妊娠8ヶ月での事故、両親の離婚。それでも前を向き、介護業界を変革するリーダーの物語
生まれてきた意味を、行動で示す
「お母さんがしたくてもできなかったことをやる。2倍楽しまなきゃって、背負いながら生きてる感じです」
CyXenのコンサルユニット長、鈴木若菜は、そう語った。
母親がお腹に彼女を宿していた時、海外で車の事故に遭った。妊娠8ヶ月の時だった。障害手帳を持つほどの怪我。8ヶ月の時から成長が止まっていた。一歩間違えれば、鈴木若菜はこの世に生まれていなかった。
3歳の時、両親は離婚。母親はずっと病気がち。おじいちゃんおばあちゃんがお店をやりながら、彼女を育ててくれた。
━━ その生い立ちは、あなたにどんな影響を与えましたか?
「生まれてきたことに意味があるなとか、人と違うじゃんって思ってました。ちっちゃい頃から、お母さんがいろいろできないことが多くて。でも2倍楽しまなきゃなって」
━━ それは義務感ですか?
「義務感ではないですね。こういうもんかなって、ちっちゃい時から。それが普通だし、でもやってもらえるわけじゃない。お母さんにやってもらえることってあんまりなくて。でも、おじいちゃんおばあちゃんがいるからいいかみたいな」
自立するために、高校から働き続けた
━━ 学生時代、印象的なことは?
「自立したかったですね」
おじいちゃんおばあちゃんも65歳。いつまでも頼れない。高校も公立に落ちたら、「もういい」と言っていた。お金がかかるから申し訳ない。だから死ぬ物狂いで勉強して入った。
「お金を出させるのが申し訳なくて。学校の費用は別にいいんですけど、もったいないなって。だから、全部自分で欲しいものを買うために働いてました。めちゃくちゃダブルワークしてました、高校の時から」
━━ 何をやっていたんですか?
「ファミレス、コンビニ、居酒屋…めちゃくちゃやりました」
そんな彼女には、一本の芯があった。
「めちゃくちゃ探究心が強いんです。自分で切り開いていきたい。私が決める。人に決められてやりたくないっていうのがあって。それに、常に時代の最先端でいたいっていうのがありました」
これが、若菜のギャルマインドだ。
「金髪にしてました、高校の時(笑)。でも、周りに影響されるギャルじゃなくて、自立して真意を通したいっていう欲求が前提にあって、その表現方法としてのギャルマインドなんです」
コロナで店長、壮絶なスタート
新卒でアパレル業界へ。靴屋、伊勢丹新宿のスポーツアパレル、横浜の路面店と、3つの店舗を経験した。
そして、コロナのタイミングで店長になった。
━━ 大変な時に店長になりましたね。
「めちゃくちゃきつかったです。お客さん来ないし。SNSとか通販で買う人が多くて、自粛しなさいって時だったので。どうやって売上立てるの? みたいな。観光地だったんで、特に厳しかったです」
しかも横浜は、コロナが発症した場所。あのクルーズ船があった場所だ。
「インスタ始めてみたり、リール頑張ってみたり。それで、解放されてちょっと来るようになったら、売上が立つようになりました」
━━ 店長業務、振り返ってどうでしたか?
「私、自分が結構売ってた方だったんで、管理はわかってたんですけど、売れない子をマネジメントしてどう売れるようにするかが、めちゃくちゃ難しくて」
人で売る商売。その人が暗いとダメ。しかも、新卒ばかりだった。
「新卒とか2年目とかで、私が店長の時に新卒を持って。でもサブの人は47歳女性。いろいろ大変って思いながらやってました(笑)」
実は、彼女のマネジメント素養は、もっと昔から培われていた。
「中学の陸上部で、100人ぐらい部員がいて。男子が部長で、私が副部長だったんですよ。その時に、うまくいかないなっていうことが多くて。いい意味で期待をしない、どっしり構えてなきゃいけないんだなっていうのが、積み重なって。そこからですね、私のマネジメント人生は」
「対CyXen」ではなく「対鈴木さん」になる
アパレルに将来性が見えず、結婚もしたタイミングで、ECコンサルへ転職。しかし1年ちょっとで、CyXenへ。
「何でもできそうだなっていうところと、がむしゃらに頑張れそうだなっていうところ。あと、若い人が多いっていう、この3つです」
しかし、スタートは壮絶だった。
━━ メディカに入って、どうでしたか?
