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nCSの経営陣へインタビュー。介護業界でも異例だった運動リハビリの事業変遷と、多様なスタッフのチャレンジをサポートする職場環境とは?

鈴木 貴仁さん (写真左) 取締役 人事責任者
株式会社フランチャイズ・タイムズ・ジャパン入社。FCコンサルタントとして加盟店開発、FC本部支援業務を担当。nagomi創生期より加盟店開発、開業支援業務に関与。2009年に株式会社nCSに入社。現場業務経験後、直営事業のマネジャー、FC事業の東日本エリア統括を経て、障害福祉事業の立ち上げを担当。現在は、人事部門を統括。
松本 貢平さん(写真右)デイサービス事業 ブランドマネージャー
1987年8月31日生まれ。立正大学文学部卒。フィットネス業界にてインストラクターに従事。2012年に株式会社nCSに入社。nagomiの現場業務経験後、研修トレーナー、SV、リーダー職を経て、デイサービス事業ブランドマネジャーに就任。

介護業界の中でも尖ったサービスを展開していた、事業拡大期に参画。

ー お2人は現状、事業のどのような部分に携わっていらっしゃいますか?

(鈴木)私たちの介護事業は、「人」がいないとできない仕事ということで、人員の確保のための採用活動、その数値の部分の管理を担いつつ、労働環境(給与や制度面)を今の時代に合わせながら整えることをミッションにしています。また、訪問事業の部門統括として業績・運営管理も担当しています。

(松本)半日型デイサービスの27店舗と、1日型デイサービスの9店舗における業績、運営など全般の管理を担っています。営業活動に加え、人員配置や現場のリーダーのマネジメントなども対応しています。「業績の最大化」をテーマに、各店舗で課題を見つけたらエリア別の統括リーダーと話をしたり、入社した方が長く安心して働いていただける為のサポートもします。

ー nCSの事業に参画されたきっかけを教えてください。

(鈴木)私は創業当時の2009年よりnCSに在籍しています。その前は、フランチャイズの仲介事業の営業職をしていました。当時起業を志しており、自分がいずれ起業するとしたらどんな事業でやっていきたいか、様々な事業形態を見ながら探っていたんです。学生時代から実家が自営で農業をやっていたことや、大学でも事業を自分で起こそうという気概のある友人が周囲に多くいたことも影響しているかもしれません。

nCSは、前職での取引先でして、数あるビジネスを見てきた中で、自ら取り組んでみたいと思えた事業であり、これから全国展開をするというタイミングで出会いました。
そして、国内で高齢化が進む中、確実に今後ニーズが高まる業界だとも感じていました。nCSでは当時から「ご高齢者を元気にする!」を軸に展開を進めようとしていて、凄くやりがいがありそうだなと。当時は業界で例がないやり方で、尖ったサービスだと感じましたね。入社を選択した理由として、代表の小川との出会いは私の中で非常に大きいです。経営者としての魅力を感じ、事業経営についての学びを得られるのではと感じました。

(松本)私は2012年8月、約10年前の25歳のときにnCSに入社しています。それより前は、何度か転職を繰り返していて。運動に関する分野は当時から興味があり、フィットネス系だったり、スポーツショップで働いたりもしました。nCSについては特に業界を絞らず会社を見ていた中で、たまたま面接で出会った会社でした。
昔から「人の役に立ちなさい」ということを言われて育っていたので、介護業界は社会貢献性も高く、社会問題をビジネスで解決できる点に魅力を感じました。老後って自分の好きなことができなくなったり、健康上の理由から周囲に止められたりすることも多くなると思うんですが、「生涯現役」「自分らしく生きる」という軸で、高齢者を元気にするために介護事業を展開している点にも非常に惹かれました。


運動リハビリを軸として、軽度~重度の方まで幅広くサポートできる事業へ。

ー nCSはどのような課題解決を目指して事業展開を進めてこられたのでしょうか。

(松本)高齢化社会が加速化しており、2033年には全人口の33%が高齢者になっていくとも言われています。核家族化が進み、社会的な孤立感を感じる人が増える中、社会保障費のバランスが崩れてきたり、少子化による担い手不足も課題になっています。

