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ITから農業、そして道路の世界へ。日本のインフラを支えたい想いを持ってジョインしたメンバーが語るアーバンエックス【社員インタビュー vol.9】

アーバンエックステクノロジーズ(以下、アーバンエックス)のメンバーを紹介するインタビューシリーズ。9回目の今日は、カスタマーサポート・カスタマーサクセスの領域で活躍中の五十嵐さんについて紹介したいと思います。五十嵐さんは、自分で会社を興し、その会社も運営しながらアーバンエックスで働くという異色の経歴の持ち主。会社を持ちながらも正社員としてジョインしようと決めた理由にも迫りました。

五十嵐 優太さん

北海道の高専で情報工学を学んだのち、新卒で大手SIerに入社し、システムエンジニアに従事。その後、地元の釧路でパプリカを生産する農業ベンチャーに転職し、ITと農業のドメインで専門知識を増やす。その後、独立や起業を経て2022年7月にアーバンエックステクノロジーズに入社。

地元が大好き。日本のインフラになる仕事をするために上京

— 北海道の高専ご出身とのことで、就職を機に上京されたのですね。どんな学生時代を過ごされましたか?

小中学生の頃は、サッカー中心の生活で、勉強は二の次でしたね。特に理系に行きたいという強い気持ちはなかったのですが、中学生になり受験を意識するようになった頃に高専に行く選択肢が出てきました。私が育った釧路というエリアでは、進学・就職の選択肢が少ないんです。そんな中で、高専を卒業することは就職に有利だということを聞いていたので、まずは高専に入ってその後で就職について考えようという気持ちで、進路を決めました。

当時はITバブルの真っ只中。このような時代ならば、仕事において何かしらITに関わることになるだろうと考え、情報工学を専攻し、何かしらPCに触れるような仕事に就ければいいと思っていました。プログラムを書きはじめたのはこの頃からでした。高専の課題で、ゲームやソフトウェア開発に自然と取り組む機会が生まれました。

皆さんが高専にどのようなイメージを持っていらっしゃるか分かりませんが、高専は学生が二極化している気がしています。1つの属性は「我が道を極めるタイプ」。ロボコンやプログラミングコンテストに出場して技術を高めるタイプですね。2つ目は、特に技術に特化した志向があるわけではなく、なんとなく学生時代を過ごしてしまうタイプ。正直、私は後者だったのが本音です。

そんなことをしているうちに卒業・就職の時期になりました。本当は地元で働く選択肢も見つけたかったのですが、選択肢がとにかく少なかったことから「一度は東京で頑張ってみて、いつか地元に戻ろう」と思い、上京することにしました。実は、今でも地元に戻ることは考えていますよ。


— 地元愛が強いのですね!テレワークが普及してきてその想いも実現の難易度が低くなったのは良いことですね。卒業後は大手のSIerに入社されていますが、どのような業務に従事されましたか?

「24時間止めてはいけない」という大きなプレッシャーのある、金融システムを担当する部署に配属されました。そもそも、この会社に入社したのは「この会社でしかできない仕事がある」「日本のインフラを支えたい」という気持ちが強かったからなので、金融サービスに関わることは大変やりがいが大きかったです。この時からずっと、私の働く原動力は、お金を稼ぐこと以上に、どれだけ人の暮らしを支えることに貢献できるか、でした。

とにかく入社1年目は、お金を稼ぐ力をつけ、一人前になるために必死な毎日で、仕事に忙殺されていました。いわゆる”システムエンジニア”で、プロジェクトをうまく進めるため、外部の協力会社さんと連携しながらプロジェクトマネジメントをしていく職種です。小さくても10人程度、大きいと200人以上という、フロアに溢れるほどの人数の方と一緒に働いていました。このような業務に3年半ほど従事しました。

大手SIerからパプリカ栽培の仕事へ。そのまま農業の世界にどっぷり

— 3年半の大手企業での経験ののち、ガラッとジャンルが変わって農業ベンチャーに転職されていますね。ITの仕事でもなく、パプリカの栽培。思い切ったご転職だと思ったのですが、これはなぜでしょう…?

私にとってはIT系として仕事をするのが目的ではなく、何のために仕事をするかが働く目的なので職種変更を伴う転職には、そこまで大きな抵抗はありませんでした。

この時の転職も、農業がやりたかったわけではなく、地元である釧路市創業の会社に就職することで釧路を活性化したかったからです。いつか地元に戻りたいという気持ちをずっと持っていたので、地元の情報は常にウォッチしていました。

大きな産業に恵まれているわけではない釧路において、植物工場を作るベンチャー企業は珍しい存在です。夏が涼しく日照時間が長い釧路の気候をリサーチし尽くした上で創業された農業ベンチャーに、初期メンバーとしてジョインすることにしました。


— 地元に対してこんなにも貢献したいご意欲を持ってくれている人がいるのは素晴らしいことだと思います。農業に明るくないのでぜひ詳しく聞きたいのですが、パプリカの栽培工場で働くというのは具体的にどんな業務が発生するのでしょうか…?

