仕事選びの大きなポイントとなるのが賃金です。賃金と労務負荷とは密接にリンクしているからです。仮に少し嫌な仕事であったとしても、賃金が良いならば、その仕事を選ぶ人は少なくないものです。
では、建設業の給与水準は、どのレベルにあるのでしょうか。
建設業全体の傾向
建設業は一般的に3K(きつい、汚い、危険)と呼ばれる職場です。また、最近では新3K(帰れない、厳しい、給与が安い)とも言われます。
さて、給与水準がどれくらいかと言うと、平均で年収392万円。全産業を考えると水準は低めです。
ただし、これはあくまでも建築関係全体の平均です。勤務先の規模や就く仕事によっても大きく異なると言えるでしょう。
ゼネコンの傾向
では勤務先の規模での賃金の違いはどれくらいの差があるのでしょうか。
ここでは、中小ゼネコン・準大手ゼネコン・スーパーゼネコンの3つを挙げてみます。
中小ゼネコンの場合
中小ゼネコンとは一般的に「単独の売上高が1,500億円以上3,000億円未満前後」の建設会社とされています。
年代別の賃金は、就く仕事などにもよりますが、概ね次の通りになります。
・20代:442万円
・30代:627万円
・40代:761万円
準大手ゼネコンの場合
準大手ゼネコンは「単独の売上高が3,000億円前後以上」の建設会社。資本もグッと大きくなります。その背景があるために給与水準も上がります。
・20代:492万円
・30代:749万円
・40代:908万円
スーパーゼネコンの場合
スーパーゼネコンは「単独で売上高が1兆円以上」とも言われる規模の大きさです。収入は次の通りです。
・20代:492万円
・30代:749万円
・40代:908万円
意外に準大手のゼネコンと変わらないことに気が付きます。準大手でも高い給与の会社もあり、それが全体を押し上げるなどの現象が考えられます。
給与水準アップのポイント
この様に、給与は会社規模によって異なります。そのため、高い給与を得る上での第1の方法としては「勤務先を選ぶ」がポイントと言えるでしょう。
しかし、給与アップのためには単に会社を選ぶだけではありません。やはり、別の要因も大きく関係して来るのです。
そこで、ここでは会社選びの他の給与アップのポイントについて挙げてみましょう。
資格を取る
まず最初に挙げられるのが「資格を取る」ことです。と言うのも、資格を取るならば可能となる仕事が増えるから。仕事をそれだけ選べる様にもなります。
例えば、建設現場では一般の工事の他にも、危険を伴っていたり、特殊な技術を必要とする仕事があります。良い例が電気工事の仕事。電気工事は感電の危険性があるだけでなく、火災などの発生要因ともなり得ます。そのため、電気工事の仕事には資格が必要なのです。
そして、電気工事士の資格があれば電気工事を伴う現場にも入れる様になります。可能となる仕事も増えて、収入のアップが狙えるのです。
また、これは作業者のモチベーションにも結び付きます。経営に当たる立場としても十分な配慮が必要です。
経験を積む
経験を積むのも非常に大切です。技術は確かに知識に立脚しているので、やはり資格は必要なのですが、経験が無いとせっかくの知識を活かすことが出来ません。現場で活かして貢献させてこその資格なのです。
また、経験が無いと、資格を持っていたとしても施工に失敗してしまい、不完全な物を作ってしまいかねません。当然ながらその様な施工は非常に危険です。
例えば、先に挙げた電気工事士の場合ですと知識があったとしても、配線工事や細かい結線などを間違ってしまうと施工に落ち度があり得ます。非常に危険なのです。
その様な背景があるため、給与アップは経験も必要になります。より豊富な経験を積んで現場に活かしてこそ、良い物が作れ、給与に結び付くのです。
尚、これも経営の立場から考えるならば、作業者の仕事への配慮ともなります。意識することは重要です。
役職によっても違う
役職によっても給与は違います。これは一般の会社員と同じ様に、役職が付くと給与に反映されるのです。
ちなみに役職が付くと、個人としての技術が必要なだけでなく、チームをまとめる能力や全体のモチベーションを上げる能力などまで求められます。
また、他のセクションや会社などに対する交渉にも重要な立場ともなります。その様な個人としての仕事以外の部分でも働かなければならないので、それを鑑みての給与とも言えるのです。
そして、このことは仕事をする上での励みとなります。経営サイドとしても考えなければなりません。
まとめ
建設業の給与について取り上げました。
冒頭に「新3K」という言葉を挙げてみましたが、このKの1つの「給料が安い」ということは少なからず当たっている様子です。人が集まりにくいのも仕方無いのかも知れません。
しかし、仮に給与のアップのポイントを踏まえた仕事をするならば、給与のアップは望める様にもなります。ぜひとも精進を続けましょう。また、経営の立場であれば、これらの背景を鑑みて給与体系に活かすことが大切です。
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