2026年10月、京都・寺町に訪日外国人向けの新たな着物茶道体験施設「千とせや」がオープンしました。
着物を身にまとい、本格的な和の空間で、自ら抹茶を点てながら英語で日本の茶道文化に触れ、身近に楽しんでもらうための新しい体験型施設です。
その立ち上げを任されたのが、Mediaboundでプロダクトマネージャーを務める丹羽奈々さん。
実は丹羽さんがこの新規事業を任されたのは、Mediaboundに入社してまだ数ヶ月の頃でした。
今回は、ツアーガイドとしてMediaboundで働き始めた丹羽さんが、どのように新規事業の立ち上げを任されることになったのか。そして、茶道の知識がほとんどない状態から始まったオープンまでの日々や、千とせやを通して海外のお客様に届けたい日本文化について聞きました。
01|群馬からロサンゼルスへ。そしてMediaboundへ。
——まずは、これまでの経歴について教えてください。
群馬県で育ち、その後ロサンゼルスに5年ほど留学していました。
帰国後は東京でMediaboundのツアーガイドとしてアルバイトを始め、正社員になるタイミングで京都への配属が決まりました。現在はプロダクトマネージャーとして、着物茶道体験事業の立ち上げを担当しています。
——Mediaboundに入社したきっかけは何だったのでしょうか?
社長もロサンゼルスへの留学経験があり、そのつながりがきっかけで入社しました。
東京でのツアーガイドから始まり、現在は京都で新しい事業をつくる側へ。Mediaboundで働き始めて約1年の間に、丹羽さんの仕事は大きく変化していきました。
02|新規事業立ち上げへの挑戦
京都に配属された当初、丹羽さんが担当していたのは「ChopStick Workshop」のストアマネージャー。
そんな中、社長から新たなTea Ceremony事業の立ち上げの話が持ちかけられました。
——新規事業の立ち上げを任されたとき、どのように感じましたか?
「入社してまだ数ヶ月の私に、このような大きなチャンスをいただける機会はなかなかないと思いました。だからこそ、ぜひ挑戦したいと思い、チャレンジさせていただきました。」
新しい事業だからこそ、最初からすべてが決まっているわけではありません。
何が必要なのかを考え、仕入れ先とやり取りをし、人を育て、一つひとつ形にしていく。
「オープンまでの約1ヶ月間、抹茶や着物の仕入れ先とのやり取りを進めながら、午前中は着付け師、午後は茶道ホストの研修を行う日々を送っていました。
こうして、何もないところから「千とせや」をつくる日々が始まりました。」
03|知識ゼロから向き合った、京都の茶道文化
新規事業の立ち上げに挑戦することを決めた丹羽さん。しかし、スタート地点では茶道に関する知識が十分にあったわけではありませんでした。
——オープンまでの準備で、特に大変だったことはありますか?
「小学生の頃に少しだけ抹茶に触れた経験はあったのですが、茶道文化についてはほとんど知識がない状態からのスタートでした。
最初の頃は、抹茶の取引先の方にも知識がないことが伝わっていて、なかなか信頼していただけなかったこともありました(笑)。その経験から、京都で古くから大切に受け継がれてきた茶道という文化に、新しく参入することの難しさを身をもって感じました。」
取引先の方とのやり取りを通して、自分自身の知識不足と、文化への理解を深めることの大切さを実感したという丹羽さん。
そこで、自ら茶道教室に通い始め、茶道について一から学ぶことにしました。
さらに、着物や抹茶の仕入れ先をはじめ、京都で長く和文化に携わる人々とのコミュニケーションを重ねながら、茶道や着物、その背景にある文化への理解を深めていきました。
「皆さんが茶道や着物といった京都の和文化を、どれだけ大切に守り続けているのかを知りました。
そうした方々の想いや文化の奥深さに触れるうちに、私自身もこの文化をきちんと理解して、海外から来られる方々にもできるだけそのままの魅力を伝えていきたいと思うようになりました。」
知らないからこそ、自分で学び、現地の人たちと向き合いながら理解を深めていく。
丹羽さんがMediaboundのValueの中で最も共感しているという「Grit and Grind(やり抜く力を貫く)」は、まさに今回の立ち上げにもつながっています。
04|本格的だけど、堅苦しくない。「千とせや」が届けたい茶道体験
こうした準備を経てオープンしたのが、京都・寺町の着物茶道体験施設「千とせや」です。
千とせやでは、着物を身にまとい、本格的な和の空間で茶道を体験できます。
ただ抹茶を飲むだけではありません。
実際に自分の手で抹茶を点て、茶道の作法やその背景にある文化に触れながら、日本文化をより身近に感じてもらうことを目指しています。
——体験をつくるうえで、特に大切にしていることは何ですか?
「しっかりと日本の和文化を感じていただきながらも、堅苦しくなりすぎない体験にすることです。
特に海外からのお客様には、難しい作法を完璧に覚えていただくことよりも、『着物を着て茶室で過ごす時間そのものを楽しんでもらうこと』を大切にしています。」
海外経験のあるスタッフも多く、お客様とのコミュニケーションを大切にしているのも「千とせや」の特徴のひとつです。
日本文化の魅力をしっかりと伝えること。
そして同時に、「茶道は難しいもの」と感じさせるのではなく、海外から訪れた方にも親しみやすい文化として楽しんでもらうこと。
その両方を大切にしながら、「千とせや」ならではの体験をつくっています。
05|ポジションを超えて、みんなでより良いものをつくる
施設をつくるだけではなく、そこで働くチームをつくることも、新規事業立ち上げの大切な仕事のひとつです。
——「千とせや」では、どんなチームをつくっていきたいですか?
「みんなが自分の仕事を楽しみながら、ポジションに関係なくお互いに助け合い、『みんなでより良いものを作っていこう』と思えるようなチームにしたいです。」
決まった仕事をこなすだけではなく、一人ひとりが自分で考えながら、より良い体験やサービスをつくっていく。
そんな新規事業だからこそ、一緒に働く人に求めるものもあります。
——新規事業部には、どんな人が向いていると思いますか?
「責任感を持って、最後までやり抜ける人だと思います。
新規事業は決まっていないことや予想外のことも多いので、途中で諦めず、自分で考えながら最後まで向き合えることが大切だと思います。」
完成された環境で働くのではなく、自分たちでより良いものを考え、つくっていく。
それもまた、Mediaboundで新規事業に携わる面白さのひとつなのかもしれません。
06|「日本に来たら、一度は行ってみたい場所」へ
最後に、丹羽さんに「千とせや」のこれからについて聞きました。
「海外の方にとって、日本に来たら一度は行ってみたいと思ってもらえるような場所にしていきたいです。
茶道や着物を楽しむだけでなく、日本文化の魅力を身近に感じてもらい、日本での特別な思い出として残るような体験にしていきたいです。」
ツアーガイドから始まり、京都でのストアマネージャー、そして新規事業の立ち上げへ。
茶道についてほとんど知識がないところから始まった丹羽さんの挑戦は、「千とせや」のオープンという一つの形になりました。
けれど、オープンはゴールではなく、ここからがスタートです。
日本文化を、もっと身近に、もっと世界へ。
Mediaboundでは、一緒に新しい体験やサービスをつくり、世界中のお客様へ届けていく仲間を募集しています。