今回は、2017年に株式会社Canvasを創業した代表取締役、小黒 聡(おぐろ さとし)氏のインタビューをお届けします。創業に至るまでの波乱に富んだキャリアと、事業にかける熱い想いを深く掘り下げました。
彼のキャリアの根底にある「挑戦者を応援する」という哲学と、自社SaaS「Revive(リバイブ)」を成功に導きながらも、新規事業にかける熱い想いを語ります。
「価値ある仕事=起業家」を目指し、まずは商社へ
ーどんな子ども時代を過ごされましたか?
幼少期は、サッカーに夢中な日々でした。Jリーグの試合をテレビで観て、サッカーを始めたのがきっかけです。中学時代には選抜チームにも選ばれ、プロの道を本気で目指していました。当時は、中田英寿さんのように日本からイタリアのプロリーグへ挑戦する選手に強く憧れていました。
しかし、高校時代に、周りには自分よりもっと上手い選手がいることを痛感し、プロのサッカー選手になるのは難しいと判断しました。そこで、スポーツ推薦ではなく一般受験で大学に入学し、勉強に切り替えたんです。
プロの夢は諦めたものの、「サッカー選手になるのと同じぐらい価値のある仕事がしたい」という強い思いが残りました。当時、ライブドアやサイバーエージェントが注目を集めていた時期で、「起業家・経営者になること」が自分にとって価値ある仕事だと考えたんです。海外への憧れも強かったため、まずは海外展開や大企業のノウハウを学ぶために伊藤忠商事に入社しました。
ー伊藤忠をわずか1年で退社されたのは計画的だったのですか?
いえ、当初は3年程度は働くつもりでしたが、入社後の環境が想像していたものと大きく異なりました。特に、大企業特有のカルチャーに戸惑い、企業文化と自身の志向とのギャップを感じました。このままでは起業家としての成長スピードを得られないと考え、早期のキャリアチェンジを決断しました。
商社を辞めた時点で、「やっぱり自分で会社を作りたい」という起業への思いが再燃しました。コンサルや外資金融などの選択肢もありましたが、一番興味を持っていたIT分野に絞って転職活動を行い、最終的に株式会社オプトを選びました。
オプトは「一人ひとりが経営者」という意識を掲げていて、起業家精神を培う場として最適でした。ここでは、1年目に不動産事業部で営業を担当し、2年目には位置情報サービスを扱う子会社コネクトムに出向するなど、新しい領域での経験を積むことができました。
ーオプト退職後、インフルエンサーマーケティングの会社「株式会社PRIZM」を立ち上げ、成功されたんですよね?
ありがとうございます。オプト退職後、「株式会社PRIZM」というインフルエンサーマーケティングの会社を立ち上げました。この会社は、設立当初から明確な成長戦略と出口戦略を見据えて事業を進め、2年間で数千万円の売上を達成することができました。そこで予定通りに売却の準備を進めていましたが、売却後の自身の立ち位置に、起業家としての志向とのギャップを感じ、売却を直前で断念しました。
その後、PRIZMの経営を継続するか、あるいは新たなチャレンジをするか迷う中で、年齢的に「今しかできない!」と、一念発起し、プロサッカー選手への再挑戦を目指して東南アジアへ渡りました。
しかし、練習中に怪我をして夢を断念。無一文になり途方に暮れました。
そんなときに改めて自分の挑戦したい気持ちを整理し、世界に挑戦しようと決めて、創業したのが「株式会社Canvas」です。
3週間でSaaSを開発!運命的な出会いが生んだ「Revive」
ー壮絶なストーリーですね!「株式会社Canvas」の社名の由来はなんですか?
