ネイル&アイ推進グループの統括責任者としてグループを牽引している。
はじめに
美容業界の中でも、まだ成長の余地が大きい「ネイル&アイ」領域。
その拡大を担うのが、BGのネイル&アイ推進グループです。
グループ統括責任者を務める小林さんは、PR会社からテレビ通販、外資系広告代理店を経てBGに入社。
華やかに見えるキャリアの裏には、挑戦と葛藤、そしてリーダーとしての覚悟がありました。
BGグループで活躍する女性リーダーを紹介する全3回のインタビュー企画。
第1弾では、現場でチームを率いるBGパートナーズ田中さんにご登場いただきました。
そして第2弾となる今回は、グループ全体を束ねる立場でネイル&アイ事業を推進する
統括責任者、小林さんにお話を伺いました。
登壇していただく方の物語から、働き方とキャリアのヒントを見つけていきます。
▶︎ 第1回のインタビュー記事はこちら
キャリアの出発点
――まずはこれまでのキャリアについて教えてください。
大学時代は新聞記者を目指していましたが叶わず、新卒では広告系の会社に入社しました。出版社や大使館、美容学校などを担当し、プレスリリースを書いたり記者会見を企画したり。
世の中にどのように情報を届けるかを考える、いわば”広報の最前線”でキャリアをスタートしました。
その後はテレビ通販の会社へと転職しました。
この会社で得た大きな気づきは、「物を売る」という行為の奥深さです。
ただ商品を並べるだけでは売れない。その商品を手にした人がどんな喜びを感じるのか、どんな価値を得られるのかまで想像し、伝えなければいけないんです。
例えば「生活が便利になる」「悩みが解消される」「身につけて気分が上がる」といった未来を描いてあげること。単なる機能の説明ではなく、その先にある体験や感情まで
届けることを徹底して学びました。
また、番組制作は一人ではできません。カメラマンや出演者、美術、現場のディレクターなど多くのプロフェッショナルが関わります。
熱量の高い人ばかりで妥協が許されない環境の中、全員をまとめて一つの番組を仕上げる難しさと、チームで勝ち取った時の達成感を身をもって体験しました。
”結果を出すためにの方向性を定めていく”、その大変さとやりがいを同時に学んだ場所でしたね。
外資での挑戦
――転職を決意したきっかけはなんですか?
コロナ禍や世界情勢の変化を目の当たりにして、自分の仕事を振り返ったのがきっかけでした。
一緒に働いていたウクライナ人モデルが戦争に巻き込まれるなど、これまで当たり前にあった日常が一瞬で壊れてしまう現実を知ったとき、
”人が安心して明日を思い描けることが、どれほど尊いのか”
に気づかされました。
だからこそ、仕事を通じて人の心に寄り添い、少しでも前に進む力や勇気を与えられる
存在でありたいそんな気持ちが芽生えたんです。
テレビ通販での訴求にもやりがいはありましたが、その瞬間の売上や成果だけでなく、
もっと長く人の心に残るメッセージを届けたいと思うようになりましたね。
そこで次に選んだのが外資系の広告代理店です。医療分野を中心に、調査や戦略立案、
コンセプト設計からクリエイティブ制作まで幅広く携わり、国内外の関係者と共に働く
中で、自分の表現の幅や視野が大きく広がったと感じています。
なかでも印象深かったのが、新しい案件を勝ち取るために挑んだ広告コンペ、
いわゆる「ピッチ」です。
短期間で市場調査を行い、インサイトを探り、戦略を立て、コンセプトを形にし、
チーム全員をまとめ上げて提案に挑む。まさに総合力が試される場でした。
ある力を入れていたピッチで、最終選考まで残りましたが、結果が2位だったことが
あったんです。フィードバックとして頂いたコメントは、
「発想・内容は素晴らしいが、熱意が足りなかった」
というもの。
広告や販促はアイデアだけではなく、”お客様の想いごと売る”ことが大事なんだと痛感
させられた経験です。
BG入社のきっかけ
――BGに入社した経緯を教えてください。
外資の広告代理店で働く中で、グローバルな視点や大規模な案件に関わる面白さを
学びました。
社会に大きな影響を与える情報発信に携わった経験は、自分にとって大きな財産です。
その一方で、より身近な生活者の変化に直接つながる領域で挑戦したいという想いもありました。美容は人の自信や日常を支える力を持つ分野。
そこに魅力を感じ、過去の経験も活かせるフィールドだと思いました。
そんなときに出会ったのがBGです。
美容領域は過去にも携わっていた分野でしたし、信頼できる先輩が在籍していた安心感もありました。
面接後にはランチ会を開いていただいたのですが、あの時は緊張でサラダ一皿しか
食べられなくて(笑)
それでも役員の皆さんがフレンドリーに話しかけてくださり、仕事のことから人生観までざっくばらんに話していただきました。普段は聞けないようなエピソードに触れて、
「肩肘張らずに働けそうだ」と感じたことをよく覚えています。
「ここなら自分らしく挑戦できる」と思いました。
現在の役割
――統括責任者として、どのような業務をされていますか?
