Jiteraは、「『創る』の次の時代を創る」をミッションに、AIを活用したコンテキストプラットフォーム『Jitera』を提供するスタートアップです。世界中の優秀なエンジニアと最新のAI技術を組み合わせ、これまでの開発プロセスを根本から変えようとしています。
この記事は、Jiteraへの転職を検討している方向けの社員インタビューです。Jiteraとはどんな会社なのか、どんな人が働いているのか。なぜJiteraへの入社を決め、現在はどのような仕事をしているのか。選考を受ける前にJiteraのこと、業務のこと、そしてそこで働く人々のことを知ってもらいたいという想いのもと、このインタビューを公開しています。選考前にぜひご一読ください。
PROFILE
甲斐 啓真(Keima Kai)/ CPO (Chief Product Officer)
Web制作プラットフォーム「Studio」創業者。デザイナーとエンジニア双方のバックグラウンドを持ち、2016年頃からクリエイティブ領域におけるAIの可能性に着目し2024年にJiteraへ入社。現在はCPOとしてプロダクト開発を牽引。グローバルなチームと共に、「大きく考え、小さく作る」を哲学に世界基準のプロダクト創出に挑む中心人物。
── まず初めに、これまでのキャリアと、なぜJiteraを選んだのかを教えてください。前職では「Studio」を創業され、日本国内では確固たる地位を築かれていましたよね。
甲斐: そうですね。Studioは7年ほどやっていました。もともと私自身がデザイナーでありエンジニアでもあったので、「デザインしてからコードを書く」という二度手間がシンプルに面倒くさかったんです。「これ、二個同じものを作ってるな」と。それを一本化したくて作ったプロダクトで、日本市場ではある程度評価をいただけました。
ただ、創業した2016年頃から、実は「AIが来る」という強い感覚を持っていたんです。
── 2016年というと、今の生成AIブームよりもだいぶ前ですね。
甲斐: ええ。きっかけは「AlphaGo(アルファ碁)」です。AIが囲碁の世界チャンピオンを倒したニュース、覚えていますか? あれが私にとっては衝撃的で。
実は私の両親は囲碁をやっていて、私自身も幼少期はプロ棋士を目指して育てられたんです。「啓真(けいま)」という名前も、囲碁の「ケイマ」から来ています。囲碁という複雑な領域でAIが人間を超えた。それを見た時に「これができるなら、デザインもプログラミングもAIができるようになる。シンギュラリティは現実的に来る」と確信しました。
StudioでもAIへの挑戦を含め、グローバル展開に向けた様々な取り組みを行ってきました。おかげさまで日本市場では多くのユーザーに支持されるプロダクトに育ちましたが、グローバル市場でトップシェアを獲るという点では、非常に困難な状況でした。そこで、私が目指す山を登り切るために、戦うフィールドを変える決断をしたのです。
そんな時に出会ったのがJiteraでした。「ソフトウェア開発のプロセスを改善する」という課題感が一致しており、かつ、これからのAI時代に本気で世界を狙える場所だと感じたんです。
「Appleの時価総額の10倍」を目指す。カオスで最強なチーム
── Jiteraへの参画の決め手は、プロダクト以外にもありましたか?
甲斐: 経営陣のバランスと、目指す山の高さですね。 実は代表の栁澤とは大学時代の同級生で、研究室も一緒だったんです。彼はリクルートを経て起業しましたが、昔からとにかく「勢いで道を切り開く」タイプ。 対してCOOの沼田は非常に丁寧で、守りを固めながら緻密に考えられるタイプ。
性格は真逆ですが、お互いをリスペクトし合っていて、思ったことを言い合える関係性です。トップが二人ともイケイケだと会社は破綻しますし、二人とも慎重すぎても進まない。この二人なら、スタートアップとして成功する重要なバランスを持っていると感じました。
そして何より、彼らはビジョンが天井知らずなんです。 最近「目標を定めよう」と話した時、彼らが真顔で「Appleの時価総額の10倍の会社を作るんだ」と言い出したんですよ。
── 3,000兆円規模ですね(笑)。それはまた大きく出ましたね。
甲斐: 「なるほど、大きく出たな」と(笑)。でも、会社というのはリーダーが描くビジョンの大きさまでしか成長できません。 それに加えて、Jiteraのチームは面白い。世界各地から才能を持ったメンバーが集まっていて、個性豊かなエンジニアが集まり動物園と揶揄されていた創業期のStudioよりも更に多様な個性とカオスが入り混じった、刺激的な環境です(笑)。でも、そんな中で、喧嘩もしながら一つの高い目標に向かっている。この「チームとしての面白さ」と「ビジョンの大きさ」に惹かれました。
ドキュメントにはない「暗黙知」をAIに宿らせる
── 現在、JiteraはAIを活用した開発自動化に注力しています。GitHub Copilotなど競合も多い領域ですが、Jiteraはどこで勝負しようとしているのでしょうか?
