はじめに
弊社CEOの平田が、株主であるReapra Japanよりインタビューをしていただきました!
起業に対する思いや現在の取り組みなどを、対談形式で深ぼっていただいたので、ぜひご覧ください🙌
Reapraは、「研究と実践を通じ、産業を創出し社会に貢献する」というミッションのもと、東南アジアと日本を中心にまだ事業が立ち上がっていないゼロの状態から起業家に出資し、長期視点で事業成長を伴走・支援する「産業創造・起業家学習支援」会社です。
私たちは、「人の心の豊かさ、および地球資源の維持・向上を統合した新たな資本主義のあり方」が今後、長期で顕在化する社会テーマになると考えており、我々自身が株式会社の形態を持って、資本主義の内側から変化を起こしていくことを目指しています。
アプローチとしては、長期で顕在化する社会課題に隣接したスモールマーケットから参入し、強いオペレーションを構築しながら、豊富なキャッシュを創出できる事業を作り、その余剰キャッシュをもって事業領域を広げ続けることを志向しています。
この根幹にある手法が、社会と共創する熟達です。これは複雑な環境に身を置いて、自らを変容させながら、自分自身が執着するテーマについて、試行錯誤して熟達しようとする行為です。
事業と個人を切り離さず、深く広く学習し続けることによって、起業家が連続的な「自己変容」を遂げ、学習する組織を築きあげながら、組織で産業を作っていくことを志向しています。
目次
- 💡なぜリープラを選んだのか
- 💡何を目指しているのか。現在、何に取り組んでいるのか?
- 💡これまでの成長や学びは?
岡内:まずは自己紹介をお願いできますか?
平田:株式会社ジコウの平田と申します。弊社は私が30歳になった2021年に創業しました。もうすぐ3期目を終える会社です。拠点は福岡で、営業職に特化した人材紹介を行っております。主に関東圏の成長企業様と営業パーソンをマッチングする事業です。
💡なぜリープラを選んだのか
▲対談時の様子
岡内:ありがとうございます。1つ目の質問なのですが、なぜリープラを選んだのか、どのように最初の接点があり、起業に至ったのか経緯を教えてもらえますか?
平田:はい。時系列でお話すると、私は神奈川県出身で、大学まで関東で育ちました。
最初に入社したベネッセという教育系企業で、福岡にある九州支社に配属されました。そこで地域の学校を回る仕事をして、地方の人の温かさや地域のつながりの深さや自然の豊かさを感じました。この経験は自分にとっては大きかったですね。
正直ベネッセの居心地は良かったです。当時の自分には十分すぎる環境でした。ただ、幼少期に父親が大変そうに働く姿を見ていたために、社会で生き残れるスキルを身につけないと自分自身は生き残れない、と常に心のどこかに将来の不安を感じていました。また、母親の影響から「いい大学に行って、いい会社に入ること」が前提となっていました。
社会人になってからより、この不確実な社会では、会社の看板で逃げ切れるわけではなく、競争社会で勝ち抜ける自分自身になる必要がある、と感じていました。
その後、当時急速に成長していたIndeedに転職し、東京で働きました。
勝ち抜ける自分自身になるために、とにかく目の前の周囲の期待に応え、わかりやすい成果を出すことにこだわっていました。3年ほど取り組んだ結果、心と体のバランスを崩しました。この経験から60歳、70歳まで、このような働き方を続けるのは難しいと強く感じました。
そして、「なぜこんなにまで働くことが辛いんだろう」と思って、心理学やコーチングなどに関する本を読みました。すると、これまでの出来事の整理や「これからどんな人生を生きたいか」という自分の内なる声に気付きました。その声に基づき、福岡に戻りたいと思って転職活動を始めました。その時にエージェントからリープラを紹介され、人の成長を支援するアプローチに共感し、入社しました。
岡内:起業を決意されたきっかけは何でしたか?
平田:リープラに入ってからですね。当初は営業職のままだと、労働マーケットからの期待値の上限値が見えてしまい、将来がほぼ決まってしまっているように感じました。
そのため、今考えれば表層的な考えかもしれませんが、人が温かい福岡に戻れて、かつ未経験でも入れる可能性がありそうなVC(ベンチャーキャピタル)としてリープラを選びました。
ただ入社後は、リープラの「自分自身を深く知り、社会性を帯びたアジェンダを紡ぐ」という考えに深く共感しました。
分かりやすいスキルを活かして会社員としてサバイブするよりも、一度きりの人生だし自分自身が作り出したい社会の姿を実現することにチャレンジしようと思うようになりました。入社数ヶ月後から起業を考えるようになり、実践したいという思いが高まり続け、起業に至りました。
岡内:企業勤めを続けようと考える人の方もいると思います。平田さんの起業を後押ししたことは他にありますか?
