フレームワークスの主力製品であるG5、X5。各製品を統括するマネジャーは顧客と日々向き合っています。
今回はG5を統括する深谷さん、X5を統括する森藤さんのお二人に、現場目線で見たフレームワークスの強みや、AIの活用が広がる中でのWMSの未来などについてお話しいただきました。
WMSがなぜ必要か
Q:フレームワークスが自社開発したWMS(=Warehouse Management System)としてG5,X5があります。それぞれどういった特徴の製品なのでしょうか
深谷:G5はオンプレミス型のWMSです。全業種対応で物流拠点の在庫管理、運用支援、庫内管理を行います。200種類以上の標準機能の活用以外に、現行業務を踏襲したカスタマイズによるシステム構築も実現可能です。
森藤:X5はクラウド型SaaS形態のWMSです。基本的な機能は変わりません。
Q:G5,X5 それぞれどういったお客様から依頼が来るのでしょうか
深谷:G5は物流を支える基幹システムとして導入されることが多く、新しい物流センターの立ち上げやシステム刷新など、導入に際して大きなテーマがあるお客様がほとんどです。業務に合わせたカスタマイズやERP(エンタープライズリソースプランニング)・マテハン(マテリアルハンドリング)など他システムとの連携も多く、規模の大きなプロジェクトになるのが特徴です。
森藤:X5はWebの環境さえあれば利用でき、WMSを稼働させるサーバの購入が不要で初期費用が抑えられるため、ネット通販を新たに始めるような比較的小規模なお客様がターゲットです。お客様は物量の増加に伴い、Excelでの在庫管理からWMS導入へ切り替えるパターンが多いです。
Q:WMSを入れずにExcelなどで運用している企業は、どのようなトラブルがあるのでしょうか
森藤:取り扱う商品が少なければExcelで「どこに、どの商品が、何個ある」かわかれば作業できますが、注文数が増えるとメンテナンス頻度も増えて記入ミスが発生し、正確な在庫情報をリアルタイムに把握できなくなります。
また、出荷漏れなどの作業ミスがあった場合に、いつ、だれが、どんな作業を行ったという作業履歴が確認できず、原因分析や対策の検討が難しくなってしまいます。
フレームワークスが選ばれる理由は「物流を知っている」こと
Q.フレームワークスの強みって何だと思いますか?
深谷:お客様や協力会社の方からは、「物流システム一筋だから業務知識が深い」「誰と仕事をしても物流のプロだと感じる」と言っていただくことが多いですね。
Q.業務の知識というのは、庫内業務の知識ですか
深谷:そうですね。中心となるのは倉庫内の業務知識です。ただ、それだけでなく、物流全体の流れや周辺業務についても積極的に学ぶようにしています。
その知識があるからこそ、お客様から言われたことをそのままシステム化するのではなく、「この業務なら、こちらのやり方の方が効率的ではないですか」「こんな課題はありませんか」と、一歩踏み込んだ提案ができる。それがフレームワークスの強みだと思っています。
森藤:X5のメインのお客様は国内最大級の物流事業者のA社さんです。A社さんは荷主様の荷物を倉庫で保管し、配送する一気通貫の業務も行っています。取り扱う荷主様の数も3桁を超えており、個人向け配送に特化した「かゆいところに手が届く」機能の知識は、X5部門のメンバーは特に豊富ですね。例えば、ECサイトの「ギフト」や「プレゼント」という要件を実現するために、「お届け先と注文者を別で管理する」「納品書の金額は隠す」といったノウハウが蓄積されています。
深谷:知識の吸収と言う意味では、倉庫に見学をしに行くだけでも勉強になります。倉庫で働く人たちの工夫ってすごい。どうすれば作業者にとって危険がないか、どうすれば作業者が迷わないかという工夫が沢山施されている。
そういう現場の工夫を見て感動しているうちに、だんだんそういった知識を覚えました。
知識の共有が強みを加速する
深谷:最近は、各プロジェクトの責任者が集まり、「お客様のどんな困りごとを、どう解決したか」を共有する場を設けています。発表した本人にとっては当たり前の取り組みでも、他のプロジェクトの担当者からすると、「そのアイデアは自分のお客様にも提案できそうだ」という気づきがよくあります。
例えば、あるプロジェクトで梱包時に納品書と送り状を印刷する「梱包機能」を導入しました。一方、別のお客様では、一体型伝票(納品書・送り状・ピッキングリストを1枚にまとめた伝票)を使っており、その専用紙のコストが課題になっていました。そこで、そのお客様に、一体型伝票が不要になりコストを削減できる「梱包機能」を提案しました。
一見すると単なる「機能」ですが、お客様の課題と結び付けることで、価値のあるソリューションになります。こうした事例を組織全体で共有することで、一つの経験を他のお客様への提案にも活かせるようにしています。
森藤:X5部門ではお客様からの問い合わせ内容や発生させてしまった障害の内容を蓄積し、対応内容や分析結果をチームで共有、活用する仕組みを構築しています。登録されている事象は数千件に上り、個人で対応した内容を、チームで共有、活用する取り組みを行っています。
誠実な対応が顧客満足を生む
Q.WMS事業部全体として、お客様から良い評価をいただける・声をかけられるようなシチュエーションは結構ありますか?
