2020年2月、株式会社オプトホールディングは、株式会社デジタルホールディングスになりました。
オプトホールディングは、デジタルホールディングスになって、なにが変わったのか?ダイナミックに変化するデジタルホールディングスは、これまでにどんな変化を経て、これからどう歩んでいくのか。
大学卒業後、新卒で総合商社に入り、事業の成功と挫折を経験した社員に、起業ではなくリテイギに入社した理由と、入社後に感じた魅力、会社として大切にしていることを聞きました。
社員紹介
浦澤 徹(うらさわ とおる)
北海道札幌市出身。横浜国立大学卒業後、2014年に新卒で三菱商事へ入社。ペットボトル原料のトレーディング事業で市況分析を担当し、約20人のチームで取引収益実現へ貢献。その後、社内の新規事業コンテストにてインドのオーガニック野菜EC立ち上げを提案、選考を突破し、実際にインドでPoCを実施するも挫折。以後、食品スーパーの品揃え強化プロジェクト等に携わる。2021年5月より、リテイギに入社し、現在は給食業界の人手不足を解消すべく、事業責任者として従事。
社内の新規事業コンテストを突破するも、挫折……。失敗から学んだこと
――浦澤さんは大学卒業後、新卒で三菱商事に入社されたそうですね。三菱商事を選んだ理由は?
浦澤:私は北海道出身で大学から上京したのですが、地元の親や友人を離れて東京で働くならば、自らを制限せずに思い切り働き、厳しい環境の中で結果を残していきたいという覚悟を持っていました。
就職活動中に様々な会社の方から話を伺い、特に三菱商事が持っている日本に市場を限らず事業へ取り組めるポテンシャルや、事業を通じて業界全体を牽引する実行力があることに魅力を感じた為、新卒採用へ応募しました。
――三菱商事ではどういった事業をしていたのでしょうか?
浦澤:最初の部署ではペットボトル原料のトレーディング事業を担当しました。サウジアラビアやアメリカなどの原料生産国から、ペットボトル製造量・消費量の多い中国やインドなどへ輸送・供給する事業です。ペットボトル原料は石油から派生した製造法が主流であり、市況価格の変動が大きい為、単に原料供給を行うのではなく、市況変動リスクを考慮しながら売買することが求められます。
約20人のチームで、当時自分は市況分析や物流を担当。先輩に厳しく指導頂きながら、日本とは商習慣が異なる企業を相手に取引を重ね、チーム一丸となって収益を生み出す事へ非常にやりがいを感じていました。
当時磨いたのは社会の波を読む力・それをチームの意思決定へ繋げる力でした。但し、年々自分は社会の波を作る側の人間になりたい、それが仕事をする上でのやりがいであると思うようになり、ちょうどそのタイミングで実施された社内の新規事業コンテストへインドのオーガニック野菜EC事業を提案することとなりました。
――新規事業コンテストに参加する段階で、事業作りのビジョンや解決したい課題が決まっていたのでしょうか?
浦澤:提案時点で決まっていました。インドでは仲介業者が多い伝統的な産業構造が根強く残っていますが、例えば農業では非効率な商流が存在するが故に農家が作った野菜は買い叩かれ、鮮度が流通過程で落ちて廃棄される野菜も相当量存在します。私が本事業へ挑戦した年は特に農家が低所得で苦しんでおり、社会現象になっていました。最終小売価格はそこまで落ちていないにもかかわらず、です。この状況を何か変えられないかという思いから挑戦した事業でした。
――インドの農家に限らず、従来の仕組みを変えようとするとさまざまな反発がありますよね。
浦澤:そうですね。慣れ親しんだ商慣習を変えようとすれば、業界関係者から一定の反発を受けることは避けられない為、「なぜ自分はそれを実現したいのか」「なぜ業界にそれが必要とされるのか」という自問自答が必要になると思います。自問自答といっても、自己完結ではなく、日々皆様の意見を伺う・仮説を立てる・否定される系のやつですね(笑)。
当時インドへ飛び込んでチームを作り、農家や物流企業を巻き込むことには成功したのですが、肝心の消費者が付いてこなかった。期間内に結果を残せなかったのは自問自答力不足と素直に捉えています。
――うまくいかなかったけれども、今後の自分の方向性が見えた事業だったんですね。
浦澤:そうですね。決して簡単では無いものの、解くべき誰かの課題を探していく、業界の課題を解決する事業作りに改めて魅力を感じました。又、インドチームのサポートに感謝すると共に、自分に限らずチームメンバーにも思い切り動いてもらう為にはどうすれば良いか試行錯誤を繰り返したので、とても勉強になりました。(インド人だけでは無く、日本人にも当てはまる経験だと信じています笑)
事業家と共に「会社自身も」挑戦している会社
――2021年5月リテイギに入社されましたが、転職を決意したきっかけは?
