NINAEは、2026年10月に「Low Code」から社名を変更しました。
新しい名前に込めた思いや、これから目指す事業については、代表・文山の言葉を中心に、これまでの記事でもお届けしています。
■社名変更の背景について:「Copilotの定着化」で知られ始めた僕たちが、いま社名を変える理由。|ぶんやす 株式会社NINAE代表
■NINAEがこれから目指す事業について:AIの会社なのに、システム開発もプロダクトもつくらない。上流コンサルもしない僕たちが、なぜ創業3年で売上10億を超えたのか|NINAE
今回は、NINAEの未来を一緒につくっている取締役・青木とともに、二人のこれまでと、これからをお届けします。
NINAEをともにつくる、青木のプロフィール
今では、「相方」という言葉で互いの関係を語る二人。
しかし、創業してしばらくは、二人でご飯に行くことも、二人だけで写真を撮ることもほとんどなかったといいます。
そんな二人が、なぜ今、「相方」と呼べる関係になったのか。
一緒に会社をつくる中で、どのように代表とナンバー2としての関係を築いてきたのか。そして、会社が大きくなっていく中で、二人自身はこれからどう変わろうとしているのか。
今回は、これまで表で自身の思いを語る機会の少なかった青木の視点を中心に、二人に聞きました。
※対談は読みやすさのため、一部表現を整えています。
代表は「頭が切れる、ちょっと嫌なやつ」
——まず、お二人が出会った頃のことから聞かせてもらえますか。当時、青木さんから見た文山さんはどんな人でしたか?
学生時代の二人 ※当時:青木20歳、文山22歳
青木:
僕たちは学生時代に同じコミュニティで出会ったのですが、当時からすごく仲がよかったわけではないんです。
文山の最初の印象は、かなりはっきり覚えていて、「頭が切れる、ちょっと嫌なやつ」でした(笑)。
頭がいいのはすぐに分かったのですが、自分でもそれを分かっている感じがありましたし、「それってこうじゃない?」みたいなことも結構ストレートに言う。言っていることはだいたい正しいのですが、伝え方も含めて、少し鼻につくというか(笑)。
当時は今のように、文山の人間っぽいところまで知っていたわけではありませんでした。なので、最初から「この人といつか一緒に会社をやりたい」と思っていたわけでは全然ないです。
ただ、不思議とキャリアで迷ったときには相談していました。耳が痛いことも言われますが、適当なことは言わないですし、ちゃんと考えたうえで返してくれる。
だから、「ちょっと嫌なやつだけど、困ったら相談したい人」という感じでした。
文山:
僕から見た青木も、学生時代は「元気で明るいやつだな」くらいの印象でした(笑)。
入社時は正直仕事がどこまでできるのかも分かっていませんでしたし、まさかこの先、一緒に会社をやることになるとは思っていませんでした。
青木:
全然そんな感じではなかったですね(笑)。親友という感じでもありませんでしたし、普段からずっと一緒にいるような関係でもなかった。でも、何かあったときには相談していました。
今思うと、仲がいいから近くにいたというより、「この人に聞いたら、ちゃんと考えてくれる」という信頼のほうが先にあったのかもしれません。
「おもしろそう」で入った青木。「ナンバー2にするつもりはなかった」文山。
——そんな関係だったお二人が、どうして一緒に会社をやることになったんでしょう?
