展示会ブースやショールームなどの空間デザインを主軸とし、あらゆるクリエイティブを創出し続けるBEAKS。空間デザインという小さな枠におさまらず総合的なクリエイティブプロデュースによって、競合他社と一線を画しています。
BEAKSでチーフデザイナーとして活躍するMは、空間デザインはもちろんグラフィックデザインやWEBデザイン、果てはイラスト制作や動画の絵コンテまでこなしてしまうオールラウンダー。
マネージャー沖田と共に現在のBEAKSの礎を築いた一人であり、スタッフの育成にも邁進しています。
今回はクリエイティブとの向き合い方や制作プロセスについて、チーフデザイナーMが自ら語ります。
BEAKSのデザインは顧客課題を解決するためにある
デザインと聞くと、配色の美しさやビジュアルのインパクトといった「見た目」をどう作るかにフォーカスすることが多いのではないでしょうか。ですがビークスが考えるデザインとは、クライアントにとっての「課題解決」のためのデザイン。集客や認知度UP、担当者の業務負担軽減など、デザインの力であらゆる顧客課題を解決することに価値があると考えています。
そのために大切なのはクライアントのリクエストを鵜呑みにしてデザインするのではなく、一旦フラットにして考えること。
「リクエストにそのまま応えるとこうなるけど、もっと他にいい表現方法があるんじゃないか?」「この文字サイズや色は来場客にとって読みにくいのでは?」そんな風にクライアント目線・ユーザー目線の双方向でクリエイティブを突き詰めていきます。目立つから、といった短絡的な視点は通用しません。
その結果、当初のリクエストから方向性ががらっと変わることもあります。もちろんイベントの運営方法も都度ベストな形を探り、マニュアルの策定から当日のプログラムまでトータルコーディネートします。
リクエストに応えることは当たり前。それより期待を上回るものを生み出すことが私たちの存在価値だと思います。そこに至るプロセスは全スタッフ共通の軸として、決してぶれることはありません。
全員のベクトル合わせにはクレドの存在が大きく影響していますね。毎日朝礼で読み上げることでスタッフに浸透させ、自発的にクレドに基づいた行動ができるようにしています。
■クレド(Credo)とは?
企業全体の従業員が心がける信条や行動指針。ラテン語で「志・約束・信条」を表す言葉。
1943年にアメリカの大手医療メーカー、ジョンソン・エンド・ジョンソンの3代目社長ロバート・ウッド・ジョンソンによって初めて考案されたとされる。
▼BEAKSのクレド(一部抜粋)▼
その提案で印象力は向上できますか。
印象を決定付ける提案は、単に色やカタチといったものだけではありません。
印象を決定付ける様々な要因をはじき出し、モノ・コト、どのような側面からでも印象力を向上させる提案。
関わった企業様の「らしさ」をより伝えられる提案ですか?
より良い「らしさ」を築けていますか?
一にも二にもヒアリング。会話からアイデアが無限に広がる
デザインのアプローチ方法としては、まず社内ミーティングの段階で疑問に感じたことはとことん質問して、クリアな状態にすることです。
BtoBのクライアントでは機械の部品など日常生活になじみが薄く、イメージが湧きにくい商品も多いんです。インターネット上の情報だけではわからないことがほとんどなので、とにかく質問攻めにします(笑)
商品のことを誰よりも詳しく理解できていなければ、ベストなデザインを作ることも魅力的なプロモーションもできっこないですから。
社内ミーティングは雑談しながら提案の方向性を絞っていくスタイルです。ざっくばらんにブレストし、それぞれのアイデアの卵を出し合います。何気ないフラットな会話から「それいいね」となって、どんどん膨らんでいくこともよくあります。盛り上がりすぎて、たまに脱線してしまうこともありますが…(笑)
一人で考えるより他者の意見を取り入れた方が、アイデアやイメージがどんどん広がっていきますね。
クライアントにとって「選択しやすい」提案を
社内ミーティングで決定した方向性のデザインを作るのは大前提ですが、もっとこうした方がいいかも?という自分なりのアイデアを織り交ぜた案もプラスで作るようにしています。隙あらば自分のアイデアを放出してやろう、という精神ですね(笑)
そうすることで自分なりに制作する楽しみを作り、モチベーションも上げているんです。ある意味デザイナーの醍醐味でもありますね。
デザインには正解がないので、パターンがあったほうがクライアントに選択してもらいやすくなるんです。
「この案で」とすぐにデザイン案が決定することもありますが、「色はA案が好きだけど構成はB案が好き」という意見がクライアントから出てくれば、微調整レベルで即座に対応できます。
そのためカラーバリエーションなどではなく、根本的に異なる方向性からアプローチしています。
何より「こんなに考えてくれた」とクライアントにも喜ばれますし、それが私たちに依頼いただく価値や選んでいただける理由にも繋がっていると実感しています。
あとはスケジュールを絶対に守ることも大事。期日より少し前に自分の〆切を設定しタスク管理をしています。当然といえば当然なのですが、納期厳守は信頼に直結しますから。
デザイナーあるあるですが、のめり込んで制作していると周りが見えなくなってしまいがちになるので、そこは忘れないよう意識しています。
とことんアウトプットする、それが成長の第一歩
いちからデザインプランを考えたことがないスタッフでも、まずは自分で考えてもらうのがBEAKSの指導方針です。だから私からはむやみに手を差し伸べたりせず、ちょっとアドバイスや相談に乗るようなサポートに徹します。納期のギリギリまで取り組んでもらい、どうしてもだめだ!というときだけ手を貸すようにしています。それは自力でやり切ったという達成感や自信に繋がりますし、ある種の成功体験のようなものですね。
アイデアは恥ずかしがらず、とにかくアウトプットすることに尽きます。もしかするとそのアイデアは、最初はイマイチかもしれません。でも他者のフィルターを通して意見を出し合いブラッシュアップを重ねることで、新しいカタチになっていくんです。時々自分が想像もしていなかったアイデアが後輩から出てきた瞬間は、めちゃくちゃおもしろいですね。
年齢や社歴にかかわらず、やりたいと手をあげたら何でもやらせてくれるのがBEAKSのいいところです。私も入社半年ほどで某ショールームのプロジェクトに使用するすべてのグラフィックを担当させてもらえました。だから後輩たちも恐れずどんどんチャレンジしてほしいですし、どんな小さなアイデアの芽も潰さないようにしたい。そんな指導を心がけています。
自ら前例を作り、組織の成長を促す
今後は場所や環境に縛られず、スタッフがフレキシブルに働ける仕組みを強化したいですね。たとえば入社後研修は大阪本社で実施しているのですが、リモートでも参加しやすいような研修内容も検討したいです。
現在私は東京でリモートワークをしています。もともとの希望だったので自ら環境を整え、快適に仕事ができています。その人の向き不向きや特性に合わせて働き方の選択肢を広げられたら素敵ですよね。場所に縛られなければ全国から優秀な方もビークスにジョインしていただきやすくなりますし、ライフステージの変化にも柔軟に対応できます。
もちろんリモートワークに限らずですが、どんなことでも自分が先駆けとなり前例を作ること。
そうすれば周りのスタッフも自発的な意見や行動を起こしやすくなり、組織活性に繋がると信じています。