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「クライアントの駆け込み寺」と呼ばれるディレクターになるまで、どんな経験をし何を得たのか?

職種やポジションという型にはまることなく、やりたいことに対して前のめりなスタッフが集うBEAKSでは、さまざまな経歴の持ち主が活躍しています。
現在マネージャーとしてBEAKS全体を統括する沖田もそのひとり。デザイン経験ゼロのテレビ番組のADから当社ディレクターへと異色の転身。壁にぶつかりながらも前進し、今やBEAKSを支える中心人物へ。
どんな葛藤や気づきを経てその地位やオリジナリティを確立したのか?これから目指すべく姿や、BEAKSの未来に懸ける想いに迫ります。

沖田 壮司(おきた・たけし)
2011年入社。岩手県出身。テレビ番組の制作会社でADとして活躍後、業界未経験でBEAKSへ。ディレクターとして数々の現場で経験を積む。現在はディレクター兼マネージャーとして、ディレクター/デザイナーの垣根なくBEAKS全体を統括する司令塔的な存在。

「演出といえばテレビ」超シンプルな理由でテレビ番組のADへ。

実家は岩手県の、1時間に1本しか電車が来ないような超田舎。地元から離れたい一心で奈良の大学へ進学しました。奈良を選んだのは大都会でもなくかといって田舎すぎず、個人的に規模感がちょうどいいと思ったからです。

大学の観光系の学科で町おこしや地域活性について学び、文化祭の実行委員長になったのがきっかけでイベントに興味を持ち始めました。今後もイベントの仕事をするなら演出の知識が必要だと思い、「演出といえばテレビかな」という、至極単純な理由でテレビ番組の制作会社へ就職しました。

入社後は運良くキー局のゴールデンタイムのバラエティや特番などを経験させてもらえました。絵に描いたような不眠不休のAD生活の始まりです(笑)。刺激も多く充実していたものの、経験を重ねるにつれやはりこのままだとテレビのことしかできないなと思うようになり…。
それならもともとの目標だったイベントの仕事に再びフォーカスし、これまでの経験も活かせるような会社にいこう!と。そのすべてが叶えられそうだと思ったのがBEAKSだったんです。
とはいえ、BEAKSのディレクターが具体的にどんな仕事をするのか、最初はよくわかっていなかったんですが(笑)。当然デザイン業界はまったくの未経験だったので、ほとんど好奇心だけで突き進みました。

自分の力ではどうにもできない…。壁にぶち当たった時、道しるべになったもの。

入社後、超大手分析機器メーカーの展示会イベントのトータルプロデュースを担当しました。年間で20件前後の展示会をご依頼いただいている大口のクライアントです。
ブースのプランニング、見積もりや打ち合わせ、ノベルティやフライヤーなど印刷物の手配…。とにかく携わる仕事のボリュームが膨大だったので、1〜2年かけて任せてもらえる範囲を広げていきました。

まず最初の壁は、僕よりクライアントの方が圧倒的に知識量があるということ。
お金をいただいているのに僕の方が知識がないという状況で、クライアントが求める要求にきちんと応えられているのか、その水準に達しているのか…。ものすごく悩み苦しみました。

そこで、そもそもクライアントが求めているものは何だろう?と本質的な部分を見つめ直し、自分に足りないものは何なのかを具体化しました。
そして足りない部分は自分でなんとかできることなのか、またはできないのか。そこに思考をシフトして、足りないものは周囲の力を借りようと割り切ったんです。

知識は急に増えないし、仕事の手も急に早くはならない。自分の力だけではクライアントの満足に応えられない。なら、「自分でなんとかしなきゃ」はただのエゴだということ。
その気づきは、当社のクレドが与えてくれました。

◆BEAKSのクレド(一部抜粋)
私たちには世界を大きく変えることも出来なければ、
世の中の常識を覆すこともできません。
きっと、そんな大きなチカラは持ち合わせていません。
でも、だからといって小さくまとまる必要もありません。
私たち一人ひとりが行う全てのコトがいくつも重なり、
様々なところで広がりを持ち、誰かのための大きな力となっていくからです。

クレドの中に「一人ひとりにそこまで大きな力があるわけではない」という一節があるのですが、まさにその通り。
ミッションは一人ではなくBEAKS全体でクリアしていけばいいということ。
今の自分にできることは少ないけれど、あくまでBEAKSとしてクライアントからの要求やクオリティを満たすべきであって、決して自分だけの力でクリアしないといけないわけじゃないんです。
それに気づくことができたのは非常に大きかったですね。