「おもしろそう」から始まった、二人で会社をつくる歩み
青木:
僕が次のキャリアを考えていたタイミングで、ちょうど文山も独立しようとしていました。話を聞いて、単純に「AIはこれから伸びそうだな」「おもしろそうだな」と思ったんです。
事業のナンバー2のような立場で、自分がまだ経験したことのないことにも挑戦できそうだな、と。
最初から「この人と一緒に会社を大きくしたい」と強く思っていたわけではなくて、かなり勢いで入りました。
文山:
当初は青木をナンバー2にしようとなんてまったく思っていませんでした。青木からキャリアの相談を受けていたので、本人がどんなことをやりたいのかはある程度分かっていました。それなら、うちの会社で実現できることもあるかもしれない。そのくらいの感覚でした。
ただ、なんとなく「青木なら、どこに行っても生きていけるだろうな」とは思っていたんです。仮に会社がうまくいかなくなったとしても、最悪「本当にすまん、辞めてくれ」と言えるというか(笑)。青木なら、その後も自分で何とかできるだろうと思っていました。
だから、最初から「ナンバー2として迎えよう」と考えていたというより、一緒にやってみても大丈夫だろう、という感覚のほうが近かったですね。
青木:
実際、最初の頃は、本当にそれぞれが自分の仕事をやっている感じでした。二人でご飯に行くこともほとんどなかったですし、二人で写真を撮ることもありませんでした。周りから見たら、「この二人、仲いいの?」と思われていたかもしれません(笑)。
でも、僕ら自身はそれをあまり問題だと思っていなかったんです。
文山:
僕も、当時はそれで十分だと思っていました。まだ会社も今ほど大きくなかったので、それぞれが目の前の仕事を進めていれば、会社としてもちゃんと前に進んでいたんです。
青木:
そんなふうに始まったのですが、今振り返ると、自分でも少し不思議です。
最近、もし学生時代のコミュニティに入っていなかったら、自分の人生はどうなっていたんだろうと考えたことがありました。
いろいろな分岐があった中で、文山に出会わず、この会社をやっていない未来は、かなり嫌だなと思ったんです。
もともと僕は、誰か一人と長く何かをやるタイプではありませんでした。だから、これだけ長く一緒に会社をやって、この先も何かをつくっていきたいと思えていること自体、僕にとっては珍しいことです。
文山といると、自分一人だったら選ばなかったことを選ぶし、考えなかったことまで考えるようになるんです。最初は「おもしろそう」くらいの気持ちで、かなり勢いで入りましたが、今は、この人といたら、おもしろい人生を歩めるんじゃないかと思っています。
文山とこの会社をやっていることは、今では僕の人生の中でもかなり大きなものになっています。
「1人目が青木でよかった」。文山が年々そう思う理由
——お話を聞いていると、最初から強い意志で一緒に始めたというより、働く時間を重ねる中で関係も変わってきたのかなと思いました。文山さんは今、青木さんのどんなところに信頼を置いていますか?
仕事を自分ごとにし、最後まで形にする。その積み重ねが、二人の信頼に
文山:
これは、かなりあります。
まず、青木は「好きになる力」がすごく強いと思っています。
もともと営業をやっていたわけではないのですが、営業を任せると、いつの間にか営業そのものを好きになっている。採用もそうですし、事業もそうです。
今回の社名変更でも、何百案も考える中で、決まったものをただ受け入れるのではなく、自分自身がちゃんと好きになって、それを周りにも広げていく。
「必要だからやる」で終わらず、自分ごとにして、そこにおもしろさを見つけられるのは、青木のすごく強いところだと思っています。
青木:
自分では、あまり意識したことはないです(笑)。
ただ、せっかくやるなら、その中でおもしろいところを見つけたいというのはあるかもしれません。
文山:
あと、人に対してもそうです。人を好きになるのも上手いですし、逆に人から好きになってもらうのも上手い。その人のことをちゃんと見ながら、関係をつくっていける。
そこは、マネジメントをするうえでも青木のかなり大きな強みだと思っています。
それに、任せたことを最後まで形にしてくれるという信頼もあります。
僕が「こっちじゃないか」と方向を出して、「これ、お願いしていいか」と言ったときに、青木が「やるわ」と言ったら、かなり安心して任せられるんです。
KPIのような細かいところでも、事業のような大きなところでも、それは変わりません。僕とまったく同じ答えを出す必要もなくて、青木なりに考えて、最後はちゃんと形にしてくれると思っています。
いろいろな会社や経営者と話す機会もありますが、頭がいいだけではなく、どんな仕事でも自分ごとにして、周りを巻き込みながら最後までやり切れる人は、そんなに多くない。
そこは、青木のかなり強いところだと思います。
だから、1人目の社員というか、「ナンバー2が青木でよかった」と思う気持ちは、年々強くなっています。
青木:
それは逆に、文山が信頼して任せてくれるからできている部分もあると思います。
方向について話すことはあっても、やり方まで細かく決められることはあまりありません。
「青木なら自分で考えるだろう」と思ってくれているのは感じるので、その分、自分なりにちゃんと答えを出したいと思っています。
「頭が切れる、ちょっと嫌なやつ」だった文山を、青木はどう見るようになったか
——逆に、青木さんから見た文山さんのことも少し聞かせてもらえますか。最初に出会った頃と比べて、今はどんなふうに見えていますか?
