社長コラム#08:"決めつけモード"で道を開く
Photo by Joshua Sortino on Unsplash
『社長コラム#02:熱量を持って行こう』で、踊る大捜査線の新作を楽しみにしていると申し上げましたが、皆さんにお詫びしなければならないことがあります。
実は、『室井慎次 敗れざる者』をようやく観ました。しかも、少々邪道かもしれませんが、飛行機の中で。『室井慎次 敗れざる者』だけでは完結しておらず、続編の『室井慎次 生き続ける者』も観なければならないようです。しかも、『踊る大捜査線 N.E.W』につながっているとのこと。ネトフリでは11月11日から『室井真意 敗れざる者』が配信されるそうなので、『室井慎次 生き続ける者』が配信されたらすぐに観ようと思います。(※ネタバレ情報は、どうか私には知らせないでくださいね)
それにしても、見事ですね。続編を必ず観たくなるように仕掛けられています。本コラムも見習いたいと思い、『#6:万博から考えるデジタルとアナログ』と『#7:アナログ力で勝つ~バス乗り継ぎ旅から考える~』は続編形式にしてみました。皆さん、続編を読んでみたくなりましたか?
さて、『踊る大捜査線 N.E.W』は2026年に公開予定ですが、今度こそ映画館で観ます。『踊る大走査線 N.E.W』に関する記事をいくつか読んでみると、期待が高まる一方で、少し気になる話もありました。たとえば、週刊現代(2024年12月15日号)にはこんな見出しがありました。
「織田裕二の“年齢”にフジが頭を抱えている…!2026年公開予定『踊る大捜査線』新作に浮上した“青島俊作”の“定年間近問題”」
記事には「主役の青島俊作は織田さんと同い年という設定のため、公開時には59歳。定年間近の老刑事が暴れまわるのはさすがに無理がある」と書かれていました。
いやいや、暴れまわるとまではいかなくても、アラ還になっても熱量を持って動き回っている人はたくさんいますよ。何ならこの記事を書いた方に私を取材してもらいたいくらいです。
会社の知名度をあげるためのラジオ出演。トークの中では歩活で1日平均2万4000歩あるいたことやダンスも話題に。
手前味噌になりますが、年をとってもなぜこんなに動き回れるのか自分でも不思議です。その理由の一つに、「自分はこうだ」と"決めつけている"ことが大きいのではないかと考えます。
「会社の知名度を上げることが私の使命なのだ」と決めつけているから、新聞・テレビ・ラジオ・雑誌など、宣伝になるなら積極的にメディアを活用して取り上げていただいてます。
「売上を伸ばすことが私の使命なのだ」と決めつけているから、お客様のところへは自らの向かい、自らお話をさせていただいてます。
「健康経営は第一優先」と決めつけているから、まず自分が健康でなくてはと思い、歩活では1日2万歩以上歩きますし、先月の「にいがた総おどり」でも老体に鞭をうって演舞に挑みました。老体に鞭うつのが本当に健康によいのかはさておき。
ソフトウェアの開発や会社の運営については、当社の社員がしっかり成果を出してくれているので、私はトップ営業や宣伝マン、そして健康老人のロールモデルに徹することができています。まわりのスタッフは大変ですが。
”決めつけモード”は、これに徹するのが自分だということを肯定するものであり、突っ走ることを後押してしてくれる。よい意味で脅迫観念であり、よい習慣を形成する。推し活なども同じかもしれませんが、いちど自分はこうだ決めつけると、途轍もないエネルギーを産み、何でもできるような気がしてくるものです。
『踊る大捜査線』に話を戻しますが、ネットの反応として「年齢的にどうなんだろう」「あと10年早ければ」という声もあるようです。私もこの年齢で『総おどり』に出たりして周囲からどう思われているか気にならないわけではありません。
だからこそ、織田裕二さんには青島に徹してもらい、アラ還の概念を覆すように、『踊る大捜査線 N.E.W』では思いっきり”踊って”ほしい。私も踊るから共闘しましょう。
そんな共闘をしてくれそうな存在の一人、三浦知良さん(以降、カズさん)が日経新聞で連載しているコラム『サッカー人として』で、米国野球殿堂入りしたイチローさんを称えていました。タイトルは『イチローさんに学ぶ、小さな努力の常軌を逸した積み重ね』です。「常軌を逸した」と刺激的に書かれていますが、もちろん誉め言葉です。
イチロー:1973年10月22日生まれ(51歳)
Photo by Keith Allison, CC BY-SA 2.0, via Wikimedia Commons
イチローさんは「バックヤードでは気が遠くなるほどの時間を費やし」「ルーティンや練習、生活と向き合い続け」「自分を律し、雑音をシャットアウトしてやるべきことをやる」と書かれています。また、順風満帆な時だけでなくうまくいかない時も「ヒット1本、盗塁1つ、外野からの送球1つ、それら小さな1つのために膨大な物事を律していける」ところがすごいと。
というカズさんも58歳で現役プロサッカー選手。まさに「常軌を逸して」ます。お二人に共通しているのは、「徹底的に徹する」こと。イチローさんはルーティンを守ることに徹しているし、カズさんは年齢にとらわれずプロであり続けることに徹しています。「これに徹する」と決めつけモードに自分を置けば、周囲の雑音や様々な誘惑も気にならなくなり、やりつづけることができる。それが「徹すると決めつけたことからこそできる」という自信につながるのだと思います。
もちろん、お二人のように一流のプロになるのは簡単ではありません。でも、徹すると決めつけることで得られるものは確かにあります。
キヤノンイメージングシステムズもハードウェアの品質が世界最高峰のキヤノンからのソフトウェア開発受託に徹しようと決めつけてきたからこそ、他のソフトウェア会社にはないエンジニアリング力や品質力が身についた面があります。
今後、会社を発展させるためには新たな決めつけが必要だとは考えています。とことんAIを活用することに徹してみるとか。
カズさんのコラムで起業家に向けたイーロンマスク氏の言葉が引用されていました。ここには書きませんが、自分もまだまだまだだなと思う。もっともっと徹底して、走りつづけなければ。
最近の風潮からすると、言葉を選ばなければなりませんが、皆さんも何かを決めつけて徹することで道を開いてみませんか。
三浦 知良:1967年2月26日生まれ(58歳)
Photo by norio nakayama, CC BY-SA 2.0, via Wikimedia Commons
三浦知良さんのコラムはオフィシャルサイト" BOA SORTE KAZU"から読めます。(新聞に掲載されたコラムとは少し異なっています)
『イチローさんに学ぶ、小さな努力の常軌を逸した積み重ね』- サッカー人として 2025年8月1日(金)掲載
<<社長コラム#07:アナログ力で勝つ~バス乗り継ぎ旅から考える~
※次号は11月10日(月)リリース予定です