ここを、私たちはビジネスで解決していきたいんです。高齢になり、病気やケガがあっても普段から運動リハビリをすることでそもそもの病気やケガを予防し、たとえ罹患しても重度化させない、ということが大事だと考えています。国としても、「お世話する介護」ではなく「高齢者の自立支援」に軸足を置いている状況ですし、住み慣れた自宅で暮らしたい、という高齢者の想いをかなえ、在宅生活の中での「自分でできること」を取りもどしていただくのが私たちの目指すところなんです。

(鈴木)創業当時は、世の中の「介護業界」といったら、主なサービスがお食事の提供と、レクリエーションがほとんどでした。私たちは自分たちの施設が「何のためにあるべきか」という目的を検討し、その結果として「ご利用者の健康維持・改善」を目的とした運動特化型のサービスを始めることになったんです。
「自分の足でどこまでも」という軽度の要介護認定者中心の運動リハビリを行うnagomi。そして中重度になってくると「住み慣れた自宅で住み続けたい」と思われる一方、ご家族の介護負担を考えたときに施設で過ごす時間も一定あると嬉しいということで、nagomiプラスの食事や入浴もセットになった一日型のリハビリデイサービスも開始。そして在宅の最後を支える訪問入浴を提供し始めました。まさに、ご利用者さんのニーズに沿って事業を展開してきたといえます。


ー 競合他社も増えてきた中で、他社と差別化される要素はどんなところにあるでしょうか。

(松本)創立当時は珍しいサービス提供方法だったので、「半日リハビリ」といううたい文句だけでお客さまの引き合いも非常に高かったですが、現状は私たちを追随する形で同様の競合他社も非常に増え、より専門性や他社との差別化が求められるようになりました。その中で、半日・1日型・訪問入浴といった形で、サービス形態を増やす形で展開してきたnagomiのような事業はあまり例が無いと思います。結果としてnCSのご利用者さんは軽度から重度の方までいらっしゃり、他社と比べて非常に幅広い方への支援ができているという特徴があります。

(鈴木)国の介護施設に対する報酬制度の改定や東日本大震災、コロナなど様々な外的要因で大変な局面は何度もありましたが、その中でも事業として勝ち残れるノウハウをnCSが持っているというのはひとつの強みではないでしょうか。

たとえばコロナ禍の中でも、介護やリハビリへのニーズが消えることはなく、とにかく利用いただける方への安全・安心な環境をつくるという軸は変わりませんでした。来所される人数が減ったなら、ご利用者さんともう一回向き合える機会ととらえ、一人ひとりとのかかわりを丁寧に、といった形で事業を守ってきました。色々と施設運営が一時制限されたりと大変ではありましたが、苦境を乗り切ってきたことで会社として非常に強くなったと感じますし、当時踏ん張ってくれていた現場のスタッフには本当に感謝しています。

ー 現場で提供するサービスの内容としては、大きな特徴はありますか?

(松本)nagomiサービスの特徴として、効果・リスク回避・疲労回復を目的として運動用のマシーンを使用しないプログラムを重んじていることがあげられます。身体の可動域に制限がある方は、根っこの部分をケアせず、マシーンでとりあえず運動する…とすると効果が出づらいんです。ストレッチでしっかり身体をほぐしたり、身体の状態に合わせてのトレーニングをすることで一気に血圧上昇をさせないというリスク回避の効果もあります。マシンがないご自宅でもリハビリができるよう、自宅学習プログラムをお渡しして自宅でも出来る利点もありますね。また、マシンがない分稼働できるスタッフやご利用者さんが来所中の動ける時間も長く取れます。集団運動の後ろで個別の歩行訓練も行うなど、時間の使い方も効率的にし、なるべく待ち時間が少ないような工夫もしています。

多様な働き方へのニーズに沿う制度で、社員の前向きなチャレンジを応援。

ー nCSはどんな人が多い会社ですか?