一緒に働く中で見えてきた、言葉の奥にある人への思い
青木:
正直かなり変わりましたね(笑)。一緒に仕事をするようになって分かったのは、実は、人への思いがすごく強い人なんだということです。
その人に本当に良くなってほしいと思っているから、必要だと思えば踏み込んで伝える。本人にとって耳の痛いことでも、必要ならちゃんと向き合う人なんですよね。
学生時代はそこまで見えていなかったので、「頭が切れる、ちょっと嫌なやつ」で終わっていました(笑)。
文山:
そこを青木が分かってくれているのは、とてもありがたいです。僕は、人のことが結構好きなんですよね。だから、できる限りちゃんと言う、ストレートに伝える、たとえ自分のエゴかもしれないと思っても、必要なら介入すると決めています。
青木は、その言葉だけではなくて、僕がどういう意図で言っているのかまで理解してくれている。必要なときには、僕とメンバーの間に入ってくれることもあるので、それはすごくありがたいです。
青木:
今は、そこまで含めて分かるようになりました(笑)。
もう一つ、仕事の面でいうと、文山には、まだ答えが見えきっていない段階でも、進むべき方向を見つけるセンスがあると思っています。僕はどちらかというと、理由を理解して、ロジックに納得してから動きたいタイプです。
以前は、文山が「こっちだと思う」と言っても、「なんで?」が分からないとなかなか動けず、結果的にスタートが遅れたこともありました。
でも、後から振り返ると、「あのとき、もっと早く動いておけばよかった」と思うことが何度もあったんです。そういう経験が重なって、今は、まだうまく言語化されていなくても、「何かを見て、そう判断しているんだろうな」と思うようになりました。
文山:
最近は、本当によく「なんでそう思ったんですか?」と聞いてくれますね。僕の答えをそのまま受け入れるのではなくて、僕が何を見てそう思ったのかを、青木なりに理解しようとしてくれている。それは、僕としてもありがたいです。
青木:
別に、文山と同じ考え方をしたいわけではないんです。違うからこそ、何を見てそう判断したのかを知りたい。自分に見えていないものがあるなら理解したいですし、そのうえで違うと思ったら、違うと言えるようにもなりたいです。
そうやって一緒に仕事をする中で、少しずつ、お互いがどう考え、どう判断するのかは分かるようになっていきました。ただ、その頃はまだ、それぞれが自分の持ち場で仕事をしている感覚のほうが強かったと思います。
相手の考え方を理解することと、会社そのものについて一緒に考えることは、僕の中ではまだ別だったんです。
「相方なのに、寂しいわ」。会社を一緒に考えるようになったきっかけ
——相手の考え方や判断の仕方は分かるようになっても、「会社そのものを一緒に考える」ことは別だったということですが、そこが変わったきっかけは何だったのでしょうか。
創業当初の二人
青木:
結構最近だと思います。
今振り返ると、僕の中にどこか、「これは文山の会社だ」という感覚があったんだと思います。
自分は任された仕事や事業をちゃんとやる。一方で、「来期をどうするか」とか「会社をどこに向かわせるか」みたいな大きな問いは、文山が考えるものだと思っていたところがありました。
そんなとき、来期のことを考えていた文山から、「なんで一緒に考えてくれないの?」と言われて。
その流れで、「相方なのに、寂しいわ」って言われたんです。
文山:
言いましたね(笑)。
でも、あのときは本当にそう思っていました。
青木が自分の仕事をやってくれていない、ということでは全然ないんです。むしろ、任せたことはちゃんと形にしてくれていましたし、そこへの信頼はありました。
ただ、会社が大きくなるにつれて、僕が考えて答えを出して、それを青木に渡すだけでは足りないと思うようになったんです。
