SOZOWスクールに通うお子さんの成長記録を描いた、SOZOWストーリー。
今回の主人公は、今月末に小中等部を卒業する中3生のむぎたろくん。
約2年間の在籍期間で、彼の人生にはどのような変化があったのでしょうか?
今回は、むぎたろくんにインタビューをさせてもらい、彼のこれまでのライフストーリーを辿っていきました。
音楽と共に歩んだ彼の物語に、ぜひ心を寄せてみてくださいね。
目次
むぎたろの自己紹介🎹
中学受験の挫折。小学生時代のむぎたろ
やりたいことはいっぱいあるのに、できないもどかしさ。葛藤する中学生のむぎたろ
「じゃあ、学校をやめよう」。
SOZOWスクールとの出会い。
SOZOWスクールに入学。好奇心を爆発させる毎日の始まり
活躍のフィールドは実社会へ。YouTubeチャンネル「むぎたろ都庁ピアノ」の幕開け
SOZOWスクール卒業後、羽ばたく世界について。高校以降の話
SOZOWスクールを卒業する今、むぎたろが思うこと
おわりに
むぎたろの自己紹介🎹
年齢:15歳
在籍校: オンラインフリースクール「SOZOWスクール」
趣味・活動:
・音楽をこよなく愛する
・ピアノ演奏や作曲を中心に活動
主な活動内容:
・デイサービスのピアノ演奏:福祉系の施設でピアノ演奏を行い、音楽を通じて人々に喜びを届ける活動。
・コンサート出演:公式コンサートやイベントに出演し、自身の音楽を多くの人々に披露。
・ストリートピアノ:公共の場でピアノを演奏し、通りかかる人々に音楽を提供。
・楽曲の作曲/編曲:自身が作成したピアノアレンジ楽譜を販売。
・コミュニティ活動:メタバースという新しいプラットフォーム上で音楽愛好者同士が集まるコミュニティを作成。
・JAZZセッション修行:ジャズセッションに参加し、他のミュージシャンと共演しながら技術を磨く。
・YouTube: ピアノ演奏や作曲の動画を公開
・X(旧Twitter): 音楽に関する情報や活動報告を行う
・Instagram: 音楽活動の写真や動画をシェア
やってることいっぱい!凄い!
中学受験の挫折。小学生時代のむぎたろ
小1~2の時は勉強が苦手だったというむぎたろ。小3から勉強に目覚め成績が良くなったそうで、小4からクラスで上位の成績を取ることも増えて来たため、中高一貫校へ行きたいと思って中学受験の塾へ通い始めました。
中学受験を志した理由は以下の理由のため。
・音楽に集中したかったから
・高校受験をなくしたかったから
しかし、小6になっても全然勉強に身が入らなかったそうで、受験は失敗してしまったそうです。実は直前まで、ピアノの演奏動画のYouTube(今は黒歴史だそうw)をやってたり、音楽教室の作曲の発表会のための、オーケストラ曲とピアノソロ曲を3曲作ったりしていたそう。
この頃から音楽をやりたいという気持ちを抑えられなかった、むぎたろの情熱が感じられますね。
『中学受験の失敗という経験があったからこそ、いちど音楽の教室を辞めて自分の時間をつくろうという決断ができ、SOZOWスクールに来ることが出来たので、当時のことは後悔していない』と笑いながら話してくれました。
むぎたろがピアノ・音楽教室を始めたのは6歳の頃。両親は音楽をやっている人ではなかったため、音楽の道に入ったのは周りの人より少し遅めだったと言います。
音楽のクラスはむぎたろが1人だけ1学年上だったこともあり、少し作曲など始めるのが早かったそう。その際、「作曲かピアノか一つに決めなさい」と言われ、どちらも続けたかったむぎたろは悩んでいたそう。
さらにはクラシックだけで進路を絞った方が良いというアドバイスも受け、少し窮屈さを感じていました。学校も忙しい中、好きなように音楽もできず、やりたいことが見えなくなった辛い時期だったそうです。
やりたいことはいっぱいあるのに、できないもどかしさ。葛藤する中学生のむぎたろ
負けん気が人一倍強いむぎたろは、中学入学当初、勉強でもクラス1位を目指す位のモチベーションがありましたが、学校の宿題の多さにもどかしさを感じていました。妥協せず一生懸命取り組みたい。だからこそ取り組むのに人より多く時間がかかった。