Canvasという社名には、会社が「やりたいことを実現していく白いキャンバス」でありたいという思いを込めています。新しい事業やメンバーが、自分の思いや情熱という「色」をどんどん加えていき、「自分色に染め上げていく」イメージです。
私たちのカルチャーは、「挑戦者を応援すること」と「オーナーシップ」です。社員一人ひとりが、入社したばかりであっても、受け身ではなく、社長的に動いてほしいと思っています。やりたい事業やビジネスをチームで作り上げていく、そんな挑戦意欲の高い仲間が集まっている会社です。
ー素敵なメンバーが集まっているのですね。Canvasの主要事業について教えてください。
Canvasは現在、チャットマーケティングSaaS「Revive(リバイブ)」の開発・提供を主軸に、デジタルマーケティング支援、そしてスポーツ・ウェルネス領域での新規事業開発の3本柱で動いています。企業として事業を伸ばし、お客様の成長をサポートさせていただいています。
ー3本柱のうち、自社プロダクト『Revive』を作られたのはなぜですか?
自社プロダクトに踏み切ったのは、私の中で「自社のサービスを通じて世界を変えたい」という長年の憧れがあったからです。自身の得意なマーケティング領域でプロダクトを開発しようと考えました。
実は『Revive』の誕生には、運命的な出会いがあったんです。
怪我で日本に戻り、たまたま入居したシェアオフィスで一緒だったエンジニアと、夜にお酒を飲みながら「こういうサービスを考えているんだよねー」と話したところ、
社交辞令的なやりとりだったにもかかわらず、3週間後に「そういえば、あれ7割できたよ」って言われたんです。それが今、CanvasのCTOとして活躍してくれている山崎だったんです。
この偶発的な出会いと、スピード感ある開発が『Revive』の始まりです。
初期はFacebook Messengerで展開していましたが、その後LINEに展開し、徹底した営業努力で売上を伸ばし、事業を本格的に拡大することができました。
挫折を恐れず、「挑戦者」であり続ける
ーCanvasはこれからどんな会社になっていきますか?
既存事業である『Revive』をしっかり伸ばしていくのはもちろんですが、Canvasは新しい事業をどんどん立ち上げていく、挑戦し続ける会社でありたいと思っています。
私自身のルーツでもあるスポーツやウェルネス領域での新規事業への挑戦も加速させたいと思っています。挑戦者を応援するという会社の理念に基づき、テクノロジーを活用してアスリートやスポーツチームを支援する事業を必ず作っていこうと考えているところです。
私の人生はお話したように「挑戦と挫折」の繰り返しですし、今も数多くの挫折を味わってきていますが、だからこそ、挑戦することの価値を身をもって知っています。挑戦はとても大変ですが、それを乗り越えることで必ず価値が生まれる、挫折を恐れず、「挑戦者」であり続けていきたいです。
だからこそCanvasは、企業であれ個人であれ、どんどん挑戦する人を支援していくし、私たち自身も挑戦者であり続けたいと思っています。挫折や失敗を恐れず、そこから学びを得て次へ進むことが大切だと考えています。
ーCanvasが求める人材像を教えてください。
Canvasは、『Revive』という柱を持ちながらも、新しい領域で新規事業を立ち上げていこうとしている「第2創業期」のようなタイミングにあります。
- 「新しいことに積極的に取り組みたい」
- 「自分で事業を作り、オーナーシップを持って会社を成長させたい」
- 「新しい業務や領域に恐れずに挑戦したい」
こんな意欲がある方にとって、Canvasは最高の「白いキャンバス」です。新規事業のスターティングメンバーとして、一緒に挑戦し、会社を自分たちの色に染め上げていける、そんな熱い仲間を求めています。ぜひ、私たちと一緒に挑戦をしましょう!
ー編集後記
インタビューを最後まで読んでいただきありがとうございます!小黒のキャリアは、プロの夢の断念、商社からの早期退社、そして無一文からの再起という「挑戦と挫折」の連続でした。しかし、そのすべてがCanvasの「挑戦者を応援する」という哲学の土台となっています。
特に『Revive』の成功を経て、Canvasは今「第2創業期」を迎えています。
この「白いキャンバス」は、過去の経験に縛られず、オーナーシップを持って新しい色を塗りたいと願う人に開かれています。興味を持っていただけた方は、まずはお話してみませんか?