「この商品をこういう目的で、こんな風に売っていきたい。だからこんなデザインを作りたい」という根本的なことをしっかり理解していればできないことは何もないんだ、という自信にも繋がりました。それはBEAKSで得た大きな財産ですね。

不安は細分化すれば怖くない。

これはよく新卒の方や経験が浅い方に言うことなんですが、不安の根源は「どうやったらいいかわからないから不安」なんですよね。でも「どうやったらいいかわからない」の中には、全体のうちAの部分は30%わかっている、Bの部分は50%わからない、などの内訳が存在するはず

「やったことがないからわからない」で思考が止まってると、100%わからないで終わってしまいます。
わからないことが出てきた時はどこまで理解できていてどこがわからないのか、目の前の課題を細分化して言語化することが大事なんです。
それが明確になれば、あとはわからない部分をどうクリアしていくかだけ。自分にできないことは人に頼ればOKなんです。だから初めて挑戦することだって、何も恐れることはありません。

言語化することがクリエイティブを強くする。

入社4年目、ある大手重機メーカーの展示会のトータルコーディネートを初めて担当した時のことです。
クライアントの担当者は業界20年選手でバリバリの猛者、というような方。すべてに対してハイレベルな要求で、なぜこの色なの?なぜこの角度なの?など、全部ロジックで説明できないと納得していただけなかったんです。

そこで気づいたのは、今までクリエイティブを「なんとなく」気持ちいい、収まりがいいからという風に感覚やニュアンスだけでジャッジしていたということ。
もちろんクリエイティブの感覚的なかっこよさ・美しさは大前提として大事なことではあります。でも、「クリエイティブをロジカルに説明する」ということをないがしろにしてしまっていたんです。

この案件以降、クリエイティブの細部すべてに理由づけができるようになったので、プランニングの具体性や説得力が飛躍的に変わりました。

クライアントの課題や求めるものを追求する→何が必要なのかを明確に言語化する→それに即したデザインができる。その螺旋が僕たちBEAKSがクライアントに選ばれ続けている理由だと思っています。
言語化できるから納得感がある。それが僕自身の強みでもあるし、BEAKS全体の強みでもあります。

失敗を成長に繋げていく。前のめりに転ばないと何も始まらない。

もちろんこれまで失敗がゼロだったわけではありません。
横浜である大規模イベントのプロデュースを担当した時のこと。巨大な水槽を撤去するため10トントラックが必要だったんですが、そのトラックが待てど暮らせどこない…。
原因は僕と運送会社とのコミュニケーションエラー。結果的にはなんとか代わりのトラックを手配できたので、事なきを得ました。

90cm角の荷物1つを九州に送る時、チャーター便を使ってしまったことも。
請求書が届いた時に、上司から「一体何を送った?!」となって発覚しました(笑)
とにかく速く指定日に送り届けることしか考えてなかったんです。完全にビジネス感覚の欠如でしたね。

さまざまな現場があるので、毎回新しいことの連続。BEAKSは個人のチャレンジ精神を大切にしているので、チャレンジした結果の失敗は全然OKという社風です。

失敗を次に繋げられればそれでいい。真摯に向き合っていればトラブルに対応できる力も自ずと身に付きます。まずは恐れずやってみること、これにつきますね。でないと何も始まりませんから。

個人の強み=会社の強み。可能性が無限に広がる組織を目指して。

これからも「困ったらとりあえず沖田に相談しよう」「困ったら沖田が何とかしてくれる」と言われるディレクターであり続けることが、僕の進むべき道だと思っています。ありがたいことに駆け込み寺のように頼ってくださるクライアントも多くいらっしゃいます。
もちろんなんとかしなきゃというプレッシャーは大きいですが、それだけ信頼していただけていることかなと思っています。

BEAKS全体としては、スタッフ全員が苦手より得意を伸ばせる環境をどんどん作っていきたいですね。
すでに基盤はありますが、スタッフの発信に対して「じゃあやってみるか!」の判断が早いのがBEAKSのいいところ。もしだめだったとしても、何がだめだったのかしっかり話し合って次に繋げていける関係性です。

一人ひとりの得意や個性を伸ばし、クライアントの要望に対してさまざまな角度から提案できる組織。
それは個人の強みを揺るぎないものにし、会社の新たな強みを育てていくことにも繋がると思っています。

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