AIは教育でどう使える? デザインしてみた #1-ジャイロの取り組み紹介 | 株式会社ジャイロ
こんにちは!株式会社ジャイロです!前回の記事では社内で最近のAI活用事例がUXや教育とどう絡められそうかというテーマでブレストを行い、その中で出てきた、「これはおもしろいかも」となった既存サービ...
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こんにちは!株式会社ジャイロです。
このシリーズでは、「AI × 教育」のさまざまな活用アイデアを、UXの視点からデザインし、ご紹介しています。
第2回目となる今回は、「専門知識がなくても一人で学べる」スマートミラー体験のUIサンプルをご紹介します。
前回の記事はこちら↓
スマートミラーの定義について、
「スマホのようにタッチ操作が可能な等身大から半等身サイズの鏡のこと。カメラやセンサーのついた基盤に特殊な鏡を貼り合わせてつくられたIoT機器である。アプリが既に搭載されているタイプと、サービスに応じアプリをつくってシステムに組み込むタイプがある。」
NIKKEI COMPASS
https://www.nikkei.com/compass/theme/69141
すなわち、スマートミラーはただ全身を写す鏡ではなく、ディスプレイ機能が備わっており、スマホやパソコンのようにインタラクティブな操作ができるということですね。
また、以下の事例から、美容・アパレル・フィットネス・小売などさまざまな業界で活用が進んでいることが見受けられます。
• 自宅でのヨガやトレーニングの支援
• 店舗でのメイク、洋服の試供・試着体験
https://smartmirror.geeklabs.co.jp/
• 美容院での髪型提案シミュレーション
こうしたスマートミラーの利点は、ユーザーの好みや行動をデータとして収集し、体験をパーソナライズできる点にあると私たちは考えました。
今回ご紹介するのは、
「着物の着付けを自分で体験してみたい!」という外国人観光客の方に向けた、スマートミラーを活用した体験支援UIのサンプル案です。
着物の着付けは、帯の締め方や手順が複雑で、初めての人にとってはなかなかハードルが高いもの。
そこでAIを搭載したスマートミラーを活用し、以下のような機能を表現することで、文化体験と教育を両立するコンテンツとしてまとめました。
旅行中の観光客の目線で考えると、次の予定の時間を気にすることが想定されます。そのため、この体験にどれくらい時間を要するか、進行状況と時間配分を把握できるようにしました。例えば、全体の工程に対する現在のステップ位置を示す進捗バーと、現在の工程の所要時間の表示です。
ユーザーが両手を使って作業している状況を想定し、音声入力のインターフェースを表現しました。
これにより、両手がふさがっていてもハンズフリーで操作や質問が可能となり、作業中でもスムーズなナビゲーションが実現します。
AやBといった図解ラベルで伝え、正しい帯締め位置や動作を指導します。
鏡の上部にある「Tie up a sash (Obijime)」という文字の指示だけでは理解しづらい部分を、静止画や動画を使うことで、視覚的理解を促進します。
なお、着物部分を隠さないようにするため、今回はタブを使用して配置しました。
帯部分に表示される矢印は、ユーザーの動きに連動します。引く方向や力の加減を視覚的に示すことで、正確な動作をサポートします。
作業中、AIがリアルタイムで「もう少し引いて」などのアドバイスを提供します。これらのアドバイスは警告色で表示され、ユーザーの注意を引きます。アドバイスがクリアされると、「Next」ボタンがアクティブになり、次のステップへ進むことができます。
これらの機能があることで、着付けの知識がなくても、一人で体験を進めながら、自然と動作や文化の意味を身につけることができます。
しかも、自分の手で着付けをしているので、もし街中で着崩れても、ちょっとした直しが自分でできるかもしれません。「せっかくのフォトスポットなのに、着崩れて写真が台なし…!」なんて心配も、少し減るかもしれませんね。
スマートミラーのUI設計は、直感的な操作性と多層的な情報提供を両立することが求められます。今回の着付け体験用スマートミラーでは、以下のような点を考慮して設計しました。
今回のサンプル案について、ChatGPTにUIUXの観点を踏まえて評価してもらい、改善点を2つ挙げてもらいました。
このように、スマートミラーのUIは「体験しながら学ぶ」場面において極めて有効ですが、学習者の視点での誤操作や負担の最小化という点では引き続き工夫が必要です。そして、今後の展開案では多言語に対応する音声切り替えが考えられるため、音声入力のUIUXは特に力を入れて検討したいと思いました。
ただ、今回のサンプルのようにな設計事例は、今後の文化教育や観光支援においても大きなヒントとなるでしょう。
スマートミラー市場は、2024年に1.8億米ドルと評価され、2025年には2億米ドル、2034年には203億米ドルに達すると予測されています。
この急成長の背景には、家庭・医療・観光といった複数分野への応用が進んでいることが挙げられると思います。
2. 着付け文化を支える構造が変化しつつある
文化庁の調査では、着付け教室や着付け師の数は減少傾向にあることが示されています。
(出典:文化庁「生活文化に関する調査報告」2021年版)
これはコロナ禍の影響も背景にあるのではないかと想定されますが、
“自分で文化体験できる手段”への需要が高まっているとも解釈できます。
3. 「文化体験のデジタル化」施策との親和性
観光庁の調査によると、2024年度から「着付け」「茶道」「華道」などの伝統文化をXRやAIでセルフ体験できる環境整備を支援しています。
(出典:観光庁 文化体験のデジタル活用施策)
今回のスマートミラーも、この方向性と完全に合致しており、外国人観光客向けの教育コンテンツとして期待できますね!
4. 観光施設での導入事例も登場
実際に、観光施設や宿泊施設では、スマートミラーを活用した観光案内としての導入が検討されています。
(出典:PR TIMES)
教育用途に限定せず、観光体験と一体化する形での普及が進んでいるようです。
このような一連の情報からも、
文化教育の継承、観光体験の向上を目的とする手段として
スマートミラーの利用が考えられるでしょう。
ここまでお読みいただきありがとうございました!
「体験しながら学ぶ」
「ひとりでも学べる」
「言語を超えて学べる」
ーそんな教育のあり方が、今まさに現実になりつつあります。
文化体験という身近なテーマから、AI × 教育の可能性を広げてみませんか?
このスマートミラーの提案が、新たな発想の種となれば幸いです。
弊社は、こうした教育や日常の体験にAIがどう寄り添うかを想像し、
AIを活用してどうすれば体験価値が上がるか、
企画や構成の段階からご提案していくことを得意としています。
この着付け体験ができるスマートミラーについて、もし実現化をしたいという方がいらっしゃいましたら、もし実現化をしたいという方がいらっしゃいましたら、是非ジャイロもUXデザインにおいてご協力できればと思います!
その他にも「これ、AIで何かできるかも?」と思いついた方はぜひ一度お話しましょう!
次回もAI × 教育のサンプル案について紹介予定です!