アパレル店長からの転身。コロナで失った夢、そして掴んだ新しいキャリア
褒められて育った私の、コンプレックス
「お前はすごい。お前は普通じゃない」
CyXenでマネージャーを務める丹司杏奈。
父親からそう言われ続けて育った。特に何かを成し遂げたわけでもないのに、ずっと褒められていた。
「でもめっちゃ普通だし、何もできないんですよ(笑)」
━━ それがコンプレックスになった?
「そうです。父がすごいすごいって言ってくれるのに対して、すごいギャップがあって。それを埋めたいというのが、フォーエーキャリアに入った時の原動力でした」
根拠のない自信と、現実の自分とのギャップ。そのギャップこそが、丹司を突き動かしてきた。
学生時代、彼女はずっとモヤモヤしていた。中学時代はテニス部のキャプテンとして頑張った記憶があり、その時は自分を誇れた。しかし高校、大学と特に打ち込めるものがなく、ただ遊んでばかり。
━━ 当時、何が嫌だったんですか?
「もっとできるはずなのに、できていない自分がいること。打ち込める何かがないことに、ずっとモヤモヤしていました」
ただし、丹司には一つの特徴があった。中学のテニス部でキャプテン、高校のバイトでもアルバイトリーダー──リーダーシップだ。
「マジでクソ真面目なんですよ、昔から(笑)。バイトも中途半端な気持ちでできなくて、絶対週5で入っちゃうし、困ってるって言われたらすぐシフト入っちゃう。結果、バイトのシフトを作ったりとか、そういうことをよく任されていました」
東京で勝負するはずだった。でも、ブランドが消えた
新卒でアパレル業界に入った丹司は、5年間、そのうち3年間は店長として大阪で働いた。
ずっと気になっていたのが、東京・新宿ルミネの店だった。同じブランドで一番の店舗。大阪では決して勝てなかった。
━━ それで、どうしたんですか?
「これは自分の実力で勝てないのか、その物理的に勝てないのか、ずっとモヤモヤしていて。だったら自分が店長になって試してみたいって思って、東京に行きたいって言ったんです」
27歳の時、念願の東京・新宿ルミネの店長のポジションを掴んだ。仕事で本当に生きるぞと決めて上京した。
しかし、運命は残酷だった。
「東京に来た半年後に、ブランドがなくなることが決まったんです。コロナで」
━━ それは...辛かったですね。
「仕事をしに来たのに、仕事がなくなった。それが一番の挫折でした」
「私の目的は何だったんだっけ?」
どん底から、丹司は這い上がった。
━━ どうやって乗り越えたんですか?
「東京に来た目的は何だったんだっけ?って考えました。東京に来たかったのか、仕事で何かを手に入れたかったのか、それともアパレル業界で仕事をしたかったのか」
優先順位を考えた時、答えは明確だった。
「仕事をして何かを得ることが目的だから、アパレルにこだわる必要はないと思いました」
そして、フォーエーキャリアへの転職を決意。実際に行動に移し、キャリアが開けた。
「死ぬ気で仕事をしたい。死ぬまで仕事をしたいぐらい、何かを成し遂げたいって思っていたんです。だから、一番熱中したのはフォーエキャリアに入ってからですね」
「これを乗り越えられるのは、私しかいない」
フォーエーキャリアに入社後、人材紹介事業を経て、丹司はmedica事業(介護・医療向けRPO)に配属された。しかし、危機が訪れる。
━━ 一番大変だった時期は?
「部下が同時に2人辞めて、上司も辞めて。その全部を一人でカバーした時ですね。めちゃくちゃ大変でした」
━━ その時、どんな気持ちでしたか?
「これを乗り越えられるのは自分しかいないって。多分ここで、父に植え付けられた自己肯定感が出るんですけど(笑)、『私ならできるし、私しかできないだろう』という根拠のない自信と、『これをやりきれば、きっとマネージャーになれるぞ』という未来へのイメージがありました」
もう一つ、丹司を支えたのは正義感だった。
「自分が関わっているサービスが、お客様に対して良くない状態であることが許せないんです」
結果、丹司はその年にMVPを獲得した。
「大変だった時と輝いている時は、結構いつも近いんですよ」
一生懸命頑張っている人のために、私は頑張りたい
━━ この業界に対して、どんな想いがありますか?
「私の人生のテーマは、一生懸命頑張っている人のために自分は頑張りたいというものなんです」
介護・医療・福祉業界は、社会のために頑張っている人たちが多い。それが、丹司にとっては共感できる頑張る理由になっている。
「お客様たちが現場で働くにあたって、知らないことやできないこと、苦手なことを私たちが価値提供できる。そのできない部分を補えているなという思いがあるので、自信を持って自分のサービスに向き合えています」
フォーエキャリアのミッションは「介護、医療、福祉領域において、現場とテクノロジーをつなぎ価値を最大化する」だ。
現場で一生懸命働く人たちを支える。それが、丹司の誇りだ。
今の挑戦と葛藤
現在、丹司はコンサル部門にいる。しかし、彼女は正直にこう語る。
━━ 今、どんなことに挑戦していますか?
「実は、ちゃんとお客様を持っていないんですよ。メンバーがいなくなった時の案件をカバーするとか、一緒に戦略を考えるということをずっとやってきて。意外とコンサルとしてのスキルが自分にはないと気づいたんです」
━━ それをどうしていますか?
「まずは自分でちゃんと学び直さないと、と思って、今それに向き合っています」
葛藤もある。
「目の前の業務に集中しちゃっているので、視座とのギャップを感じるんです。でも、事業全体を考える時には必要な視点だとも思っているので、悲観的にはなっていません。ここが難しいなって思っているところです」
「このままで終わりたくない」人へ
━━ この会社の成長環境について、どう思いますか?
「あります。私がまず体現していると思います」
丹司は力強く言った。
「変わりたいという気持ちがあって、でも別に特別なスキルとか頭の良さとかなかったけど、ちゃんと目の前のことに向き合うと、キャリアが開けたり自分の能力が上がるということを体感しました」
━━ どんな人に来てほしいですか?
「変わりたい、このままで終わりたくないという覚悟を持っている人。そういう人には、すごく良い環境だと思います」
「もっとできるはず」を、証明し続ける
父親から「お前はすごい」と言われ続けてきた。でも、自分は普通だった。そのギャップを埋めたくて、ずっと走ってきた。
アパレルでの夢はコロナで消えた。でも、「仕事で何かを得る」という目的を見失わなかった。
CyXenで、部下も上司もいなくなった。でも、「私しかできない」と信じて乗り越えた。
「もっとできるはずなのに」──そのコンプレックスが、丹司杏奈を突き動かし続けている。
そして今も、彼女は証明し続けている。父が信じてくれた「すごい自分」を。
CyXenでは、介護・医療・福祉の未来を共に創る仲間を募集しています
変わりたい。このままで終わりたくない。特別なスキルはないけど、何かを成し遂げたい──そんな覚悟を持つあなたを、私たちは待っています。
丹司のように、挫折を糧に、目の前のことに真摯に向き合い、キャリアを切り開く。そんな仲間と一緒に働きたい方、ぜひ一度お話ししましょう。