当時通っていた中学校の入学式にて。
結果として、本来やらなきゃいけないピアノ練習の時間が取れなくなって、作曲や音遊びする時間も全くなかった日々でした。
『ピアノや音楽でプロを目指すためには沢山の努力の時間が必要なのに、1日1時間も練習が出来ず、当時は本当に辛かった』と語ります。
そんなある日、むぎたろはある決断をします。
「じゃあ、学校をやめよう」。
実は中1から不登校になることは、お母さんが自分の様子を察してくれて提案してくれたそう。日々学校とやりたい音楽との間でがんじがらめになっていくむぎたろの不満・ストレスが溜まってることに、気づいてくれたのです。
「お母さんがもし学校に行くことにこだわる人だったら僕の中学校生活終わってたから、マジで感謝してる。」そう笑って教えてくれました。
SOZOWスクールとの出会い。
むぎたろがSOZOWスクールに入ることになったキッカケは、SOZOW代表小助川のプレゼン動画を見て感動したから。
当時むぎたろは「こんな場所があるんだ!」と衝撃を受けたそう。
特に「好きを探究する」という考え方が好きと思ったそうで、その理由を尋ねると「好きを探究しなければ人生意味ないと思ってるから」と語ってくれました。
「好きでもない勉強を毎日させられてて、親に受験をさせられて、給料得られていい会社にいたら成功という古い考え方が今も巷では幅を利かせている。今の時代、色々なことをAIが代わりにやってくれて、今ある職業のかなりが無くなるのに、昔と同じ勉強の仕方ではダメだと思うんです。
僕は、何を弾くかとか何を創るかより、誰が弾くか誰が創るか、が大事だと思う。
好きなことの探究はAIにできない。ピアノ演奏はAIがやっても感動しない。でも、自分の感情や経験が入っていると、みんなが感動してくれるんです。僕は、自分の音楽で誰かに興奮してもらったり感動してもらったり、心が動いて欲しい。表現のためには技巧も必要だけど、技巧を通して表現を感じてほしいんです。」
「僕は勉強は大好きです。でも学校の勉強は嫌い。なぜならみんなのペースに合わせて中途半端にしかできないから。わかりきってることをやるのは嫌なんですよね。僕は一つのことに熱中するの好きで、本当は音楽以外でもやりたいことがいっぱいありました。
中学校に通っていた当時、もっと自由に使える時間がほしかったんです。
たとえば、ゲームもやりたかったし、SDGsや再生可能エネルギーにも興味がありました。本も読みたかったし、深い勉強もしたかった。
学校を辞めて、SOZOWスクールに入ることで生まれた自由な時間を、とにかくやりたいことに取り組む時間に充てました。
でも、全てを一旦リセットしてみて気づいたんです。
『やっぱり僕は音楽がやりたい』と。」
熱のこもった言葉を語るむぎたろ。その後はにかみながら、こんなことも教えてくれました。
「今は毎日とても忙しいです。でも良いストレス。それは本当に嬉しいこと。やりたいことで感じるストレスは喜びなんです。」
SOZOWスクールに入学。好奇心を爆発させる毎日の始まり
2023年の2月にSOZOWスクール入学したむぎたろは、入学当初から水を得た魚のように活動を始めました!SOZOWスクールは、自分でやりたい活動を選べるカリキュラムの自由度の高さが特徴。
むぎたろは、メタライフでの探Q活動、デジタルクリエイティブスキルが学べるライブなどに積極的に参加して、スキルを身につけ仲間との交流を深めていきます。
SOZOWスクールのメタライフで
仲間たちと作曲の探Q活動を行うむぎたろくん。
そんな中、彼が特に熱中して取り組んだ活動が、音楽部「SOZOW MUSIC CLUB(通称SMC)」の立ち上げと運営です。
これまでSOZOWスクールには探Q活動と呼ばれる、スクール生が企画した探究的な活動をみんなで楽しむ活動はありましたが、スクール生が立ち上げるクラブ活動ははじめてのこと。
学校だけでは中々得られない「強い好き」を持った仲間との出会いは、オンラインのSOZOWスクールならでは。
むぎたろは、音楽好きの仲間をどんどん巻き込み、スタッフを頼り、様々な音楽活動に取り組むクラブを成立させました!
