儀間匠さん
大学院で経済学とデータサイエンスを学び、「データ」と「コンサルティング」の両方に軸足を置いて就活をしていた儀間さん。現在は、大手通信会社のDXプロジェクトに参画し、営業現場が使うダッシュボードの検証・運用を担っています。入社理由から現在の業務、そこでの失敗と成長、今後のキャリアの描き方、就活生へのメッセージまでお話を伺いました。
入社の決め手は「率直な対話」と「波長の合う人がいること」
ー 大学院ではどのようなことを学ばれていたのですか?
大学院では経済学研究科で、統計やデータ分析を含む領域を専攻していました。もともとデータサイエンスとコンサルティングの両方に興味があって、「データを使ってビジネスの意思決定を支える仕事がしたい」と考えていたんです。
ー 最終的に「D5Cで働こう」と決めた理由は何だったのでしょう?
一番大きかったのは面接で話した方の「率直さ」です。こちらの質問に対して言葉を濁さず、端的に話をされる方ばかりでそういう人が上のポジションにいる会社なら、自分も働きやすそうだなと思えたことが決め手でした。会社の規模感よりも、「どんな人と働くか」で入社を決めた感覚に近いですね。
大手通信会社のDXプロジェクトで、ダッシュボードの「最後の砦」を担当
ー 現在はどのようなプロジェクトに参画されていますか?
大手通信会社のDX推進部門にて営業DXプロジェクトに参画しています。簡単にいうと、営業現場の方々が日々の数字を確認するためのダッシュボードを運用するプロジェクトです。新規回線数・機種変更数などの営業指標、店舗ごとの実績と目標、プラン別・年齢層別の傾向といったデータが可視化されています。
ー 儀間さんが担当しているのは、どの部分なのでしょう?
ダッシュボードの「検証」と「運用」です。ダッシュボードに表示されている数字が、元データから正しく計算されているかの検証し、新しい指標やプラン追加時のテスト、定常的な数値チェックなど、「この数字を営業現場に見せて問題ないか?」を確認する、いわば“最後の砦”のような工程を担当しています。社内のチームは8名ほどで、そのうち検証パートは2〜3名。上長となるメンバーと一緒に、新しく追加される指標のテストや、既存ダッシュボードの数値チェックを進めています。
「何をやるか」書き出さずに始めて、大きくつまずいた
ー 印象に残っている「大変だった経験」はありますか?
依頼に対する見込みの立て方が甘くて、締切ギリギリになってしまったことがありました。何のデータをどこから取るのか、どの指標をどう組み合わせるのか、どこまでチェックすべきかといった「やるべきことの洗い出し」をちゃんとできていなかった。結果として「思った以上にやることが多かった」ことに途中で気づき、夜まで残ってなんとか間に合わせたのです。
「段取り不足」と「確認不足」を痛感しましたね。必要な作業の分解をしないまま動き始めてしまったこと、依頼の意図が本当にそれで合っているかchatなどで言語化して確認しなかったことなどが重なって、「そもそもゴールの認識が揃っていなかった」という状態だったと思います。
仕事は「段取りで決まる」。ゴールと手順を最初に描いてから動く
ー そこから、どのような変化がありましたか?
まずは「確認」と「記録」をセットにすることから始めました。口頭で依頼された内容も、チャットで「こういう理解で合っていますか?」と文章にして確認し、返信いただいた内容と合わせて後から見返せるように記録しています。まだ始めたばかりですが、不安が減り、安心して作業に入れます。もう一つは「段取りしてから動く」ことです。まず、最終的に出したいアウトプットの形をざっくり決め、そのために必要なデータ・ツール・確認先を書き出し、手順を並べて「どこで詰まりそうか」を事前にイメージするのです。以前はデータとツールさえ揃えば、そのまま作業に突入していたのですが、今は必ずこのプロセスを挟むようにしています。
ー 学生時代のアルバイトとの違いも感じますか?
アルバイト時代は塾講師をしていて、日々決められたプリントを元に授業を担当し、カリキュラムなどの「段取り」を自分で組む必要はありませんでした。一方で今の仕事では「どう段取りするか」で結果が大きく変わってくる世界です。研修で先輩社員が話していた「仕事はほぼ段取りで決まる」という言葉の意味を、現場に出てから実感するようになりました。
フラットな人間関係と、資格手当が背中を押してくれる環境
ー 働く環境として、D5Cをどう感じていますか?
まず驚いたのが、上司の方でも新卒の私たちに対して「さん付け」で接してくれることでした。ミスをしても「じゃあ次はどう改善していこうか」と一緒に考えていただけるスタンスで対話をされます。また、業務が始まる前の朝の時間を使って、今日やることの確認、詰まりそうなところのすり合わせを一緒に行っており、ちゃんと面倒を見てもらえている安心感がありますね。
ー 制度面で何か感じていることは?
資格取得支援制度はかなりありがたいです。統計検定 準1級、Pythonエンジニア認定基礎試験などを取得していて、今後はデータ分析試験にも挑戦するつもりです。「せっかくなら取ってみよう」と挑戦しやすい環境だと思います。同期社員の間でも、資格勉強の情報交換や試験対策といった会話をしながら、良い意味で刺激を受けています。
ー 今後の目標を教えてください。
短期的には、今担当している「テスト工程」をもっと深く理解し、プロジェクト全体の流れをつかみたいと思っています。ダッシュボードの数値検証を通じて、営業現場で使われているデータの意味や、KPI設計の考え方をもっと深堀りしていきたいです。先の目標としては、どんな指標があれば営業の意思決定がしやすくなるのか、どのようにダッシュボードを設計すべきかといった「要件定義」のフェーズにも関わっていきたいです。今は土台となるデータを正しく出す工程を担当していますが、将来的には「どんなアウトプットを作るか」から設計できる人材になれたらいいなと思っています。
就活生へのメッセージ:「多くの人と話して比較してほしい」
ー 最後に、就職活動中の学生にメッセージをお願いします。
その会社の人とたくさん話す、どんな雰囲気の人が多いのかを自分の目で確かめる、他の志望先とも比較して、本当に自分に合うかを考えるというプロセスを最後の最後までやってほしいです。人を見るポイントは、あまり難しく考えずに「一緒にいてどう感じるか」という直感でも良いと思っています。そのときに「どこで、誰と働きたいか」を軸に選ぶと、入社後の満足度は高くなるはずです。就活中は大変なことも多いと思いますが、ぜひいろいろな会社の人と話して、自分の感覚を信じて選んでみてください。