浦澤:インドのオーガニック野菜のEC事業に挫折したものの、社会に波を作るような事業へ挑戦したいという思いはむしろ強まりました。その思いを実現する為の環境として三菱商事の外にも視野を広げたいと考え、転職活動をはじめました。
――事業作りをする場合、自分で会社を立ち上げる選択肢もあります。リテイギを選んだ理由は?
浦澤:確かに起業する選択肢もあり、自ら会社を立ち上げて成功されている起業家を私自身も尊敬しています。一方で、あくまでも事業の成功に向けた方法論の話と捉えており、自分は弊社の環境や仲間に魅力を感じた為、ここで挑戦しようと決めました。
――具体的に、リテイギのどういったところに魅力を感じたのでしょうか?
浦澤:弊社自体がまだまだ成長段階にあり、会社としても事業を生み出す為の最適な環境作り・制度作りへ日々変わりながら挑戦していることです。その中で、CEOの石原とCOOの松原が強いリーダーシップを発揮しています。
――事業作りをするうえで、信頼できる仲間の存在も大きいですよね。
浦澤:そうですね。新たな事業へ挑戦する際には思うようにいかないことばかり発生すると思いますが、弊社にはふと横を見れば事業へ熱狂している仲間が多くいること、挑戦と失敗を認め合える文化であることは好きです。(「渦中の友を助ける」という言葉が社内ではよく使われています)
挑戦と失敗を認め合えるが故に、心理的な安全が生まれ、ユーザーや業界と正面から向き合える。あくまでも事業を主人公とした場合、弊社は中々面白い場所だと思います。
――リテイギには入社前に一定期間業務提携として働けるお見合い制度がありますが、浦澤さんも活用されましたか?
浦澤:はい。お見合い制度中に感じたのは、リテイギが情報の透明性を大切にしていること。お試し期間って、普通はいいところばかり見せたいじゃないですか。勿論秘密保持契約は結んだ上でですが、リテイギは本当に素直に情報を開示してくれました(笑)。
情報の透明性があるからこそ、社員一人ひとりが自走して主体的に働けると日々感じています。社員間で情報量の格差が大きくなると、人によっては「社内に自分の知らない情報があるんじゃないか……」と不安になったり、意思決定の基準にバラ付きが生じますよね。それを避ける為に、リテイギはダイレクトメールを極力やらない、経営決定をする会議でも参加者を制限しない等、気を付けながら運営しています。
――現在はどんな事業作りをされているのでしょうか?
浦澤:KondateXという、病院や介護施設の給食に関する事業へ取り組んでいます。「給食」と聞くと学校の昼を思い出す方が多いかと思いますが(笑)、病院や介護施設で提供される食事も「給食」と呼ばれます。現在病院や介護の給食業界で深刻な課題になってきているのは、調理員の高齢化・人手不足です。元々手作りを前提に運営されている労働集約型の産業という背景もありますが、直近は約6割の現場で「調理員不足」が経営課題として挙げられるような状況です。但し、そのような状況でも給食は引き続き「食の楽しみ」を入院患者・入居者へ与えるものであって欲しいし、それに挑戦している栄養士・調理員の皆様を我々は尊敬しています。
一つの解決手段として、調理済み食品の適度な使用があると捉えています。しかし、病院や介護の給食現場では栄養状態・禁止食材・予算等の制約条件が多く、その結果献立基準が詳細に設定される為、基準に沿って調理済み食品を導入することが難しいんですね。その悩みに貢献する事業を作りたいと考え、我々は現在取り組んでいます。
――最後に、改めてリテイギで働いて感じていることを教えてください!
浦澤:先日私が尊敬する事業家と話をさせて頂く機会があり、そこで意外に思わされのは「このレベルの方でも、事業立ち上げの熱量や気持ちに波があるんだ」ということでした併せて、それを事業運営へ影響させないように意識的にコントロールする努力が印象的でした。その話を自身へ落とし込むと、私も毎日比較的大きな波があります(笑)。そんな時でも隣には熱狂的に何かへ挑戦している人間がいて、情報の透明性が約束されているので各事業の魅力や失敗理由がシェアされてくる、納得いかなければ直接話すことも出来る。そんな環境が、自分自身の熱狂の再現性を生み出していると感じます。会社として、チームとして、事業へ挑戦することが毎日楽しいと思える環境です。但し絶対にそこで満足してはいけないので、あくまでも事業を主人公に、冒頭で申し上げたように結果に拘って給食業界と向き合っていくつもりです。このような思いに共感して頂ける仲間を楽しみにお待ちしています!
大学卒業後、新卒で総合商社に三菱商事に入り、事業の成功と挫折を経験した浦澤。彼が起業ではなくリテイギでの事業作りを選んだ理由は、リテイギ自身が事業立ち上げの為の環境作り・制度作りへ挑戦していること、環境そこに「渦中の友を助け合う」熱狂的な仲間が集まっている環境でした。
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