職場で、「この人、いつも仕事をさらっと終わらせるな」と思う相手はいないでしょうか。会議の進行や現場との調整、お客様の急なトラブル対応まで、周りが大変そうだと感じることでも、サラっと進めている人はいます。見ている側からすると、あまり苦労していないようにも見えるので、「その仕事って実はそこまで難しくないのかも」と思ってしまうことがあります。
簡単そうに見えるのは、簡単だからではない
でも実際には、簡単そうに見える仕事ほど、その人なりの工夫や経験が詰まっていることが多いものです。何を先に進めるか、どこで確認を入れるか、相手にどう伝えるか。そうした細かな判断が自然にできるのは、これまで積み重ねてきた経験があるからです。本人にとっては当たり前になっていても、そこにたどり着くまでには何度も試行錯誤があったはずです。
上司と部下で見え方が違うこともある
この“簡単そうに見える”という感覚は、上司と部下の間でも起こりやすいと思います。上司にとっては慣れている仕事でも、部下にとってはまだ難しく、何から手をつけていいか分からないことがあります。そこで「これくらいすぐできるよね」と受け取られてしまうと、部下は焦ってしまいます。だからこそ上司には、自分がどんな順番で考えているのか、どこを気にしているのかを、できるだけ言葉にして伝える姿勢が大切です。
一方で部下の側も、「あの人はできる人だから」で終わらせてしまうのはもったいないように思います。なぜその人はサラっとできているのか、どんな準備をしているのかに目を向けると、仕事のヒントは意外とたくさんあります。表に出ている結果だけでなく、その進め方を見てみると、自分の仕事にも取り入れられることが見つかるはずです。
本当に見るべきなのは“積み重ね”
仕事が簡単そうに見える人は、簡単な仕事をしているのではなく、これまでの経験から、難しいことも整理して進められる人なのだと思います。そう考えると、職場で見るべきなのは、その人がどんな経験を重ね、どんな工夫をしているかです。見えない努力に目を向けることが、相手への理解にも、自分の成長にもつながっていくのではないでしょうか。