先週、9月21日(日)に世界陸上が閉幕いたしました。スペシャルアンバサダーの織田裕二さんによる熱量あふれる語りとともに、皆さんも楽しまれたのではないでしょうか。
織田さんは今回の大会をもって世界陸上からの卒業を宣言されたそうで、ネット上では惜しむ声が多数寄せられていました。大会前には「競技に集中できない」「テンションが高すぎてついていけない」といった批判的な意見も見受けられましたが、今回の大会を通じて再評価されたようです。映画『踊る大捜査線』のように、いつか復活していただけることを期待したいですね。
今回の世界陸上では、日本の開催能力も高く評価されました。世界陸連のセバスチャン・コー会長は、「日本でもう一度五輪を開催してもよいのではないか」と発言されたそうです。運営面での大きなトラブルもなく、懸念されていた3km離れたサブトラックからの選手輸送も、競技に影響するような遅れはなかったとのことです。
東京五輪では無観客だった国立競技場も、今回は累計60万人超の観客を熱狂させました。スタジアムとしての素晴らしさが、改めて認識された大会となりました。
昨年、この国立競技場でマラソンする機会に恵まれ、別の視点からその素晴らしさを体感いたしました。今まで、それほどマラソンには関心がなく、唯一の経験が30年前に参加したグアムマラソンだったのですが、「国立競技場を走れる」と聞いて、思わず二つ返事で参加を決めてしまいました。
マラソンといっても、トラック400mと屋内走路であるリングロード1000mを合わせた1.4kmを1周として、42.195Kmを数人でシェアしながら走るリレーマラソン形式です。
大会経験がほとんどなかったため、走る前は不安もありましたが、いざ競技場のトラックでウォーミングアップをしてみると、思いのほか快調に走ることができました。足から伝わる感触がまったく違うのです。
聞くところによると、国立競技場のトラックはイタリアのモンド社製「高速トラック」で、ウレタン製が主流の中、ゴム製にこだわって作られているそうです。高い反発力と均一性を確保することで、姿勢や歩幅の制御がしやすく、まるで弾むように走れるとのこと。
スキーで言えば、パウダースノーを滑ると自分が上手くなったように感じるのと同じで、このトラックでは「100mを9秒台で走れるのでは?」という錯覚すら覚えました。
わがチームは9人で参加し、最年長の私には4周の割り当て。しかもアンカー。どうやら、勝負の舞台では敬老の精神にはあやかれなかったようです。それとも「まだまだ若い」とみなされていたのでしょうか?それはそれでありがたいことです。
ただ、いざ本番になると、走りやすいトラックと国立競技場という特別な舞台にテンションも上がり、1周1.4kmを6分切るペースで走ることができました。そしてその勢いを持続したままFINISH。私自身、熱量も高く楽しく走ることができ、また機会があればぜひ参加したいと思っています。
走ることが健康に良いのは分かっていても、マラソンには少しハードルを感じる方もいらっしゃるかもしれません。そんな方には、まず「歩くこと」から始めてみるのはいかがでしょうか。
当社では、毎年5月と11月に「みんなで歩活」というイベントを開催しています。10人以内でチームを組み、1日1人あたりの平均歩数を競う形式です。毎回100人位の社員が参加しています。
私もチームを組んで参加しているのですが、「社長チームに勝とう」と意気込むチームもあり、社内の闘争心をほどよく刺激する良いきっかけになっていると感じています。前回のイベントでは月の半ばまで社長チームが3位につけていたものの、最後に逆転されて入賞を逃し、とても悔しい思いをしたこともありました。
期間中には「30分ほど歩いてBBQを楽しむ」という企画もあり、毎回大変盛況です。
このイベントをきっかけに、歩くことを日常生活に積極的に取り入れるようになった社員も多く、健康増進に一役買っていると感じています。
埼玉医科大が埼玉県毛呂山町民に対して実施した調査によると、1日8000歩を目標としたウォーキングによって、中性脂肪の低下、超悪玉コレステロールの減少、動脈硬化リスクの軽減が確認されたそうです。
また、東京都健康長寿医療センターの青柳幸利博士が群馬県中之条町の住民を対象に行った調査では、1日の歩数によって以下のような疾病予防効果があると報告されています。
- 肥満:12,000歩
- メタボリックシンドローム:10,000歩
- 高血圧症・糖尿病・脂質異常症:8,000歩
- 骨粗しょう症・動脈硬化・がん:7,000歩
- 心疾患・脳卒中・認知症・要支援/要介護:5,000歩
- うつ病:4,000歩
私自身も毎日8,000歩以上歩いており、実際に効果を実感しています。
ひときわ暑かった夏が明け、体を動かすのに最適な季節がやってきました。前回のコラムでご紹介した『にいがた総おどり』では、当社の社員がダイナミックな演舞を披露しました。まさに『踊るキヤノンイメージングシステムズ』。
走るのもよし。歩くのもよし。どんな形でも構いません。体を動かす習慣を取り入れて、心身ともに健やかな毎日を過ごしましょう。
※次号は10月6日(月)リリース予定です