先月22日、愛子さまが、初の公式海外訪問先であるラオスから帰国されました。滞在中は、現地の方々からの歓迎に笑顔で応え、ラオス語で挨拶されるなど、丁寧にコミュニケーションを取られ、行く先々で温かい歓迎を受けられていました。
愛子さまは9月にも新潟を訪問されました。朱鷺メッセで開催された『防災推進国民大会2025』へのご出席が主目的で、錦鯉の里や、2004年の中越地震で被災した山古志村も訪問されました。私はその期間、東京で用事があり入れ違いになったので、報道映像で新潟初訪問の様子を拝見しました。かわいらしさの中に神々しさを感じ、その所作の美しさも相まって、自然と涙がこぼれました。新潟駅で愛子さまを見た子どもも「光っていた」と感想を漏らしたそうです。
愛子さまにお会いした方々は、心の安らぎや元気をもらい、幸せな気持ちになったことでしょう。23歳という若さで、これほど多くの人々を包み込むような立ち居振る舞いができることに感銘を受けました。その自然な振る舞いは、幼いころから天皇・皇后両陛下を見て育ったこと、そして何よりも皇室の一員としての自覚と努力の積み重ねによるものだと思います。
もちろん、長年、聖域で育ってこられた愛子様とは、環境も努力の及びもしないことは重々承知していますが、少しでもその所作を学びたいと感じました。映像を見ながら考えた末、まずは「笑顔」から始めてみようと決めました。
昭和世代の私にとって、「男は笑うものじゃない」と教えられてきましたし、高倉健さんのような寡黙な男に憧れたものです。また、新潟県出身のラグビー選手・稲垣啓太さんも「勝負の世界に笑顔は要らない」と語っています。確かに、仕事も日々が勝負なので笑顔は不要かもしれません。しかし、私たちの仕事はそれ以上に人と人との関係性が重要です。その中で、笑顔が果たす役割は非常に大きいと考えます。
笑顔の効果
- 承認欲求を満たし、安心感・信頼感を与える
人には「他者に認められたい」という承認欲求があります。笑顔は「あなたに会えてうれしい」「あなたを認めています」というメッセージを伝え、相手に安心感と信頼感を与えます。 - 敵対的な感情を生まない
笑顔には「敵意がない」「あなたの味方です」という意味があります。特に初対面の方との関係構築や、険悪な雰囲気を和らげる場面で効果的です。ちなみに握手も「武器を持っていない=敵意がない」という意味から来ているそうです。 - 場を和ませ、一体感を醸成する
笑顔はラポール(調和の取れた関係)を築くうえで有効です。笑顔を見ると顔の筋肉が無意識に反応するという研究結果もあり、ミラーリング効果を発揮します。 - 本人の気分がポジティブになる
笑顔を作ることで脳の感情中枢にポジティブな影響があることがMRI研究で示されています。「作り笑いでも気分が明るくなる」という表情フィードバック効果もあるそうです。(MRI:Magnetic Resonance Imaging、磁気共鳴画像法。医療機器の一つ)
笑顔には場を変える力がある。笑顔で踊れば観客もノリノリに。
笑顔の使い方:3つの実践ポイント
- 人と会った瞬間に笑顔で挨拶する
遠くから笑顔で近づいてきてくれると、とても嬉しい気持ちになります。逆に、笑顔がないと負の印象を与えることもあります。社内報で『社員を活かす現場のコミュニケーション』という特集が組まれた時がありますが、その時にとったアンケートでも「明るい挨拶」が職場のやる気を高める要素として挙げられています。挨拶に「目が合ったらニコッ」をセットにするとさらに効果的です。 - 会議・打ち合わせは笑顔で始める
プレゼンではアイスブレークが有効といわれますが、会議も同じです。プロジェクトがうまくいっていない時こそ、「いいアイデアで挽回しよう!」と笑顔で始めることで前向きな雰囲気を作れます。
9月に初参加した『にいがた総おどり』では、はじめは緊張で顔がこわばってしまい、観客の方々もうまく乗れませんでした。途中から「これはいかん」と思い、笑顔を意識した途端に観客がノリノリになり、その結果、NHKニュースの映像にも使われました。やはり笑顔は場を変える力があります。 - 写真は笑顔で
立場上、写真を撮られる機会が多いです。本当はイケメンモデルのようにすまし顔で格好よく撮ってほしいという願望もありますが、そこは抑えて笑顔で撮影に臨んでいます。特に、社外向けの写真では会社を代表している意識を持ち、安心感・信頼感を与えるために笑顔を心がけています。
撮影時には、つい笑ってしまうようなネタを思い出して笑顔を作るようにしています。みなさんもスマホで自身を撮影する機会が多いと思いますので、輝けるような笑顔の訓練をしておきましょう。
1月14日・15日に開催した当社のイベント「NIIGATA INNOVATION EXPO by Canon Imaging Systems」に、当社のCMに出演してもらった芦川玲一さんが来てくれました。先週の社長コラムの表紙はこの時に撮影した写真を使わせていただきました。さすが、芦川さん。とてもいい笑顔をしていらっしゃる。この笑顔で各コーナーの説明を興味深く聞いてくれましたが、当社の社員も芦川さんの時は、とても普段見せないような笑顔でうれしそうに説明していました。他の方に対するよりも説明している時間がちょっと長かったような気が…
今回の表紙のアルビレックス新潟の野澤洋輔さんも笑顔がよいですね。新社長の重責はあるものの、この笑顔でみんなを明るく、新生アルビレックス新潟を引っ張っていってほしいです。
当社の社員から「最近、会社が楽しいです」という声を笑顔とともにいただくこともあります。私にとって最高のフィードバックです。一人でも多くの社員にそう言ってもらえるよう、笑顔で頑張りたいと思います。
最近は、買い物の際にも店員さんと笑顔で会話するようにしています。働いている方が少しでも幸せになれるお手伝いができればと思うようになったからです。
人は、幸せを感じさせてくれる明るい人の周りに自然と集まります。笑顔はそのための最適なツールです。私の重大な任務の一つに「人寄せ」があります。お客様、入社希望者、仕事のパートナー——できるだけ多くの方を集めるために、愛子さまをお手本に笑顔を学び、実践していきたいと思います。
※次号は12月8日(月)リリース予定です