「壮絶でしたよ(笑)。一番びっくりしたのは、お客さんの数、こんなに持つんだっていうところ。」
━━ それは...大変ですね。
「お客さんを覚えられないし、業界知識ないし。でも学んでる余裕なく、毎日が過ぎていく。そんな半年間でした」
ある程度慣れてきた次の課題は、売上を立てることだった。
「私、ガツガツ行く方じゃないんで。買ってくださいっていうのは、アパレルではやってたんですけど、なんかそういう感じじゃなかった。どうやって売上立てるんだろうって、全然売上立たなかったんです、最初」
━━ それをどう乗り越えたんですか?
「ある日突然、寄り添いが大事だなってなって。全部肯定した上で意見を述べた方がいいかなって。お客さんって、いろんな話を聞いてほしいんですよね。頼れる人いなかったり、社長さんで本当に他には言えないけどみたいな」
━━ それで?
「聞いてあげるっていうところから始めたら、対CyXen、対鈴木さんみたいな感じになった。そしたら結構楽に売上立つようになりました」
「期待しすぎない」が、最高のマネジメント
一人で成果が出せるようになった次は、人を育てるフェーズ。
━━ どうやって人を育てていますか?
「さっきもお伝えした通り、人にあんまり期待してないんです。教える人って期待を込めてやるんですけど、でもどこか、できなくてもしょうがないよねって。じゃあどうやってこっちが教えるかっていうマインドでいた方がいいかなと」
━━ それは?
「一回の失敗は全然当たり前なんで、じゃあ次失敗しないようにどうするかを一緒に考えてあげるのが教える側だと思ってるんです。なので、何があってもドシッとしてるって感じですかね」
これは、「期待しない」というより、失敗してもセーフティネットを先んじてイメージしておくということだ。そのイメージができているから、どっしりできる。教えているメンバーも、失敗で変にくじけない。
「第一に、私はおじいちゃんおばあちゃんを輝かせたいって持ってるんで。そのためにどうやって教えるかを考えてるんで、部下がどうだとかで一喜一憂はしないですね」
おじいちゃんおばあちゃんを、預けられる施設を増やしたい
━━ この業界に対して、どんな想いがありますか?
「入社した時から本当に変わってないんですけど、自分がおじいちゃんおばあちゃん子だからこそ、そのおじいちゃんおばあちゃんを預けられるような施設をたくさん増やしたい。なおかつ、ケアをしてくれてる人たちが給与とか条件で悩んでたり、それが虐待とかに発展してるんだと思うんですけど、そういう世界をなくしたいなと思ってるんです」
━━ 今、どんなことにチャレンジしていますか?
「AIです。施設の人って、世の中を知らないんですよね。介護の他の事業者とか。それを、AIでいろいろ情報を集めて教えてあげて、『あなたたちはここが魅力なんだよ』って言ってあげることに、めちゃくちゃチャレンジしてます、この3ヶ月は」
━━ 葛藤はありますか?
「やっぱり古い考えですよね。担当はいいけど、代表が古い考えを持ってて、『今お金かけないよ、ハローワークでいいよ』みたいな。今の時代を知らないんだなって。どうやって伝えるんだろうなっていうのは、常に考えてますね」
女性でも、全然キャリア積める
━━ この会社の成長環境について、どう思いますか?
「女性でもやっぱりその年代(20代後半)って悩むんですよ、いろんなこと。でも、女性でも全然キャリア積めるし、頑張ったら他の会社ではないスキル──営業もそうだし、タスクマネジメントとか教育もそうだし、そういうポジションにもつけるっていうところです」
━━ どんな人に来てほしいですか?
「27歳ってなると、いろいろ考えると思うんですよね、自分のキャリアどうしようかなって。これから時代が変わって手に職つけなきゃとかなって。でも挑戦したいけどどうしようみたいな方だったら、すごい挑戦しやすいんじゃないかなと思います」
2倍楽しむために、走り続ける
生まれてこられなかったかもしれない命。3歳で両親が離婚し、おじいちゃんおばあちゃんに育てられた。高校からダブルワークで自立を目指した。
コロナで店長になり、壮絶なスタートを切ったCyXenでも、「寄り添い」と「期待しすぎないマネジメント」で乗り越えてきた。
そして今、AIを使って介護業界を変革しようとしている。
「お母さんがしたくてもできなかったことをやる。2倍楽しまなきゃ」
その想いが、おじいちゃんおばあちゃんを幸せにする施設を増やす原動力になっている。
CyXenでは、介護・医療・福祉の未来を共に創る仲間を募集しています
自立したい。自分で切り開きたい。挑戦したいけど、キャリアも悩む。そんな20代後半のあなたを、私たちは待っています。
鈴木のように、女性でもキャリアを積み、人を育て、業界を変革する。古い考えを変え、新しい風を吹き込む。そんな仲間と働きたい方、ぜひ一度お話ししましょう。