森藤:当社のエンジニアは、お客様から高く評価していただいていると感じています。物流は絶対に止めてはいけない業務です。コロナ禍で多くの業種が営業を停止した中でも、物流だけは止まりませんでした。そのような緊張感のある現場だからこそ、プロジェクトが厳しい状況になっても逃げずに最後までやり切る姿勢や、誠実に対応する姿勢を評価いただいているのだと思います。
実際に、初期導入後も追加開発や保守のご依頼をいただくケースが多くあります。これは、システムだけでなく、プロジェクトの最前線でお客様と向き合うエンジニア一人ひとりの誠実な対応が評価された結果だと思っています。
深谷:私も同意見です。もちろん、すべてのプロジェクトが予定どおりに進み、不具合が一切発生しないわけではありません。大切なのは、問題が起きたときにどう向き合うかです。原因をしっかり調査し、お客様に正直に状況を説明し、最後まで責任を持って対応する。その積み重ねが「この会社なら任せられる」という信頼を築いてきたのだと感じています。
エンジニアのキャリアステップ
Q.未経験で入社されたエンジニアのキャリアステップはどういうものでしょうか?
森藤:入社後は、まず製品や物流の知識を身につけながら、テストやプログラムの修正・開発などを通じて、システムがどのように動いているのかを学びます。
その後、設計やお客様との打ち合わせにも携わり、経験を積みながら、開発メンバーや協力会社をまとめるプロジェクトリーダー(PL)、さらにプロジェクト全体の責任者であるプロジェクトマネージャー(PM)へとステップアップしていきます。
X5部門もG5部門も、このキャリアステップは共通です。
Q.PMやPLは、フレームワークスの社員だけでなく、協力会社の方たちをまとめながらプロジェクトを進める役割なのですか?
深谷:そうですね。加えて、最近特に求められるのは、「お客様も含めてプロジェクトを前に進められる力」です。
システム開発は、私たちだけで完結する仕事ではありません。お客様や協力会社など、多くの人が関わる共同作業です。例えば、お客様側で準備いただく作業が遅れてしまうと、私たちの開発が順調でもシステムを予定どおり稼働させることができません。
だからこそ、「それはお客様の担当だから」と線を引くのではなく、お客様が困っていることや分からないことにも寄り添い、一緒にプロジェクトを進めていくことが大切です。特に初めてシステムを導入されるお客様は、不安や疑問を多く抱えています。そのような場面でも伴走しながら支援できる人は、お客様から厚い信頼をいただいています。
G5部門,X5部門のこれから
Q.今後G5部門とX5部門それぞれで、組織をどのように発展させていきたいですか?
森藤:私たちが目指したいのは、「お客様に安心して任せてもらえる組織」と「社員一人ひとりが主体的に成長し続ける組織」です。X5部門のキックオフでは、2つのことを伝えました。
1つ目は、物流は止められないということです。物流は社会を支えるインフラです。だからこそ、私たちが提供するシステムも「止めないこと」「安定して稼働し続けること」が何より重要です。当たり前のことのように思えるかもしれませんが、この当たり前を徹底できることがお客様の安心につながり、信頼にもつながると考えています。
2つ目は、常に新しい技術を学び続けてほしいということです。IT業界は変化が非常に速く、AIなどの新しい技術も次々と登場します。また、物流業界でも省人化や自動化が進み、新しいシステムとの連携が求められています。だからこそ、現状に満足せず、常にアンテナを広げ、新しい知識や技術を身につけ続けることが大切だと思っています。
もちろん、要件定義、設計、開発、インフラ、プロジェクト管理など、システム開発にはさまざまなスキルが必要です。ただ、全員がすべてをできる必要はありません。それぞれが得意分野を伸ばし、「挑戦したい」という思いを会社として積極的に後押ししたいと考えています。
深谷:G5部門で目指したいのは、「一人ひとりが主役としてプロジェクトに向き合う組織」です。
どの案件でも、「自分は担当の一人だから」という意識ではなく、「このプロジェクトを成功させるのは自分だ」という当事者意識を持って取り組んでほしいと思っています。
実際に、お客様から信頼されている人は、役職や担当範囲に関係なく、自分ごととして課題を捉え、最後まで責任を持って行動しています。そういう人が結果としてお客様からも「この人なら安心して任せられる」と評価されています。