平田:もちろんライフミッション、実現したい社会の姿が紡げたこともそうですが、現実的な理由もあります。東京はリビングコストが高く、情報のスピードや量が速く、多いため自分が腰を据えるには難しいと感じていました。
福岡なら生活コストが安く、焦らずに様々な人と深く繋がりながらやりたいことができると考えました。リープラに転職して一時的に年収が下がったときも、福岡市に隣接する糸島市に住んで生活コストを下げる&自然に囲まれることで、めちゃくちゃ幸せに暮らしていました。
6万円で新築の1LDKに住め、新鮮な野菜や釣った魚を食べれて20万円あれば生活できます。そうして自分自身の豊かさの感じ方の理解が進むと、日々の暮らしへの満足度が高まり、本当に豊かだなと感じるようになりましたね。
次第に、こんな幸せな環境なのに「自分がやりたいことをやってない」のはやばいなと思うようになりました。ただ、もしも最悪失敗したとしても、また一からに戻ればいいとも思えたことが、起業することへの背中を押しました。福岡に住むことで、そのような心理的に安心安全の場が確認できたことが大きかったと思います。
💡何を目指しているのか。現在、何に取り組んでいるのか?
▲会社ビジョン
岡内:では、次にお聞きしたいのは、どのような姿を目指しているのかの未来像と、現在の取り組みについてです。
平田: 私たちが目指しているのは、一言で言うと「おとな版キッザニア」の概念を作ることです。
働く大人が創意工夫し、好奇心で人と繋がり、日常の業務に新しい視点を取り入れることで、成果を実感できるような環境を提供したいと考えています。
例えば、ある職業を体験することで新たな発見や気づきが生まれ、それが日常の仕事にも生かせるような場を提供したいと思っています。そのような、大人のための越境学習マーケットを作っていきたいと考えています。
日本には約1万7000の職種がありますが、ほとんどの人はその一部しか体験せずに一生を終えることが多いです。「おとな版キッザニア」では、サイトにアクセスすることで様々な職業を体験でき、自分の新たな才能や興味を発見できるようにしたいと考えています。
足元の事業としては、営業職の人材紹介を行っています。
理由としては文系就職者の7割が営業職に就いていますが、エンジニアなどと比べて自分の成長を実感しにくい職業です。転職を通じてこれまでやってきた経験を棚卸し、自分の価値観やスキルに気づき、成長産業に転職していただくお手伝いをしています。この事業を通じて、越境学習の想定ユーザーのボリュームゾーンにタッチしています。
岡内: ありがとうございます。その目指す社会に向けて、「おとな版キッザニア」を作ることに最初から取り組むこともできるかもしれませんが、なぜ営業職の人材紹介を初期事業として選んだのですか?
平田:職業体験というアイデア自体は誰もが思いつくものですが、実際に実現するためには多くの課題があります。例えば、大人が正社員として働く場合、雇用規制や労働契約上の制約があり、簡単には職業体験ができません。
また、同様のサービスを提供している会社が様々な問題を抱えていることも分かりました。こうした背景から、ターゲットとなるお客様をしっかり掘り下げた上で始めないと成立しないサービスだと感じました。
また、自分自身の会社でキャッシュフローが回っていれば、何度もチャレンジできる余裕があります。例えば、1億円の利益があれば、1000万円を10回チャレンジに使うことができるので、まずは働く大人と企業を深く理解しながら、収益基盤を作ることを優先しました。
💡これまでの成長や学びは?
岡内:最後に、これまでの学びや成長、特に自己変容を伴う成長について教えてください。
平田:会社員時代との大きな違いを話すと分かりやすいかもしれません。私は長らく営業パーソンとしてキャリアを築いてきました。
営業では、売るものや売り方が決まっていて、目標が与えられ、その期間内に達成するという、変数が少ない大学受験のような構造でした。とにかくやればできるという環境で、他の人より早く解を出すことが求められました。
しかし、起業してみると、自由すぎて怯んだこともありました。何をしてもいいわけではありませんが、選択肢が多すぎて何から始めたらいいか分からないことも多かったです。その時に、自分に自信がないと前に進めないと感じました。
起業して感じた喜びは、昨日より今日ちょっと進んだことを見つけることで、描いた未来にまだ近づけていないかもしれないけど、少しずつ前に進んでいるという感覚を持てることです。そのプロセス自体を楽しむようになったことが最大の変化です。
岡内:以前は、目標を達成することが重要でしたが、今はプロセス自体を楽しめるようになったのですね。どういった経験がその変化をもたらしたのでしょうか?
平田:起業して思うようにいかないことが多かった時に、プロセス自体を楽しむ方が得だと感じました。せっかく起業したのに、期待値を超えられないからと自分を責めるのはもったいないと思いました。選んだ道を楽しむことで、何かを達成しなくても楽しい状態を作ることが理想だと感じるようになりました。
また、メンバーを伴走する際に、成果を出しやすい環境を作ることが自分の役割だと認識し、その人が成長する過程を見守ることが重要だと気づきました。これも大きな変化です。
岡内:会社員時代に体調を崩されたことと今の考え方の変化には繋がりがありますか?
平田:そうですね。クオーターごとの成果が出ていないと感じると、上司から詰められているように感じたり、自分を取り繕って見せようとすることがありました。そのようなストレスが体調に影響を与えたと思います。
岡内:結果を追求する方が、事業や組織の成長に繋がるように思いますが、現在のプロセスを重視するアプローチはどう感じていますか?
平田:営業時代はホームランを狙うタイプでしたが、経営では毎日1%ずつ努力していく方が良いと感じています。リープラでは長期の時間軸で経営を行うため、日々の小さな進歩が重要だと感じるようになりました。現象面でうまくいかなくても、それを一般化して次に活かせば未来永劫に積み上がっていくので、いい勉強だと思います。
岡内:貴重なお話、ありがとうございました。
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