「売上」というものは、仕事をやっている以上はほぼ誰にとっても無視できない数値なのではないでしょうか。
「売上」とは、利用動機の足し算でできています。
だから、分解して考える必要があります。
店舗の利用動機を洗い出す
たとえば、僕たち本格スムージー専門店「FICO & POMUM JUICE (フィコ・アンド・ポムム ジュース)」の場合、お客さんはどういう「利用動機」でサービスの対価を払っているでしょうか?
・健康的な習慣としてスムージーを飲む
・1人ランチ
・グループでお茶をしに寄った
・予定の合間の時間つぶし
・作業する場所代としてコーヒーを買った
・休憩する場所として使った
・かわいい写真を撮りに来た
・フードロス削減に貢献したいから TABETE でオーダーした
・自宅へデリバリーしてもらうためにオーダー
・ファンだから、応援のためにグッズを買った
・・・
他にもまだあると思います。
こうして見ると、フィコポムにお金を払った「意味」は、お客さんによってそれぞれ違いますよね。
売上は、この積み上げでできています。
だから、このそれぞれの「お客さんから評価してもらえた意味」をよく考えて、利用動機ごとに集計したりマーケティング分析と販売促進をしなくてはいけないと思います。
実はもしかしたら、僕たち事業者側が本来提案したいところの「1番」「2番」よりも、「5番」の方が数字が取れている、、、なんてこともあるかもしれません。
厳密なデータ集計が難しい場合でも、体感ででも把握しておくべきです。
利用動機の転換によって、新しい売上の種類を作る
さらに、ここに並んでいる意味を少し変えることで、他の新しい利用動機をつくることもできるかもしれません。
たとえば・・・「差し入れを買いに来た」などです。
そこから逆算すると、マフィン3個〜6個が入るボックスを用意してあげてPOP1個作れば、新たに商品開発をしなくても「差し入れ用グルテンフリーマフィンボックス」が完成します。
今通販で売っている「スムージーポーチギフト」も同じです。
この商品では、スムージーを「大切な人の健康を思う気持ちを形にして贈る」という新しい需要を作りましたが、そもそも「誰かへの贈りもの」ではなくて、「自分へのごほうび」に用途を変えることもできます。
https://ec.fandp.jp/collections/smoothie-pouches
すでに持っている自社の強みを、別の事業スキームに転用してゲームチェンジする
僕たち本格スムージー専門店「FICO & POMUM JUICE (フィコ・アンド・ポムム ジュース)」は「ヘルシーファストフード」をコンセプトに、2013年にブームに先駆けて日本国内ではまだ珍しいスムージー専門店業態としてスタートしました。
創業以来これまで、数々の業界をリードする新しい取り組みを発信し、草分け役としてブームの牽引を担ってきましたが、その裏側はゼロからファストフード系業態を自前開発する試行錯誤と努力の過程でもありました。
僕たちが近年取り組んでいるのが、その「専門店の現場で積んだ実績と業態開発のノウハウを凝縮して、そのまま売り物にしてしまおう」というもの。
これにより、2坪ほどのスペースがあれば僕たちの店と同じことが再現できる「しくみ」が、新たな商品・サービスとして生まれました。
これによってF&Pは、すでにある強みを活かして BtoC → BtoB に事業スキームを転換したことになります。
この事業領域で、F&Pがお客様企業にもたらす価値 (= 導入動機) は次のようなことがあります。
・客単価の向上
・来店動機創出
・デリバリー商材を増やす
・自社製品の活用
・店舗のイメージ向上
・福利厚生
https://corp.fandp.jp/service/smoothie-package
まとめ
「顧客に提供する本質的な価値」のことを、マーケティング用語では「バリュープロポジション」と言います。
僕たちは何屋かと聞かれると、表向きには「スムージー屋さん」なのですが、商品やサービスが「利用される動機」や、その「本質的な価値」は何かを見つめ、分解したり転用したりすることで、
・新しいマーケティングのヒントになる
・新しい商品・サービスのヒントになる
・事業スキームを変えるきっかけになる
といった成果につながるのではないかと考えます。
企画やマーケティングのマインドとして、日頃から物事の裏側にある価値はなんなのかを考えて、書き出したり、冷静に見つめたりすると新しいヒントが見えてきますね。
(この記事は、2021年2月に社内向けに発信された内容をもとに編集を加えています)