ニューロ・オン株式会社 代表の遠藤です。
前回は、私の自己紹介と創業の経緯についてお話ししました。今回は、創業からの約10年で経験した失敗と、会社が大きく変わった転機について、正直に書いてみようと思います。
最初の自社事業は、3年で撤退しました
創業して最初に取り組んだ自社事業は、「オンラインフィットネス動画のサブスクリプションサービス」でした。サブスクリプションとは、月額などの定額料金で継続的にサービスを利用できる仕組みのことです。
2015年当時、このサービスはまだ珍しく、テレビ東京の「ワールドビジネスサテライト」にも取り上げていただきました。スタートとしては悪くなかったと思います。
ただ、そこそこの売上にはなったものの、事業を大きく成長させる軌道には乗せられず、3年ほどで撤退することになりました。
撤退から学んだ、2つのこと
振り返ると、学んだことは大きく2つあります。
ひとつは、(今となっては当然なのですが)アイデアひとつでヒットさせられるわけではない、ということです。創業間もない当時の私は認識が甘く、新しいサービスとして認知されれば売れると思っていました。マーケッターであっても、事業家ではなかったのです。
本当に大切だったのは、サービスを運営しながらお客様の声を聞き、スピーディーに改善を重ねて、より良いものに育てていくことでした。そのことを理解できておらず、改善にかかる工数(作業量)もコストも、計画に盛り込めていなかった。これは今でも悔やんでいることです。
もうひとつは、ターゲットを広げすぎたことです。男性も女性も楽しめるようにと、コンテンツを幅広くそろえていった結果、ターゲットがぼやけてしまいました。誰にとっても悪くないけれど、誰かにとって特別でもない。差別性のないサービスになってしまったのです。
この2つの学びは、今のクライアントワークにも、自社ブランドづくりにも、確実に生きています。
一人親方として走り続けた日々
その後しばらくは、ほぼ"一人親方"として仕事をしていました。社外の協力パートナーと組みながら、さまざまなマーケティングプロジェクトのプロデュースを手がける形です。
自社事業は手がけておらず、自分が現場に立って、自分の判断でプロジェクトを動かしていく。そんな働き方でした。
2024年、会社のステージがひとつ上がった
一番の転機は、2024年です。
組織として成長することを目指して、自社のウェルネスブランド「Hug&Treat」を立ち上げました。同時に従業員の採用も始め、さらに仙台の会社から事業とチームを引き継ぐ形で、4名のメンバーがJoinしてくれました。
人数も事業も、会社のステージがひとつ上がった瞬間でした。
私自身の役割も大きく変わりました。現場のプロデューサーから、「会社というチーム」のプロデューサーへ。起業家としての仕事が中心になったのです。
事業とメンバーが増えたことで、会社としての提案力や実行力は格段に上がりました。一人ではできなかったことが、チームならできる。それを実感する日々です。
Hug&Treatに込めた思い
Hug&Treatが生まれた背景には、私が別の事業で「予防医学」に関わる仕事をしていた経験があります。
調子が悪くなったものを治すための健康ではなく、その人が本来持っているエネルギーを最大限に生かせるウェルネス。そんなものを届けるブランドがあったらいいのに。そう思ったのが始まりです。
Hug&Treatのコンセプトは「自分を大切に」。サプリメントのような特別なものではなく、入浴剤やヘルシースナック(プロテインクッキーや腸活クランチ)など、日常生活の中で自然と「からだが喜ぶ行動」を選べる商品をつくっています。
一番の苦労は「自分でやった方が早い」を手放すこと
会社が大きくなる中で、一番苦労したのは、自分の中にあった思い込みを手放すことでした。
「自分で仕事をした方が早いし、良いものができる」
一人親方のときは、自分の判断で現場をコントロールすればよかった。でも、メンバーの力を借りてチーム全体の生産性を高めるには、任せること、育てることが求められます。
その切り替えが、なかなかできませんでした。社員からすれば、私の手先のように使われている感覚があったかもしれません。
ある時、気づいたんです。社員たちが、私の中にある"正解"を探そうとしていることに。
これはまずい。そう思い、自分のやり方を改める決心をしました。
正解は、一緒に創るもの
それからは、社員たちと議論をしながら、一緒に正解を創っていく仕事の仕方に変えていきました。私が答えを持っているのではなく、みんなで答えを創る。その過程で、お互いに成長していくことを重視するようになりました。
すると、社員が自ら考え、提案してくれるようになりました。
以前は、中心にある大きな歯車(私)が回ることで、ほかの歯車が連動して動いていました。今は違います。一つひとつの歯車が、それぞれ主体的に動いている。だからこそ、生み出されるエネルギーは何倍にもなっています。
今のニューロ・オンが求めているのは、誰かの正解を探す人ではなく、一緒に正解を創っていける仲間です。経験の長さは関係ありません。自分の考えを持ち、それを言葉にしてぶつけてくれる人と、一緒に仕事がしたいと思っています。
おわりに
次回は、ニューロ・オンで働くデザイナーの仕事についてお話しします。マーケティングとクリエイティブが一緒にある環境だからこその面白さを、お伝えできればと思います。
仙台オフィスでは現在、デザイナーを募集しています。私たちと一緒に、正解を創っていきませんか。