甲斐: 私たちは今、あえて世界中の企業が参入したがる、将来確実に「レッドオーシャン」になる領域に飛び込もうとしています。 既存の多くのツールは、エンジニアがコードを書くのを助ける「補助輪」のような存在です。しかしJiteraが着目したのは、コードそのものではなく「ドキュメンテーション」と「コンテキスト(暗黙知)」です。
── 「コンテキスト」ですか。
甲斐: ええ。Jiteraはもともと日本のSIerさんなどを顧客に、現場で使われながら育ってきました。日本の開発現場は、海外に比べてドキュメントを非常に重視します。しかし、やっていくうちに「ドキュメントだけでは足りない」ということに気づいたんです。
「あの仕様の背景はAさんが知っている」「この文書は実は古い」「Bさんはこういう役割の人だ」といった、現場の人間の頭の中にしかない情報。これをJiteraでは「コンテキスト(暗黙知)」と呼んでいます。 ドキュメントという「形式知」だけでなく、この「暗黙知」をいかにAIが扱えるようにするかが、勝負の分かれ目になります。
── 具体的には、どうやってその「暗黙知」をAIに持たせるのですか?
甲斐: 「AIエージェントを育て、役割を持たせる」というアプローチです。 人間同士の仕事の引き継ぎを想像してください。「Aさんができる仕事をBさんに引き継ぐ」とき、マニュアルを渡すだけでは不十分ですよね。会話を通じて、「良し悪しの判断基準」や「コツ」といったコンテキストを伝えていくはずです。
Jiteraのプラットフォームでも同じことをします。 例えば、「PR記事の良し悪しを判断できる」というコンテキストを持ったAIエージェントを作る。会話を通じてエージェントを「育てて」いくんです。一度育ってしまえば、AIは人間と違って24時間365日、疲れずに働き続けられます。
「ドキュメント(形式知)」、「育つAIエージェント(コンテキスト)」、そして「人間」。この三者がチームとして機能するプラットフォームを作ろうとしています。
── そのプラットフォームが完成した時、私たちの働き方はどう変わるのでしょうか?
甲斐: 今の世の中のAI活用は、例えるなら「電動自転車」のようなものです。 みんなで自転車を漕いでいて、AIというモーターがついたおかげで少し楽になったり、速くなったりしている。でも結局、人間が必死に足を回さないといけないし、人間の脚力がボトルネックになってしまいます。
私たちが目指すのは、それを「自動車」に変えること。 「もうAIに走ってもらおうよ」ということです。実務という「走行」はAIエージェントに任せて爆速で走らせる。人間はハンドルを握り、行き先を決め、判断することに集中する。
「一生懸命働く」ことから「判断し、意思を伝える」ことへ。Jiteraは、人間の働き方の構造そのものを変えようとしています。
JiteraのCPOが説く「1ピクセルの重み」と「最適解」
── 非常に未来的な構想ですが、足元のプロダクト開発において、CPOとしてこだわっている点はどこですか?
甲斐: 「大きく考えて、小さく作る(Think Big, Build Small)」ということです。 Appleの10倍という途方もないゴール(Think Big)があるからこそ、手元の1ピクセル、1行のコード(Build Small)には徹底的にこだわります。
メンバーにはよく「線が1ピクセルずれている」「文字サイズが違う」と指摘するんですが、これは「ちょっとしたミス」ではありません。「間違い」なんです。
── かなり厳しいですね。そこにはやはり、囲碁の経験が生きているのでしょうか?
甲斐: そうですね。囲碁の世界では、トッププロになればなるほど「いかにミスをしないか」の勝負になります。全ての手において最適解を選び続けなければならない。たった1手の緩み、1手のズレが、最終的には敗北につながります。
プロダクト開発も同じです。 「1ピクセルぐらい良いだろう」という妥協は、最適解からの「ズレ」です。世界一を目指すなら、日々の小さなアウトプットにおいて「最適解」を出し続けなければならない。 一番ミスをしなかったチーム、一番妥協しなかったチームが、最終的に勝つと信じています。
求む、「尖ったコンテキスト」を持つ人
── 最後に、この記事を読んでいる未来の仲間に向けてメッセージをお願いします。どのような方と一緒に働きたいですか?
甲斐: まず大前提として、この大きなチャレンジにワクワクできる人ですね。「無理だ」と諦めるのではなく、「どうやったらできるか」を楽しめる人。
そしてもう一つ重要なのが、「尖ったコンテキストを持っている人」です。
── 「尖ったコンテキスト」とは?
甲斐: LLM(大規模言語モデル)は、インターネット上の膨大なデータを学習していますが、基本的には「平均化された優等生」です。何でも知っているけれど、特徴がない。 だからこそ、AIと協働するこれからの時代には、現場で人間にしか出せない「色」が必要になります。
幅広く浅い知識よりも、特定の領域における深い知見。 独自の成功体験、あるいは泥臭い苦労を経て得た視点。 そういった「その人だけの尖ったコンテキスト」こそが、AIには代替できない人間の価値になります。
平均的なことはAIがやってくれます。だからこそ、私たち人間はもっと尖っていい。 LLMからは程遠い、人間味あふれる「偏愛」や「こだわり」を持った方と、世界一の景色を見に行きたいですね。