来期をどうするのか、この会社をどこに向かわせるのか。そういう問いは、僕自身も最初から答えを持っているわけではありません。だから、答えが出てから渡すのではなく、まだ分からないところから一緒に考えたかったんですよね。
僕にとって「相方」って、何でも同じように考える人ではないんです。前に、僕らの関係は「漫才のコンビみたいだ」と話したことがあるのですが、ずっと一緒にいるわけでも、何でも同じように考えるわけでもない。
でも、違う二人だからこそ、それぞれに見えているものがある。
その違いを持ち寄って、一人では出せない答えを一緒につくる。
僕は、そういう関係でいたかったんだと思います。
だから、自分の担当を担ってもらうだけではなくて、「この会社をこれからどうしていくのか」という問いそのものを、一緒に持ってほしかったんですよね。
青木:
僕はあれを言われて、「あ、自分って相方なんだ」と改めて思った気がします。
それまでも一緒に会社をやっていましたが、会社そのものを考えるところまで、自分の役割として捉えきれていませんでした。でも文山が求めていたのは、決まったことをちゃんとやることだけではなくて、決まる前から一緒に考えることだったんだと気づいて。
そこから、「この会社をどうしていくか」まで考えることも、自分の役割なんだと思うようになりました。
ちょうどその後にリブランディングも始まって、答えのない問いを二人で考える機会も増えていきました。
8割まで登っても、「この山じゃない」と思えば降りる。二人が難しい問いを決め切るまで
——文山さんの記事では、NINAEという名前に込めた思いがつづられていましたが、今回は、そこにたどり着くまでのお二人のやりとりも少し聞かせてもらえますか。振り返ると、考え方の違いが出た場面も多かったですか?
何度も考え直した社名変更。二人で納得できる答えにたどり着くまで
青木:
かなり多かったと思います。
社名は本当に何百個も考えましたし、ある程度進んでいたものをやめて、またゼロから考え直したこともありました。
その中で改めて分かったのが、文山は7割、8割まで進んでいても、その先にあるゴールがあまり良くないと思ったら、「この山じゃなかったかもしれない。別の山に行こう」と言える人なんですよね。
僕は、それが結構苦手です。
そこまでに使った時間やお金、みんなで考えてきたことがあるので、一度リセットすると、積み上げてきたものの価値までなくなってしまうような感覚になるんです。
違うと思ったら変えたほうがいいことは分かっているのですが、僕は一回そこで絶望します(笑)。
文山:
青木は、それまでのプロセスがゼロになることに絶望するんですよね(笑)。
僕は逆で、7割、8割まで見えたときに、その先のゴールが100点にならなさそうだと思うと絶望します。
ここまで登ったからそのまま進もう、というより、行った先が違うのであれば、一度降りて別の山に登ったほうがいいと思ってしまうんです。
ただ、その代わり、僕は方向が見えた後の最後の2割を詰め切るのはあまり得意ではありません。「もう方向は見えたし、あとはいけるだろう」と、気持ちが次に向いてしまう。
でも青木は、そこからが強いです。ある程度ゴールが見えてからも、「本当にこれでいいのか」と細かいところまで詰めて、最後まで完成度を上げ切れる。
今回の社名変更も、僕が途中で「違う山かもしれない」と言って方向を変えることはできても、その先でもう一度積み上げて、最後にNINAEとして形にし切れたのは、青木の力がかなり大きかったと思っています。
だから、僕が方向を変えることに強いとしたら、青木は決めた方向を最後まで高め切ることに強い。
そこは、青木のほうが圧倒的に強いですし、僕自身かなり信頼しています。
青木:
社名を考えていたときも、途中で「もう無理じゃない?」と思ったことはありました(笑)。
「せっかくここまで考えたのに、また戻るのか」と思うこともありましたが、文山はそこで妥協せず、一度壊してでも納得できる答えを探そうとした。
最終的にNINAEまでたどり着いたときに、初めて「あのとき戻ってよかったな」と思えました。
