福岡を拠点に、UI/UXデザインの制作会社「バイネーム」でリモートワークを続ける原さん。現在は主にディレクションとデザイン業務を一人で担いながら、全国を飛び回る“推し活”との両立も実現しています。
フリーランスのような自由さと、会社員としての安心感。そのバランスを保ちながら、クライアントとまっすぐ向き合う原さんの働き方には、「好き」と「仕事」を無理なく共存させるヒントが詰まっています。
今回は、そんな原さんに、バイネームでの働き方やチームとの関係、そしてリモート時代の理想的な仕事の在り方についてお話を伺いました。
ステップアップにバイネームを選んだ理由
── どのようなご経歴ですか?自己紹介をお願いします。
大学を卒業後、新卒からWebディレクターとしてキャリアをスタートしました。最初の会社では3年ほど、ディレクション業務を中心にWeb制作に携わっていました。
その後転職し、次の会社ではデザイナーとしての業務がメインに。ディレクションにも一部関わりながら、気づけばそちらで14年ほど働くことになりました。どちらもWeb制作会社で、常にクライアントワークの現場に身を置いてきた形になります。
── バイネームとはどのように出会ったのですか?
2社目の職場で、バイネームの代表である井上さんと一緒に働いていた時期がありました。なので、井上さんがどんな人なのか、どういう仕事ができる人なのかは当時から認識していました。
井上さんがバイネームを立ち上げ、私が関わり始めたのは2024年の2月からです。当時はまだ副業という形でしたが、その後正式にジョインし、いまは社員として働いています。
── なぜバイネームを選んだのでしょうか?
長く勤めた制作会社からの次のステップを探していたんですが、井上さんとは前職でも一緒に仕事をしていたので、人間性も、仕事のやりやすさもよく知っていました。もともと「いつか来てほしい」と言われていたこともあり、自然な流れで決断できたと思います。
実際、働く環境としても、自分にとってはすごくフィットしていました。お金の流れも透明性があり「社長だけが儲かる会社」ではなく、ちゃんとメンバーに還元されているのが見える。そういうオープンさが、安心感につながっています。
制作会社で働いてきた中で、自分がたくさん成果を上げても、それが他の人の補填に回っていると感じたことがありました。バイネームではそういう不公平感がなくて、自分の働きがちゃんと自分に返ってくる感じがします。
やることをやっていれば、本当に自由!フリーランスと会社のいいとこどりな環境
── 特に会社の「ここが良い!」というポイントはありますか?
一番大きいのは、働き方の自由度ですね。私はもともと在宅勤務だったので、大きく変化したわけではないんですが、バイネームのようにフルリモート、フルフレックスが前提の会社だと、時間の使い方にかなり柔軟性があると思います。
もちろんクライアントファーストではありますし、連絡などはきちんとしますが、スケジュールに支障がなければ平日に病院や役所などへ行くこともできますし、逆に土日に仕事することもあります。
また、私は推しのアーティストのライブに行くことが趣味なんですが、全国ツアーがあるときは北海道から九州まで、可能な限り申し込みをして、各地に遠征しています。パソコンさえあればどこでも作業できるので、移動中やホテルでも仕事をしていますが、働く場所の制限がないのはいいですね。
今はかなりフリーランスっぽく働けているんですが、会社ならではの良さもあります。今担当している案件は基本的には私ひとりで進行しており、判断はほとんど自分で任されています。その一方で、困ったときにはすぐ相談できますし、客観的な意見をもらえる環境は精神的にもとても心強いですね。
フリーランスと同じような裁量と働き方ができる反面、営業や契約まわり、事務作業などの煩雑なことはすべて会社が担ってくれる。だから、自分は制作に集中できる。 「自由」と「サポート」のバランスが絶妙なところが、バイネームの魅力だと思っています。
── 逆に「ここはまだまだ」というポイントはありますか?
やっぱり教育面はまだまだこれから、という印象はありますね。バイネームは完全なフルリモートの体制なので、自分で考えて、自分で動ける“自走力のある人”じゃないと正直きついところはあると思います。たとえば、新卒のようなまだ経験の浅い人を受け入れて、ゼロから育てるということは、今の体制ではかなり難しいです。
それに、構造的な課題として教育にかかるコストが仕組みとして報われづらいというのもあります。今の制度では、案件の粗利を貯めていくという形になっていて、そこに他の人が関わると当然利益が分散してしまう。つまり、教える側の負担だけが増えてしまいがちなんですよね。
もちろん、全員が完全に自走できるわけではないし、人によって得意不得意も違います。だからこそ、最低限のスタートラインをどこに設定するかとか、どうしたらチームとしてうまく支え合えるかといった部分は、これから調整していく必要があると感じています。
── 自分の案件で粗利が発生した際にはどのように使用していますか?