本当に皆さんの想像する「農業」に関することをなんでもやりました。栽培から収穫、倉庫管理等、農業に必要なことはこの会社で一通り覚えました。2.3haという規模で栽培していたので、維持管理のための費用を確保することが大きな課題になります。そんな中、極力効率を上げていくためにITの力を活用するノウハウも学びました。このノウハウを日本じゅうの農業が活用できればよい、と思ってしまうのですが、どうしても日本の農業の現場に即していない点もあり、誰もが農業にITを取り入れるということは難しいことなのだろうと悟りました。

この頃になると、身も心もすっかり農業の人です(笑)。もっと農業の現実に寄り添ったIT活用のためにはどうすればいいのかと考え、水まき装置を開発している関東の企業への転職を決意し、再度上京することにしました。

もっと農業に寄与するために、必要だから起業する

— やはり「日本のインフラ」に意欲を燃やしている五十嵐さんならではで、業界の現状を目の当たりにすると放っておけないんですね!どっぷり農業に浸かっていらっしゃる。次の会社ではどんな仕事を?

そうですね(笑)水まき装置を導入してくれた農家の方に対して導入サポートをする業務に従事していました。全国津々浦々、200軒程の農家に機器を納品し、使い方や栽培全体の効率化の提案をしていました。

この会社は、バリバリのIT企業として創業し、事業転換を経て農業というドメインの事業を確立してきた経緯があり、全員に農業の知見があるわけではありませんでした。そのため徐々にプロダクトの方向性を考えるようなプロダクトマネジメント業務やサポート、グロース、さまざまな領域の業務に関わるようになりました。


— その後独立する道を選ばれましたね。お話を聞く前は意外なご経歴と思ってしまいましたが、どんどんピースが繋がっていきます。

独立したのは、農業は水まきだけではないと気づいたからです。水まき機という単一のプロダクトでは、農業全体をカバーすることはできない。そのため、この会社の仕事を続けながら、他社のプロダクトも総合的に提案できる立場になることに決めました。最終的に、在籍時に行っていた社内の仕事は全て移管して、個人として業務委託として携わるようになりました。

この後、農業に関する情報発信を行う会社を立ち上げています。意図して起業したというよりは、農業に対しての課題解決のアプローチの一環として、必要性を感じて立ち上げたという形です。情報発信に必要なシステムは、自分でRubyを書いて開発もしていますよ。

日本のインフラに寄与するために、道路の世界へ

— ここまで農業✖️ITというドメインでご自身の強みを高めてきている中、なぜ今アーバンエックスに「就職」という形で関わる決意をされたのでしょうか?不思議です。

農業という分野は、着実に進歩はしているものの、歩みが遅いんです。そのため、ベンチャー企業が立ち上がっても、資金調達を行い、一気にグロースを狙うような経営をするというタイプの市場ではないと思っています。とにかく短期決戦ではなく、事業を長くやることが必要な領域です。なので、自分で立ち上げた会社もまだ続けています。

元々、一社目に就職する時から「日本のインフラを支えたい」という気持ちが強かったため、なくなったら誰もが困ってしまう「道路」を守る、アーバンエックスの事業に興味を持つようになりました。まずは業務委託でもいいから仕事を始めようと思ってジョインし、結果的に社員になりました。就職するにあたって業界や分野は特に絞っておらず、他のスタートアップ企業の話も聞いたのですが、心に刺さったのはアーバンエックスでしたね。


— 皆さんこの話を伺うと大体同じ理由をお答えになるのですが…。決めてはやっぱり代表の前田さんですか?(笑)

前田さんですね(笑)一言で言うと、彼のためなら頑張ろう、と思える人でした。色々な起業家の人と今まで会ってきましたが、ここまでイキイキと自分が目指す世界を語れる人とは初めて会いましたね。年下ということも忘れていました。

現在は、カスタマーサポートの業務を整え、仕組み化していくフェーズを担当しています。元々兼務で担当されている方がいたポジションですが、初めての専任として入社しています。ありがたいことに導入数が徐々に増えてきているので、導入後しっかり活用できているかを細かくサポートしています。

その地域になくてはならないものをどう残していくかということは、農業でもIT、道路の領域でも近い課題感があります。最近は、人不足が深刻です。道路保守に関わる部門も、予算が減り、人員削減になってしまうケースが多々発生しているようです。そこで、道路の担当者じゃなくても、車に搭載さえすれば舗装に必要な情報が集められる「RoadManager」は、地域課題の解決に寄与できると思います。


— 五十嵐さんのお考えは根底で繋がっていることがよく理解できました。ITも農業も目的は同じですね。今も自身の会社を続けながらアーバンエックスに関わる五十嵐さんですが、これからどんなことをしていきたいか、希望はありますか?

まず、自分の会社はとにかく細くても長く続け、農業や園芸に関わる方に価値を提供し続けていきたいですね。

アーバンエックスに対しては、プロダクトを導入いただいても、活用まで到達していない自治体をしっかりサポートする必要があると考えています。現状は、弊社のプロダクトを導入しなくても、今あるリソースでなんとかしている自治体が多いだろうと推測しています。これから確実に道路舗装に関わる現場の人員が減っていくことが目に見えているので、早期にプロダクトが活用されている状態を目指したいです。そして、成功事例を他の自治体にも横展開していくため、カスタマーサクセスとして活用のためのコンテンツの作成など、まだまだ着手すべきことがたくさんあるので頑張っていきたいと思います。

— 今日はありがとうございました!

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