ネイル&アイ領域の売上責任を持ち、戦略の立案から実行、そしてグループ全体の
マネジメントまでを担っています。
BGは理美容分野で高いシェアを持っていますが、ネイル領域はまだまだ挑戦者。
お客様への認知度を上げ、シェアを広げていくのが大きなミッションです。
リーダーとしての姿勢
――心がけているリーダーシップのスタイルはありますか?
「伴走するリーダー」だと思います。
強制するのではなく、メンバーの個性を伸ばし、弱みはチームで補う。
そんなスタイルを大切にしています。
今のチームは、個々が確かなスキルと想いを持つプロフェッショナルばかりです。
それぞれの強みを掛け合わせて、チームで成果を生み出すことを何より大事にしたいですね。
キャリアの壁と母親としての経験
――これまでにキャリアの壁を感じたことはありますか?
一番大きかったのは、前職で経験した産後の復帰です。
プロデューサー職としてやりがいをもって働いていたのに、復帰したら全く別の
バックオフィス業務に回されてしまいました。
その時は「なぜ自分がここにいるんだろう」と感じ、キャリアが閉ざされた感覚がありました。
ですが、その異動があったから子育てと仕事を両立でき、視野も広がったと思います。
母親として小さな変化に気づく力や、限られた時間で成果を出す工夫は、今のマネジメントに直結しています。当時はとても辛かったですが、今振り返れば自分の強みにつながっていますね。
海外経験から学んだ「自己責任」と「人を信じる力」
――学生時代から海外に関心が強かったとお聞きしました。留学や海外での経験は、
小林さんにどんな影響を与えましたか?
高校生の頃にカナダへ留学したんですが、頼れる人が側にいるわけではないし、困った
ことがあっても全部自分で解決しなければならない。
その環境で、無鉄砲なこともいっぱいしましたが(笑)、失敗を含めてすべて自己責任で背負うことで「自分の行動に線を引く力」が養われたと思います。好奇心や前向きさと
同時に、責任感もセットで持つ大切さを実感しました。
社会人になってからも、ベトナムとカンボジアを10日間ひとり旅に行きました。
バックパッカー的な旅で、現地の人と交渉してバイクで移動したり、トゥクトゥクに
乗ってみたり。
ガイドブックには「トゥクトゥクは危険だから絶対乗るな」と書いてありましたが、
どうしても試してみたくて。
案の定、最初の話とは違う法外な金額を請求をされましたね(笑)
一方で、現地の人の善意にもたくさん触れました。ベトナムでバインミーを食べていたら、現地の男の子が「明日案内してあげる」と声をかけてくれて、バイクで案内してくれました。
お礼を伝えたくてお金を渡そうとしたら断られてしまい、
「代わりに日本のコインが欲しい」
と言われました。現地では換金もできない物なのに、それを大事そうに受け取ってくれて。あの瞬間は、人の温かさに心を打たれましたね。
海外では危険もあるけれど、それ以上に「人を信じることで得られる出会いや学び」がある。
留学も旅も、私にとっては「自己責任」と「信頼」の両方を磨かせてくれた、
本当に大きな経験だったと思います。
今後の展望
――これからの展望について教えてください。
まずはネイル&アイ領域の認知とシェア拡大をしっかり進めることが使命です。
ですが、それだけにとどまりたくはありません。
目指しているのは、お客様から「BGがあってよかった」と今以上に信頼される存在です。お客様の潜在的なニーズをくみ取り、解決へつなげる仕組みを創りたいですね。
例えば、サロン現場の慢性的な人手不足を補う仕組みや、効率的に集客を支援する新しいサービスなど。
BGはECや物流、システムなど多様な機能を持っているので、単にモノを届けるだけではなく、サロン経営そのものを支える存在になれるはずです。
短期的な数字の達成はもちろん大事ですが、その先にある”お客様の笑顔を”を考えることが、私にとってのモチベーションになっています。
若手へのメッセージ
――これから社会に出る若い世代に伝えたいことを教えてください。
まずは、興味を持ったことに一歩踏み出してみてほしいです。
たとえやりたいことから少し外れたとしても、その経験は必ず次につながります。
私自身、大学時代に思い描いていた新聞記者になりたい夢は叶いませんでした。
でも広報や通販、代理店での経験がすべて、今の仕事につながっています。
遠回りに見える道も、振り返れば一つのストーリーになっていると思います。
働くことは人生の大きな時間を占めます。だからこそ、辛いだけでなく
「楽しみを見つけながら挑戦を続けること」が大切だと思います。
自分の可能性を信じて、少しでもワクワクできる方へ進んでほしいと思います。
おわりに
小林さんのキャリアは、PR会社、テレビ通販、広告代理店、そしてビューティガレージへと続いてきました。
道のりは決して一直線ではありませんが、振り返るとすべてが繋がっていることに
気づきました。
広報で培った「伝える力」。通販で学んだ「顧客視点」と「チームワーク」。
広告代理店で得た「戦略思考」と「熱意の大切さ」。
そして、育児や旅を通して身につけた「人への寄り添い」と「柔軟さ」。
それらが今、小林さんのリーダーシップの土台になっています。
次回、最終回では業界を越えて影響を広げる経営層の方の視点をお届けします。
ひとりひとりの物語から、働き方とキャリアのヒントを考えていく連載です。