バイネームでは、案件で出た粗利の一部を自分の裁量で使える仕組みがあるんですが、私はその分をガジェット購入や研修費に充てることが多いですね。仕事の効率アップやスキルアップに使用しています。
それとは別に、業務に必要な機材もこの粗利から購入できるので、自分の作業環境をどんどん最適化できます。「このディスプレイが欲しい」「このツールがあったら効率が上がる」というときに、いちいち会社に確認しなくても、自分で判断して揃えられる。そういうフレキシブルさがすごく心地いいです。
社内外とのコミュニケーションを活発にすれば、リモートでも不自由は感じない
── チームで集まる定例はありますか?
バイネームでは、週に1回、全体での定例ミーティングがあります。主に「MOCK(モック)」という会社が運営しているシーシャバーに関する話をする時間として設けているのですが、会社としての方針や近況を共有する場にもなっていて、フルリモートの中でもチーム感を保つ貴重な時間だと感じています。MOCKには会社として出資もしていて、みんなが関われる“ちょっとユニークな取り組み”として存在しているのも面白いところです。
── 代表の井上さんはどんな人ですか?
井上さんとは前の職場からの付き合いですが、当時と比べると「ずいぶん丸くなったな〜」というのが正直な印象です(笑)。私は年齢も近いですし、意見も言いやすくて、ずっとフラットな関係性です。なにかあれば話を聞いてくれて、その上で会社としてどう判断するかを考えてくれるので、風通しのよさはすごく感じます。柔軟性もあるし、いわゆる「トップダウンで決まる感じ」ではなく、相談しながら一緒に考えてくれるスタンスです。
ただ、人によっては厳しく感じることもあるかもしれません。たとえば言い方のトーンで誤解されることもあると思います。本人は怒っているわけではないのに、受け取る側が「怒られた感」を感じてしまうことがある。私はもう長く一緒にいるので慣れてますが、人によってはそれでちょっと怖がってしまう、なんてこともあるかもしれません。慣れてしまえば大丈夫なんだと思いますが。
SNSや飲みの場で会うと“陽キャっぽい”雰囲気もあるんですが、実際はそんなに陽キャじゃない(笑)。仕事では意外とストイックで、筋が通っていないことにははっきり意見を言うタイプです。
なので、井上さんと一緒に働く上では、言われたことに対して納得いかないことがあれば、ちゃんと自分で聞き返せる人が向いていると思います。一方通行にならず、対話できる人であれば、とても良い関係性を築けるはずです。
── 遠方からのリモートワークはどのように行われていますか?また、リモートだからこそ工夫されていることはありますか?
リモートで不自由を感じることはほとんどありません。特別に工夫していることも、実はそんなにないんですよね。
ただ、あえて言うなら、ミーティングのときに軽く雑談するようには意識しています。リモートだと、相手の人間性が見えにくいまま仕事を進めることになってしまうので、クライアントとの打ち合わせの前後でも少し世間話をしたりすることで、距離を縮めるようにしています。ちょっとした雑談でも、「誰と仕事しているのか」が見えるだけで、全然違うと思うので。
また、なるべく定例ミーティングを設けるようにしています。とくに関係性が浅い段階では、やっぱり話す機会が多いほうが満足度も高くなるので、そこは意識しています。
バイネームの案件は、単発の制作よりも月単位での運用や改善を支援するプロジェクトが多いです。たとえば「月に何時間稼働」というような形で、長期的にPDCAを回していく案件がいくつか並行して動いています。なので、リモートだから特別にやりにくいということはなくて、逆にこのスタイルだからこそ無理なく継続できている部分もあります。
── バイネームはどんな人がマッチすると思いますか?
バイネームに合うのは、自分でキャッチアップできる人だと思います。誰かに「こうすればいいよ」と教えてもらうのを待つというより、自分で調べて、自分で学べる人。いわゆる“自主性”があるタイプですね。受け身で「言われたことだけやります」というスタンスだと、ちょっと厳しいかもしれません。
もちろん、わからないことは聞けばいいし、相談もしていいんです。でも、まずは自分で考えてみることが前提になっている。自分で動いてみて、判断に迷ったときや壁にぶつかったときに「これであってますか?」と聞ける人が理想です。
バイネームは働き方の自由度が高い分、それぞれが自分の仕事に責任を持つ必要があります。クライアントが満足すればOKなので、そこにきちんと向き合えるかどうか。裏を返せば、クライアントにしっかり価値を提供できるなら、やり方は本当に自由です。
なので、たとえばフリーランスで案件獲得や営業に疲れてしまった人なんかには、バイネームの働き方はすごく合うんじゃないかなと思います。裁量はほぼフリーランス並みにあって、だけどチームや会社のサポートがある。その中間くらいのバランス感で仕事ができるのが魅力ですね。
逆に、「全部指示をもらわないと動けない」「正解をもらってからでないと不安」というタイプの方は、たぶんギャップが大きいと思います。自由があるということは、それと同じくらいの責任もあるということ。そのバランスを心地よく感じられる人と、一緒に働きたいです。
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