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【全部見せます】テーマ「民芸雑貨堂」の和装アイテムができるまで

こんにちは。cocone v 株式会社 アバターデザイン室 デザイナーのささきです。
今回の記事では、大人も楽しめるアバターアプリ『ピュアニスタ』でお届け中のコーデガチャテーマ「民芸雑貨堂」のアイテム制作過程についてお伝えしたいと思います。

テーマ「民芸雑貨堂」は、アプリ内のお客様アンケートで複数のアイデアの中から選ばれ、制作が決定しました。
(ご回答いただいたお客様ありがとうございます!)

アンケート実施時のラフ。
このラフのコンセプトを元に、実際にアプリで楽しんでいただけるアイテムを制作していきます。

個人的にもすごく好きなテーマだったのでアイテム化を楽しみにしていましたが、自分がこのテーマの制作チームにアサインされた時はすごく驚きました。

和服を制作するのが初めてだったので少しハードルの高さも感じましたが、「このテーマで思い切って挑戦してみよう!」と思い、テーマ内でも目玉となるSR(スーパーレアアイテム)の和服(ワンピース)の制作担当に手を挙げました。

※アバターデザインにおいては、テーマごとに約5人のチームが組まれ、その内でワンピース・髪型・背景...など、どのアイテムを担当するかを決めていくことができます。

ラフのデザインをどのように『ピュアニスタ』のアバターに落とし込むか、悩みながらもわくわくしながら、制作をスタートしました。
たくさん悩みながらも、細部までこだわったアバターデザインの制作の裏側をお届けしてきます!

アバターアイテム制作の流れ

アイテム製作の流れは大まかに
・資料集め
・ラフ制作
・イラスト化
・アニメーション制作
・データ化
という流れを経て、お客様にアイテムをお届けしています。

今回は私が担当したテーマ「民芸雑貨堂」の男・女アバターの和装アイテム「民芸雑貨堂の看板娘」と「民芸雑貨堂の看板店主」について説明していきます。

①資料集め

まず最初に、テーマイラストを見ながら、とってほしいポージングや、服のシワの入れ方で参考にできそうな画像を集めます。
『ピュアニスタ』内の様々なアイテムと組み合わせて楽しめるよう、和服の詳細なルールについて、特に慎重に資料を探しました。

『ピュアニスタ』は和装テーマのガチャも多いため、過去に出たアイテムの中に被っているデザインやテーマがないかを確認しておきます。
お客様に新しい楽しさを提供するため、最初の確認の工程がとても重要です。

既に『ピュアニスタ』でリリースしている和装アイテムの一例

②ラフ制作

アンケート時点でのテーマイラストと印象が変わりすぎないように注意しつつ、着物の形状や色柄、ポージングなどでバリエーションを複数作っていきます。

「民芸雑貨堂」というテーマに基づき、ファンシーさよりレトロな雰囲気を前面に出したかったので、フリルなどの装飾を抑えながらも可愛さを出せるアレンジに苦戦しました。
ここでポーズを工夫し、足は少し内股気味に、手は袖で隠して幼い少女感を出すよう意識しました。

もう少し性格が違うものを作りたかったので、③のように、先輩にアドバイスをいただき足をそろえたり袂を内側に入れて全体的に丸くまとまった、大人しそうなシルエットになるよう調整した案も入れています。

制作したラフをPD(プロジェクトディレクター)さんにチェックしていただき、制作するデザインを確定させます。

同じテーマのアイテムであるいぬはりこ・まねきねこの着ぐるみと並べたとき、このワンピを正面向きにするのが一番バランスよく見えるということで、ラフ案⑤の方向性に決定しました。

また、ラフでは袴の裾の裏地が見えるよう描いていましたが、足を折り曲げてちょこんとかわいく座っている感じを出すために裏地が見えなくなるようフィードバックもいただいています。

今回私は女性のアイテムだけでなく男性の和装アイテムも同時に制作を進めました。
女性版の確定デザインに合わせ、男性アバターの和装も正面向きでラフを制作しました。

少し渋めで大人っぽい雰囲気を出したかったので、男女の色味のバランスを見ながら、男性の和装では暗めの色を使っています。
装飾の鈴は女子と同じく袂(たもと)につける予定でしたが、袴よりも鈴の色味が明るいため視線が集中してしまうので、できるだけ体の真ん中にもってくることでバランスを調整しています。