私たちは、そんな社員が増え、一人ひとりが主役として活躍しながら、お互いに支え合える組織を目指していきたいと考えています。
技術の進歩を組み込んで「できたらいいな」を現実にしていきたい
Q. お客様の困りごとはどう変化していますか?
森藤:人手不足への対応や省人化はもちろん、AIの進化によって、お客様から求められることもどんどん変わっていきます。例えば、倉庫内の作業を自動化したり、トラックが待機しないようにバースを制御したり、これまで別々だったシステム同士を連携させて物流全体を最適化することが求められるようになるでしょう。
深谷:最近は、お客様からの相談内容も変わってきました。
例えば、「棚の写真を撮るだけで棚卸ができないか」といった、以前なら「技術的に難しいですね」とお答えしていたようなご相談も、AIの進化によって現実味を帯びてきています。技術が進歩することで、お客様の「できたらいいな」が「実現したい」に変わってきていると感じます。
Q.AIを含め、さまざまな新しい技術にどう向き合っていくのでしょうか?
深谷:大切なのは、「AIを使うこと」ではなく、「AIを使ってお客様の課題をどう解決するか」だと思っています。
技術そのものが目的ではなく、重要なのは、それぞれの技術の特徴を理解し、お客様の課題に合わせて最適な形で組み合わせ、新しい価値を生み出すことです。
森藤:お客様から「こんなことはできないですか」と相談されても、当時の技術では実現できなかったことがたくさんあります。
でも今は、AIや画像認識、ロボットなど、新しい技術が次々と実用化されています。昔は解決できなかった課題も、新技術との組み合わせで新しい解決策が見えてくることがあります。そうした可能性をいち早く見つけ、お客様へ提案していきたいですね。
Q.実際に期待している技術はありますか?
深谷:個人的には、AIを活用した梱包シミュレーションに注目しています。商品の形状や緩衝材まで考慮しながら、最適な箱を自動で選べるようになれば、輸送コストの削減や作業効率の向上につながります。まだ発展途上の技術ですが、実用化が進めば物流業界に大きなインパクトを与えると思っています。
森藤:私たちは「突然すごいことができるようになる」とは考えていません。技術は「これができるようになった」「次はこれもできるようになった」という小さな進化を積み重ねながら、大きな変革につながっていくものです。
例えばロボットも、最初は単純に連携するだけかもしれません。しかし、その先で複数の設備やシステムを連携・最適化し、物流全体の生産性を高められるようになれば、それがお客様にとって本当の価値になります。
深谷:WMSは単なる倉庫管理システムではなく、AI、ロボット、自動倉庫など、さまざまな技術をつなぎ、お客様の物流全体を最適化するための"中核"となる存在だと考えています。
新しい技術を積極的に取り入れながら、お客様の課題を解決し続けること。それが私たちの目指す姿です。
AI時代だからこそ求める人
Q.ここ数年で、AIを使うことが当たり前になってきました。新しい時代に突入している今、お二人が一緒に働きたいと思う人は、どのような人ですか?
森藤:システムエンジニアには、技術力だけでなく、お客様とコミュニケーションを取りながら、チームでプロジェクトを進める力が求められます。私たちの仕事は、自社パッケージやサービスをベースに、お客様の業務に合わせて最適な形へカスタマイズしていく仕事です。そのため、プログラミング経験が浅い方でも、製品や業務知識を身につけながら十分に活躍できる環境があります。
深谷:もちろんプログラミングの知識は大切ですが、これからの時代はAIの進化によって「コードを書く力」だけでは差別化が難しくなっていくと思います。だからこそ私たちが大切にしたいのは、「お客様のために何ができるか」を自分で考え、周りを巻き込みながら行動できる力です。
「もっと良くするにはどうしたらいいか」と、自ら考えて一歩踏み出せる人は、社内でも大きく成長し、お客様からも信頼されています。
森藤:私たちは、そんな自分で考え、能動的にチャレンジし続ける人と一緒に働きたいと思っています。新しい視点やアイデアを持ち込み、会社に新しい風を吹かせてくれる方と出会えることを楽しみにしています。