僕一人だったら、積み上げたものを手放せずに、そのまま進んでいたかもしれない。逆に文山一人だったら、方向が見えても、最後まで形にし切れなかったかもしれない。
そう考えると、二人だったからたどり着けた答えだったんだと思います。
文山:
僕も、あの経験で青木への信頼はかなり強くなりました。
すぐに答えが出なくても、青木とならちゃんと向き合って、二人が納得できるところまで持っていける。
これから会社が大きくなれば、簡単には決められないことももっと増えると思います。そういうときに、青木と一緒に考えられると思えるのは、僕にとってかなり大きいです。
青木:
僕にとっては、あの経験自体が、これからの希望にもなると思っています。
本当に「もう何も思いつかないな」となったときでも、「でも、社名のときも最後にすごくいいものが出たよね。じゃあ、もう少し考えよう」と思える。
社名を決められたこと以上に、難しい問いでも、二人で考え続ければ答えにたどり着けると思える経験ができたことが、大きかったですね。
変わるものが増えても、最後は「人」に戻る
——ここまでのお話を聞いていると、お二人の関係も、会社の成長に合わせて少しずつ変わってきたんだと思います。これから会社がさらに大きくなる中で、変えていきたいものと、反対に、変えたくないものはありますか。
役割が変わっても、大切にしたいのは一人ひとりの可能性に向き合うこと
青木:
変わるものは、かなり多いと思っています。
AIも変わりますし、それによって事業や仕事のあり方も変わる。会社が大きくなれば、僕ら自身の役割や関わり方も、今のままでいいとは思っていません。
今の僕らを切り分けると、文山が方向を考えて、僕がそれを形にするように見える部分はあると思います。でも、今うまくいっている役割分担を、そのまま守り続ける必要はないと思っていて。
会社のフェーズが変われば、求められることも変わる。僕ら自身も、その都度変わっていけばいいと思っています。
文山:
僕もそう思います。
これまでうまくいってきた形が、これからもずっと正解とは限らないですし、会社にとって必要なら、僕も青木も役割を変えていけばいい。
それに、会社のことを考えるのが、ずっと僕と青木の二人だけである必要もないと思っています。
青木:
僕と文山だけが会社のことを考えて、二人で答えを出し続ける会社にしたいわけではありません。会社が大きくなるって、人数が増えることだけじゃなくて、会社のことを自分ごととして考える人が増えていくことでもあると思っています。
だから、これからは僕らの役割も、会社のつくり方も、どんどん変わっていくと思います。
——では、その中でも、変えたくないものは何でしょうか。
青木:
二人に共通しているところでいうと、やっぱり人への向き合い方だと思います。
僕らは、結局かなり人のことを考えているんですよね。
文山:
もちろん会社なので、本人がやりたいことを全部そのまま叶えられるわけではありません。事業として成果を出す必要もありますし、ときには本人にとって大変な役割をお願いすることもあります。
でも、何かを決めるときに、会社にとって都合がいいかだけで見ないというのは、かなり大事にしています。
「本人にとっても事業にとってもよいか」とか、「その選択は、その人の人生にとって本当にいいのか」とか。
その人の可能性まで含めて考えたいと思っています。
青木:
僕も、その人の希望をすべて叶えることが、人を大事にすることだとは思っていません。
むしろ、その人の可能性を信じるからこそ、今本人が望んでいることだけではなく、その先まで考えて向き合う。
会社が大きくなれば、事業も、組織も、僕ら自身の役割も変わっていくと思います。
でも、どれだけ変わっても、最後に「その人にとってどうなのか」まで考えることは、変えたくないですね。
「会社の中では、ワクワクを担いたい」。青木がこれから担うもの
