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M&Aをやりたい、海外で。その想いが自分を突き動かした
私は、シンガポールで生まれ、幼少期はエジプトでピラミッドを見て過ごし、大学はアメリカに留学をしていました。海外経験が長いからこそ、日本人としてのアイデンティティが強く、学生の時から、将来的には日本社会の為になる仕事がしたいと思っていました。大学卒業後、外資系コンサルファームの日本法人に入社し、日本のビジネスパーソンとしての基礎をみっちり学んでいましたが、たまたまM&Aのプロジェクトに参画する機会があり、その面白さ・ダイナミックさに魅了されたのが転職のきっかけです。
入社後は国内事業部に配属されましたが、自身のバックグラウンドを最大限生かしながら、日本企業の「海外へのチャレンジ」を後押しできる海外M&Aこそ、自分にとってベストなフィールドだと考えるようになりました。その後、海外M&Aへの想いを伝え続けて、入社2年目に海外事業部への異動が実現しました。
アツい海外M&Aに身を投じたイマ
私が所属している海外事業部は、海外でのクロスボーダーM&Aを支援しています。現在ASEAN5か国に拠点を置き、主には海外現地の譲渡案件を発掘し、日本企業に提案する「In-Out」(日本の企業が海外の企業を譲り受ける)と呼ばれるM&Aを推進しています。今後の日本は労働人口が減り、それに伴い経済規模も縮小し、多くの業界でマーケットが小さくなっていくことが予想されます。そんな中、日本企業にとっては、国内だけではなく、海外市場に目を向けて事業を展開する必要性が一層高まっていくと考えています。これは、大企業・上場企業だけではなく、中堅・中小企業を含めてより多くの企業が対象になると思います。
大企業であれば、ゼロから海外に拠点を作ったり、M&Aに関する情報などを証券会社や銀行経由で取得してM&Aを実行できたりします。
しかし中堅・中小企業の場合は、自前で海外進出するにもリソースが足りず、M&Aに関する情報にもリーチが難しい状況です。
そんな中堅・中小企業の海外進出をM&Aという形で支援すべく、我々は日々活動しています。今後は海外M&Aのマーケットもどんどん大きくなり、仕事も更にスケールアップし、一段と面白くなっていくと信じています。私自身もマレーシア現地法人に赴任してASEANと日本の架け橋をつくっている実感があります。
初成約は時代を象徴する案件
部署異動前の2021年、国内部署所属でありながら当社に入社して携わった初めてのM&Aが海外案件でした。当時はコロナ禍で緊急事態宣言も発令されており、海外渡航も勿論難しい状態でした。そんな中、譲渡企業・譲受企業のコミュニケーションを最初から最後まで一貫してWEB商談で完結させ、一度も現地渡航せずに成約に導きました。それまでの“当たり前”は、譲受企業が現地に渡航して、譲渡オーナーに対面で会うというのがセオリーでした。特に製造業においては工場見学を実施し、機械や在庫に目を配ることが通常でしたが、これらもすべて動画撮影にて対応することで、無事成約まで進めることができました。今後はWEBで完結するM&Aというのも増えていくのかもしれません。
M&Aの主流は「仲介」?「FA」?
海外ではM&Aの仲介は受け入れられているのか、という質問をよくいただきます。FAでないとダメなのではと。
仰る通り、海外において、まだまだ「M&Aの仲介」は浸透していないのが現状です。ASEANにおいても、欧米においても、M&Aといえば、アドバイザーはどちらか片側につき、顧客の利益を最大限追及する形で案件を遂行するのが一般的です。事実、我々海外事業部のご支援するM&Aも、現状FA案件が多いです。
ただ、M&A仲介の本質は、「様々なステークホルダーの“想い”をつなぎとめて、全員が最終的に合意できる最適解を探ること」だと思います。この本質があるからこそ、後継者不足が進む日本において、M&A仲介という形が多くの譲渡オーナー、企業に選ばれてきたのだと信じています。海外の中堅・中小企業でもその本質は変わらないのではないでしょうか。
現状、海外事業部においてはFA案件の方が多いですが、我々も少しずつ、FAから仲介へのシフトを企図しています。約30年前から、弊社の分林と三宅が日本市場にM&A仲介を広げ、現在の国内の中堅・中小M&Aのデファクトスタンダードを作り上げたように、海外においても中堅・中小企業の最適なソリューションとしてM&A仲介を広げるべく、足もとの実績作りに励んでいます。勿論、状況に応じてFAが最適な形であれば、引き続きFAも並行して担っていきます。
海外M&Aコンサルタントとしてのキャリア
今後ますますニーズが増してくる海外でのM&Aですが、現状、海外を舞台にM&A支援を高品質で提供できるコンサルタントは、日本でも未だ数えるほどしかいないと思います。従って、今のフィールドで経験を積むことは、自身のキャリア形成にとって非常にポジティブであり、自分の市場価値を上げる最高の環境だと感じています。日本M&Aセンターの海外事業部は、今後ASEANから欧米など更にフィールドを拡大していく予定です。是非、ホットでクリエイティブな海外M&Aを、一緒に盛り上げてくれる仲間が増えてくれることを願っています。