🎵SOZOW MUSIC CLUB(通称SMC)での活動🎹
・SMCのみんなで合唱コンクール挑戦
・SMCのみんなで作曲合作(MVなど作成)
などなど
特に印象的なプロジェクトはロゴづくり。作曲したMVなどの作品に入れるロゴがほしいよねと運営メンバーで話した結果、SOZOWスクールで絵を描くのが得意な子たちが集まるチャンネルでロゴ作成を依頼。
「SOZOWらしさ」「SMCらしさ」を言語化し、SOZOW美術部メンバーに依頼し、運営メンバーで何度も投票や話し合いを重ねた結果、このロゴが生まれました。
SMCのロゴ!まるでプロのクオリティ…
こちらは昨年のSOZOWスクール卒業生の作品です。
また、これはSOZOWスクールの作品発表会イベント「シェアパーティ」にSMCとして提出したミュージックビデオ。企画・作曲・作詞・演奏・イラスト・動画編集まで、約10人のスクール生が協力して完成させたものです。
(とんでもないクオリティ…!)
子どもたちがそれぞれの「好き・得意」を活かし合いながら、1つの作品を作り上げるこれらの活動は、まさにSOZOWスクールの「好きで繋がり、実社会に生きる学びを得る」コンセプトを体現する活動です。
また、夏にはSOZOWとテレビ朝日が共催するSOZOW FESというイベントにて、プレゼン大会(好き活プレゼン)に参加することに。
見事審査を勝ち抜き、当日の現場に臨むむぎたろはトップバッター。自分の音楽への熱い想いと夢を語る姿はとても印象的でした。
SOZOWフェスのページに
掲載されていたむぎたろ。
こちらでむぎたろの当日のプレゼンを見ることが出来ます!
ぜひ想い溢れるプレゼンをご覧ください。
このプレゼンをキッカケに、むぎたろの好奇心の解放は加速し、SOZOWスクール内での活動から、活躍の場は外の世界へと開いていきます。
SOZOWスクールという「自由度高く、やりたいように過ごせる環境」はむぎたろにとっては助走期間のような場所で、そこでの成功体験をベースにより本格的な社会に踏み出す準備をしていたように感じています。
活躍のフィールドは実社会へ。YouTubeチャンネル「むぎたろ都庁ピアノ」の幕開け
むぎたろは、SOZOWスクールで学んだ動画編集などの知識をもとに、YouTube チャンネル「むぎたろ都庁ピアノ」の運営を開始します。
都庁ピアノで曲を奏でるむぎたろ。
曲名は「君の瞳に恋してる」。
このチャンネルは、都庁おもいでピアノでの演奏動画をメインとしたストリートピアノでの幅広いジャンルのピアノ演奏動画を週1回ペースで投稿するもの。演奏曲をアレンジしたり楽譜販売まで行ったりと、内容は多岐に渡ります。
Mugitaro@StreetPianoA versatile musician dedicated to transcending genres. He begwww.youtube.com
他にも昔の日本の曲をメインの宅録演奏動画を投稿してるチャンネルや作曲チャンネルも運営したりと、どんどんチャレンジを進めていきます。
それ以外に、むぎたろがこの時期から取り組み始めた活動は以下の通り。
・デイサービスでのボランティア訪問演奏。はじめの1年は月1のペース。手が腱鞘炎になったり忙しくなったため今は2~3ヶ月に1度のペースに落とさせてもらってる。