この中から③が採用され、フィードバックを反映しながらデザインを確定しました。

③アバターイラスト化

男女のデザインが確定したら、illustratorで描き起こす作業に取り掛かります。

シルエットが気になる部分を調整しながら、ラフをトレースしていきます。
顔より前に来る腕といぬはりこの部分はこの段階で分けておきます。

ベースが完成したら、影・ハイライトを描き込んでいきます。
固めの袴と、それより少し柔らかい素材でできた羽織の質感の違いが伝わるよう意識しました。

・羽織につけたリボンの形を、制作の途中でより自然に見えるような形に変更。
・抱っこしているいぬはりこは、いくつかのポーズを試して最終的に片手だけ袖にしがみついてもらうポーズに決定。
・よりリアルな羽織に見えるよう、立っていた衿(えり)を中に着ている着物に添わせ、なじませるよう調整。こちらは和服が得意な先輩からのアドバイスを元に修正しています。

このような細かい調整を重ねていった後、下駄や羽織の柄等を描き込んでいき、女子の制作が完了しました!

男子も同じ流れで、気になる部分を随時調整しながらアバター化していきます。

男女の袴の形状の描き分けに苦戦しましたが、なんとか違いを出せたと思います。
男女のアバターを並べてみて、いぬはりこの手やその他気になる部分を調整し、アバターイラスト制作はいったん終了です。

④アニメーション制作

アバターが完成したので、いぬはりこにまばたきのアニメーションを制作していきます。
今回のまばたきのアニメーションは5種類のお顔を用意し、表示する回数やタイミングをコマごとに設定して顔の動きを作ってあります。

同じテーマガチャでまばたきがあるアイテムは、アイテムごとに目を閉じるタイミングが被らないよう制作しているので、ペットアイテムのいぬはりこ・男女ワンピにいるいぬはりこのまばたきのタイミングもずれるように調整しています。

⑤データ化

アプリでお届けするためにデータに変換する作業を行います。
まず、『ピュアニスタ』では肌の色を4タイプ変えることができるので、それぞれの肌色を変えたデータを制作します。
(このワンピではほとんど肌が見えていないのでわかりづらいですが、首元の色が変化しています。)
顔より前に来る部分・顔より後ろに来る部分・後ろ髪より後ろに来る部分・肌色のバリエーションなどに分け、画像データに変換します。

次に、着せ替え画面に表示されるアイテムのアイコンを制作します。
アイコンの背景は白(透明)・グレー・紫の3タイプがあり、アイテム全体が見えやすい色をそれぞれ使い分けています。今回はバランスを見て、グレーを使用しました。

最後に、アイテム名を付け、実装の準備をします。
テーマの世界観や設定に合う名前を考えるのに苦戦していますが、アイテム名がついてやっとアイテムとして完成となるので、どのデザイナーさんもこだわって命名しています。

言葉のリズム感やアイテムの共通性・世界観を重視したアイテム名たちの一部を抜粋

完成したアイテムたちをテストアプリに実装していただき、デザイナー全員でアイテムに不備がないかチェックをします。

この段階でアイテムにミスがあった場合は、該当箇所を修正して再度実装します。
完成したアイテムを使い、運営やPR担当の方がバナー画像や公式X用の告知画像などを制作します。
制作したアイテムが魅力的に配置してあり、新しいテーマガチャのワクワク感を味わえるので、告知画像の完成をいつも楽しみにしています。

こうしてテーマガチャが完成しています。

制作の終わりに

お客様からとても期待を寄せていただいていたテーマだったので、制作中も「喜んでいただけるものを作れているかな...」と常に不安がありましたが、先輩方や同期メンバーからたくさんアドバイスをいただき、なんとか形にすることができました。

リリース後、お客様が和装ワンピを着用したコーデやアートをたくさん作ってくださっているのを見て、すごくほっとしました。

アバターアイテムを作る際は、お客様が複数のテーマのアイテムを組み合わせて楽しんでいただくことを想定し、自分が作っているアイテムだけではなく他のアイテムとの合わせ・バランスを注視してデザインを考えることが重要になります。

今回紹介したテーマ「民芸雑貨堂」には和装服の他にも2種類の着ぐるみがあるのですが、両方ともほぼ同じ角度で斜めを向いているため、和装服の体の向きをいつもより慎重に考える必要がありました。

しっくり来るデザインにたどり着くまで苦労しましたが、元の世界観を大切にしつつ、もっと柔軟な考え方でテーマ全体のバランスを見て制作していく必要があることを改めて学ぶことができました。

また、初めての和装アイテムへのチャレンジだったため、和服ならではの制作のポイントをたくさん知ることができました。
次回の和服制作ではもっと良いものを作れるよう、今回の学びを生かしていきたいと思います!
現在も『ピュアニスタ』で「民芸雑貨堂」のアイテムをお楽しみいただけますので、ぜひお手にとっていただけると嬉しいです。


ピュアニスタについて https://www.purenista.jp/

cocone v 株式会社について https://coconev.co.jp/

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