■プロフィール
三木 佑太
2010年に新卒でサイバーエージェントに入社後、サイバー・バズへと出向。2016年に執行役員、
2019年に取締役へ就任。
まだまだ広がっていくソーシャルメディアマーケティング市場
-ソーシャルメディアマーケティングの現状について教えてください
まだまだ広がっていくと思っています。今までのような20〜30代の女性をメインターゲットとしている大手化粧品メーカーだけではなく、食品・飲料業界はもちろん、金融、教育、通信キャリアとかに広がってきているので、規模感は拡大していくと思います。
またそれは生活者がソーシャルメディアと切っても切り離せない関係を構築しているからだと思います。
一方でプランニングは難しくなると思います。ソーシャルメディアの使い方が複雑化しており、1つのプラットフォームだけではなく様々なプラットフォームで様々なクリエイティブフォーマットでコミュニケーションが発生しているので、これを設計する側の難易度はあがっています。市場としては大きくなることで、より専門的な知識が求められると思います。
-サイバー・バズの強みはどこにありますか?
ソーシャルメディアマーケティングにおける網羅性です。
単一プラットフォームや、単一施策のご提案ではなく、生活者の課題からプランニングをおこなっています。またプランニングを行う際に、生活者の口コミ調査をしたり、ターゲットの定性調査をしたり分析を重要視しています。
あくまでソーシャルメディアは手段になるので、生活者の課題解決という点を念頭に置いています。TikTokを活用した施策などプラットフォームを起点としたマーケティング手段の方が少し前まで多かったですが、よりソーシャルメディア全体を活用した生活者の課題解決というテーマになってきていると思います。
-他のデジタル専業代理店とはどこが異なるのでしょうか?
主戦場が違うと思っています。各社ごとに特徴があり、SEMやSEOを中心とする企業と比較すると、そこまで競合ではないと思っています。恐らく生活者という観点で分析が異なるのと、顕在化している生活者に対するアプローチと潜在的なアプローチに気づきを与えることを主戦場にしているなどアプローチ方法に違いがあると思います。
また広告会社とはアイデアの方向性も少し異なっているかもしれません。
左脳、右脳みたいな話はよくありますが、どちらかというとデジタル専業代理店の提案はロジカルであり左脳より、バズの提案はエモくて右脳よりかもしれません。
デジタル=数字でありながら、ソーシャルメディアは
エモさも大事
-エモさはクライアントに理解してもらうのが難しいと思いますが
ソーシャルメディアはそもそも感情的なプラットフォームだと思うので、ロジカルに何かを考えるというよりは直観的にこれが良いやこれが良くないという判断が起こっていると思います。何かを調べるときもスペックよりも見た目や他の人がどう感じているかなどの要素から判断されることが多いので、クライアントさんでも普段から使っている方だと理解が早い印象です。
例えば水を買うのに成分などを見るのではなく。特定のブランドだから買うということがあると思いますが、ロジックというよりはブランドに対する好意度が高いのかと思います。
それを言い換えるとエモみたいになるイメージです。
その人が潜在的に欲しいと思っているものとの出会いを創ること、出会った時に魅力が伝わるかというマッチングのお手伝いをしているので、エモの部分は重要かと思います。
-サイバー・バズが目指す方向性を教えてください。
インフルエンサーやアカウントなど多くの手段を活用しているサイバー・バズだからできるソーシャルメディアのハック、各プラットフォームのアルゴリズム、データなどを駆使しながらも生活者に寄り添ったエモいアイデアを提供することで、企業のブランド、商品の価値を最大化できればと思っています。
-競合企業として意識している企業はありますか?
あんまりないですね。競合として特定の企業はイメージしてないですが、似たような企業が増えることはネガティブではないです。マーケティング予算のうちSNSに使われるのがまだ5割を切っています。利用者と滞在時間で見たら圧倒的にテレビよりも大きいのに、テレビより予算低いって不思議な話だなと思っているので、似たような会社が増えることで市場全体を伸ばしていけるといいなと思っています。
実際企業側の変化も感じており、デジタルのおまけ的な立ち位置だったソーシャルメディアですが、独立したコンペが開かれることも増えてきています。
正解を探す、難しい仕事
-採用でみているポイントを教えてください
変化が好きな人です。あと努力ができる才能があって、困難なことにぶつかったときに無理だと思わない人ですかね。
サイバー・バズの仕事、ソーシャルメディアを活用した正解がない仕事だと思っています。SEM(検索エンジンマーケティング)などはある程度シミュレーションが立てれる部分もあるとは思いますが、ソーシャルメディアにはあまりそういったシミュレーションがありません。答えがないものを提案したり考えるのは苦しい時も多くありますが、新しい何かを生み出す楽しさもあります。正解がないことと向き合うのが好きな人が向いていると思います。これからもっとサイバー・バズが求められる仕事の難易度はあがってくると思うので、専門性をより高めながらも、事例のない新しいチャレンジをみんなでできればと思っています。
-今後の会社の方向性を教えてください
SMM(ソーシャルメディアマーケティング)事業部としては市場を作り続けて、圧倒的No.1になっていくということと、広告市場ではまだソーシャルメディアの価値が認められていないと思っているので、ソーシャルメディアの価値を向上し続けることがミッションになると思いますね。
会社全体としては”コミュニケーションを価値に変える”※1と言っているので、新しいことにもどんどんチャレンジしていきたいです。それはソーシャルメディアの中かもしれないですし、NCU※2がやっているようなこともあるかもしれないですけど、またここ5年、10年でガラッと世の中変わると思うので、その時に新しい価値を生み出したいと思っています。
※1 サイバー・バズのビジョン ”コミュニケーションを価値に変え、世の中を変える”
※2 2023年10月に新規事業創出の専門組織「NCU(Next Core Unit)」を新設
インタビューを通じてソーシャルメディアマーケティングの市場の広がりを改めて感じました。市場が広がっているからこそ様々な提案や企画が求められるようになってくるので、難しさを感じつつも新しく作れる楽しみもあるのだなと思いました。またデジタルという括りの中でもSNSの独自性なども感じることができ、人の情感に訴える仕事をしたい!という方にオススメだと思いました!
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