——最後に、NINAEという名前になった今、青木さん自身がこれから担っていきたいことについても、聞かせてもらえますか。
別の見方や次の可能性を届ける。青木が担いたい「ワクワク」のかたち
青木:
二つあると思っています。
一つは、NINAEとして、AIの進化を人や組織の前進につなげることです。
僕はAIの可能性をかなり信じています。でも、技術がどれだけ進化しても、「すごいAIが出ました」で終わったら、人や会社の変化にはならないと思っています。
その会社にとってどこで使えるのか、仕事をどう変えられるのかまで考えて、AIの進化を実際の変化につなげる。そこまでをNINAEとして担っていきたいです。
もう一つ、自分自身が会社の中で担いたいのは、「ワクワク」なのかなと思っています。
ただ、何でも前向きに捉えようとか、しんどいことまで無理に楽しもう、という意味ではありません。僕自身、しんどいときは普通にしんどいです。
でも、目の前の出来事だけを見て「もうダメだ」で終わるのではなくて、少し時間軸を伸ばしたり、見る角度を変えたりすると、違う意味が見えてくることがあると思っています。
「今は大変だけど、この経験は後で何かにつながるかもしれない」とか、「この見方をしたら、意外とおもしろくない?」とか。
僕は、そういう別の見方を一つ増やせる人でいたいんですよね。
文山:
それは青木らしいと思います。
何かがうまくいかなくて空気が重くなったときも、青木がいると「じゃあ、次どうする?」って切り替わることは結構あります。
青木:
僕、もともと先生になりたいと思っていた時期があったんです。
いろいろな経験をした大人になって、自分が経験してきたことを、いつか誰かに返せたらいいなと思っていました。だから僕にとっては、やったことのない仕事も、うまくいかなかったことも、全部自分の中に積み上がっていく経験なんです。
自分がいろいろ経験して、その分だけ見方を増やしていく。そうすれば、誰かが目の前のことで苦しくなっているときに、「こういう見方もあるよ」と、一つ選択肢を増やせるかもしれない。
それで、その人がもう一度前を向いたり、「じゃあ次はこうしてみよう」と思えたりするなら、僕にとってはすごく意味があります。
ただ場を明るくするのではなくて、まだ違う見方や、次の可能性があることを渡せる人でいたい。
会社の中では、そういう意味で「ワクワクを担う人」でいたいです。
最後に
普段見えている二人、その内側にあるもの
それぞれの仕事を担う関係から、会社の未来を一緒に考える「相方」へ
今回の対談で印象的だったのは、外から見えていた二人の関係と、二人自身が感じていた関係には、少し違いがあったことです。
周囲から見れば、以前から「相方」のような二人でした。でも、その中身は少しずつ変わっていた。それぞれの仕事を担う関係から、会社そのものを一緒に考える関係へ。
「相方」という言葉の意味は、時間とともに深まっていたのだと思います。
そんな二人らしさは、NINAEの意思決定にも表れています。
勢いだけでも、慎重さだけでもない。
やる意味とリスクを考えたうえで、それでも挑戦する。
そして、二人に共通しているのが、人への向き合い方です。
今できることだけで、その人を決めない。
その人自身もまだ知らない可能性まで想像する。
一方で、NINAEに来てほしい人であっても、その選択が本当にその人のためになるのかまで考える。
ただ、そうした思いが、いつもそのまま伝わっているとは限らないように感じます。思いを言葉にして届けることには、少し不器用な二人なのかもしれません。
だからこそ今回、二人が何を大切にしながら会社をつくっているのかを、言葉にできてよかったと思っています。
この二人がつくるNINAEが、この先どんな会社になっていくのか。
その続きを、これからも楽しみにしています。
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