(鈴木)運動を軸にサービスが構成されていますし、趣味や好きなことを聞くと「身体を動かすこと」や「スポーツ」があがる方はとても多いです。また、人とのコミュニケーションを軸とするところに価値観を持っている人が多いと思いますね。

(松本)「ご利用者の健康維持・改善を通じて関わる人々の幸福を増進する」という事業目的をとても大事にしているので、僕と同じような人の役に立ちたいという気持ちの人は多いのではないかなと思います。鈴木の言うように、スタッフへのチャレンジの機会は平等に貰える環境ではあると思います。若手がキャリアアップする例も多いですよ。例えば、nagomiプラスの10名くらいのスタッフをマネジメントする管理者を23歳の方がやっていたり、25歳で3~4店舗マネジメントする立場になったり。

(鈴木)ご本人のチャレンジや意欲はすごく大事にしていますね。「自分は将来どうなりたい?」という質問はよくさせてもらいますし、私たちから提示する目標ありきではなく、過去の経験や年齢にとらわれず、未来でなにを目指すかを一番大事にしてもらいたいと思うからです。入社1~2年でマネジメント職にチャレンジする機会もあり、半年に1回キャリア意向調査を実施しています。


ー 評価制度や社員の使える福利厚生面も、続々と増やされてきていると伺いました。

(鈴木)以前は、事業数も今より少なく、nagomi単体でやってきたいので、従業員のキャリアといえば「役職があがる(管理職になる)」という形で一本化されてしまっていたんです。そのうちに成熟期を迎えて、店舗数も増えていくなかでスタッフの中でも「横に広がる」キャリアも考える必要がでてきました。
そこで、誰もが同じ道を目指すわけではないということで、多様な働き方のニーズに合わせて制度も変えてきたんです。自分なりのキャリアビジョンを持ち、個々の強みを伸ばした結果、ご利用者さんのためのサービス力が上がっていけば良いなと。タテ・ヨコ・ナナメ評価制度があるのも特徴だといえます。

様々な働き方をサポートする制度面でいえば、個人のスキルや価値をアップさせるための資格取得支援制度を設けたり、一歩一歩の成長が評価につながるような「等級制度」の導入も行ったりしました。
具体的には、個人の知識・スキル向上につながる資格取得者には「資格等級」を、長く働いていただけること自体にも価値があるという考えのもと「勤続等級」を設けたり、チーム貢献度や業務スキルを評価する場合は「スキル・評価等級」を設けています。9月からは働き方の多様性を踏まえてワークライフバランスを大切にしたい人のために「週3休み」の制度も始めました。


ー 介護は未経験からの入社が多いようですが、社内で活躍できるような仕組みも充実されているのでしょうか?

(鈴木)中途の8割以上が業界未経験から入社されています。介護業界はOJT研修という名目でいきなり現場業務に参加するケースが多いですが、nCSでは入社時3週間の研修を実施し、介護保険の基礎知識から介護技術、理学療法士のリハビリ研修、オペレーション研修など、未経験でもご利用者の前でサービスが提供できるよう伴走していきます。業務マニュアルも整備していますので、わからないことはマニュアルにて確認や学びなおしもできます。

また、各店舗でのサービスの再現性が高まるよう、具体的な手段だけでなく「何のためにやるのか」の目的を常に大事にしています。「ご利用者の健康維持・改善」が目的であることが社内でしっかり浸透していると、そのためには現場でもどうしたらいいのかな、という話が自然にでてくるような環境になっているかなと思います。

ー 最後に、今後お2人が挑戦していきたいと思われていることを教えてください!

(松本)働き手不足は社会問題にもなっていますが、各店舗の営業効率をあげていくことでより効率的な店舗運営をさらに強化していきたいと考えています。店舗数もとくにnagomiプラスは現状10店舗ほどですが、20店舗くらいには増やしていくことで、より多くのご利用者さんに私たちのサービスを提供し、スタッフの成長に繋がる領域も増やしていきたいですね。

(鈴木)DX化の流れのなかで、業務効率化はやはり重要なキーワードだと思います。採用活動をさらに活発化させていくことはもちろんのこと、外国籍の方を含めて多様な人材がnagomiで活躍いただけるよう制度や事業基盤を強固にしていきたいと考えています。

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