・楽譜販売。YouTubeに投稿した演奏動画は全て自分のアレンジだからそれを楽譜に起こして販売してる。
・Robloxにてコンサートホールや音楽アスレチック建設(SOZOWプレゼン大会を通じてロブロックスのプログラミングの凄い人に教えていただいた。まじで感謝)。
・作編曲依頼受注。モコアースのテーマ曲やSOZOWのジングル・ロゴ曲、妖怪博士ちゃんの個展のBGMなど
・演奏依頼受注。スイス大使館にて演奏したり昔お世話になった近所の音楽教室の発表会にゲスト演奏など
・市のサロンコンサートの実行委員・司会。
・コンクール挑戦。
・JAZZのジャムセッション修行。
「あれ、いつの間に社会人になってたの??」とひじは驚きました。笑
本当にものすごいエネルギーと活動量!!
デイサービスでのボランティア訪問演奏の様子。
なんと司会まで務めているとのこと。
SOZOWスクール卒業後、羽ばたく世界について。高校以降の話
もともと、不登校になる前から選択肢の一つとして通信制高校に行くのもありだと思ってたと語るむぎたろ。
高卒認定だけ早くとって、浮いた時間を音楽や大学のための勉強にしてもいいと思ったけど、奨学金に挑戦して留学もしたいし(高校在籍が奨学金応募の条件)、高卒認定を今の活動を続けながら自分で全て計画してとるのに多少不安があったので高校は通信制にしたそう。できるだけオンラインで完結し自分の音活時間を減らさずに済むような高校を選んだとのことです。
それでも今までよりは高校の勉強時間が増えるから、今の活動の何を減らすか検討中(YouTube週一投稿を二週に一回だけにするとかSNS投稿頻度を減らすとか)。まずは高校生活でどんな変化があるか様子見をするそう。
今ボランティアさせてもらっているデイサービスだけでなく、他のデイサービスや保育園などにも訪問したい。無料でピアノや作曲を教える講座を開いてみようかと検討中。更に別のYouTubeチャンネルも開設準備中だと、ワクワクしながら未来を語ってくれました。
スイス大使館での演奏の様子。
今後もどんどん挑戦していくむぎたろ!!
SOZOWスクールを卒業する今、むぎたろが思うこと
インタビューの最後に、SOZOWスクールにまだ出会う前の人に届けたいメッセージを、むぎたろからもらいました。
不登校になるかどうか、迷っているあなたへ。
どうか、勇気を出して一歩踏み出してほしいです。
僕も同じように、何度も悩み、何度も迷いました。
不登校になることにはすごく大きいハードルがあります。
でも、勇気を出して決断したその瞬間から、僕の人生は大きく変わりました。
人生は、誰かのものじゃないんです。
あなたの人生は、あなた自身のものです。
自分の心に正直に、勇気を出して自分の人生を変えてください。
むぎたろ自身の心から紡がれる本音の言葉に、僕自身とても胸を打たれました。最後に、SOZOWスクール正式開校の際に、メッセージをくれた中学2年生の頃のむぎたろの映像も。ぜひご覧ください。
おわりに
いかがだったでしょうか。
今回は、本人へのインタビューをもとに、SOZOWスクールで2年間を過ごした中3生の成長・変容過程を振り返ってみました。
自分の可能性が最大限に開花する環境を自ら選び取ったむぎたろの、「好奇心」溢れた成長の軌跡がこの文章を通じて少しでも伝われば嬉しいです。