売り手市場が続くエンジニアだけれど、希望の企業の内定を得られるかどうかは別の話。そこで今回は、転職者・採用担当者双方の視点から“理想の転職”を成功させる極意を探ります!
クライアント企業のDX実現に向けて、アプリケーション開発からインフラ設計構築、システム運用保守までワンストップで手掛ける株式会社トップヒルズ。
2020年10月に同社に転職したインフラエンジニアのYさんは、二人の子どもを育てる二児の母でもある。
派遣社員としてデータベース保守などを担っていたが、コロナ禍を機に安定雇用を求めて転職活動をスタートした。
「転職をして正社員になるだけでなく、入社後にはチームを率いるリーダーにもなれました」
と話すYさん。転職活動スタート時には考えていなかった「キャリアップ」までかなったと振り返るYさんの転職成功の秘訣とは?
入社時にYさんと面談した取締役の五十嵐さんとともに、成功要因について振り返ってもらいました。
転職フェアでロールモデルと出会い「なりたい姿」が明確に
ーーYさんは前職では派遣社員としてエンジニアの仕事をしていたそうですが、転職活動を始めたきっかけを教えてください。
Y:前職では大手重工業メーカーの基幹システムの保守運用をしていました。東証一部上場企業だったのですが、コロナ禍によって先行きが見通せなくなってしまい、派遣社員は一斉に任期終了を告げられてしまったんです。
8月に告げられ、9月末には終了となるスピード感で、いわゆる「派遣切り」でした。
2年半ほど勤務していた大手でしたが、緊急事態宣言以降は仕事がなくなってしまい、リモートで完全待機の状態が続いていたのでとても不安でしたね。景気の影響を受けやすい派遣の弱さを痛感しました。
派遣会社は次の派遣先を見つけようとすぐに動いてくれたのですが、今回の出来事を通じて安定した雇用形態で働きたいという気持ちが高まったため、正社員の仕事を探し始めました。
ーー正社員の仕事を探すにあたって、まず何から始めたのでしょうか?
Y:小学4年生と中学1年生の子どもを抱えていましたから、正社員になることに加えて「なるべく早く入社できること」も軸の一つでした。そのため、じっくり活動するというよりは効率的にたくさんの企業と出会える転職フェアに参加してみることにしたんです。
コロナ禍だったのでオンライン開催でしたが、Zoom上でたくさんの企業のブースを訪れ、直接企業担当者から話を聞くことができました。
トップヒルズのブースを訪れたきっかけは五十嵐さんでした。どのブースに行こうか検討している時に「あ、女性がいる」と目に止まり、同じ女性として何か転職活動やキャリア形成のヒントがもらえるかもしれないと思ったのが当社との出会いになりました。
そのフェアでは約4社ほど周り、後日改めて選考を重ね、複数社から内定をいただくことができました。
ーーその中でもなぜトップヒルズを選んだのでしょうか?
Y:絶対に叶えたかった正社員という雇用形態に加えて、「トップヒルズなら女性エンジニアとして活躍できそうだ」とはっきり思えたからです。
ーーそれはなぜ?
Y:五十嵐さん自身がシングルマザーでありながら、トップヒルズでキャリアを築いてこられた方だったからです。
面談では、トップヒルズに入ってからどんな業務を経験してきたのか、子ども二人を育てながらキャリアを築く上でどんな壁を乗り越えてきたのかなどを聞きました。
五十嵐さんの仕事に対する前向きな姿勢に感化され、「私も五十嵐さんのようになりたい」と新しい目標さえできたように感じたんです。子育てをしながらキャリアアップしていくことへの勇気をもらいました。
ーー五十嵐さんとの出会いによって、仕事を通じて成長したい気持ちが高まったのですね。転職活動の成功要因は何だったと思いますか?
Y:一つは、その会社で働く人と直接話す機会を設けたことです。私の場合は、オンラインで参加できる転職フェアに参加しました。
さまざまな会社と話をする中で偶然、五十嵐さんにお会いすることができ、自分の中に実はあった「キャリアアップしたい」という気持ちに気が付きました。
実は、トップヒルズよりも先に正社員で内定が出た会社もあったのですが、その会社は「男性中心の閉塞感がある職場」という雰囲気。もしその会社に入社をしていたら入社後にギャップを感じていたかもしれません。会社の雰囲気を事前に知り、入りたいと思う会社を見つけられたことが良かったのだと思っています。
もう一つは、職務経歴書をできるだけ具体的に書いたことです。
特に直近の仕事については、プロジェクトの全体像やチームの規模、管理していたサーバーの構成、自分はどんな役割を果たしたのかなどを詳細に記載しました。
その結果、面接では過去の業務内容をしっかりと伝えることができたと思います。面接官の方と業務特有の大変さについて分かち合う感覚を得られたときは嬉しかったです。
次回 vol.2は、採用側からの視点について“理想の転職”を成功させる極意に迫ります!