ー今回は清末取締役にVRCがアパレル業界に向けてどう貢献できるのか、どういう取り組みをしていくのかなどについて語っていただきました。
アパレル業界の課題について
清末:僕がアパレル業界全体を語るのはおこがましいところもありますが、我々技術会社から見るアパレル業界全体のお話をすると、なかなかコロナの感染状況もあって人が外に滞留しなくなっているため、店舗ビジネスをされている企業については非常に厳しいタイミングだと思います。
アパレル業界でも店舗からの脱却をデジタル化という形で考えている会社もいて、すべてECサイトに振り切る企業もあれば、店舗とネットのハイブリッドで考える企業もあります。しかし、今までの店舗でやっていた体験をデジタルでどう体験するかというところに解がない状況で、利幅も少ない業界ですし、その中でDXに貢献するサービスは何があるか各社探しているかなという感じが一つあります。
また、グローバルの動きとしては、ユニクロさんやしまむらさんなどファストファッションだけでなく、ウルトラファストファッションと呼ばれる会社も出てきており、中国のSHIENシェインという会社がアメリカで成長していて、今まで数か月かけて生産していたものを数日で生産サイクルを回すスタイルで急成長し、世の中のトレンドをつかんで高速で生産していくということを実現しています。
そうなっていくと、いかに自分たちが抱えているお客様の指向性や体型などの顧客情報の種類を多く持つかというところが求められていると感じています。以前ユニクロさんのIR資料で掲げられていましたが「情報革命」というキーワードがあり、アパレル業界もそういったところに立たされていると感じます。
もう一つ、サイクルがどんどん回ると生産量も増えていくのですが、環境文脈で見ていくと、今までも無駄にたくさん作ってしまうというのがありましたが、生産量を今後適切に管理するためにどうするかと考える必要があります。すると顧客情報をどう活かすかというところがあげられ、やはり全体としてDXという文脈の中でリアルや生産ラインで転がっている情報を、どのように効率化して事業に貢献していくかというところが課題なのかなと思います。
VRCが貢献できる領域とは?
ーーコロナのこともあって状況も変わってきていて、よりDXも求められていると思います。こういったアパレル業界の課題について、我々が取り組んでいることや解決していけるところというのはどこにあるんでしょうか?
清末:そうですね、去年からVRCもいろいろ開発を頑張っているんですが、まずは人体の情報を正確に把握する仕組みが大事だと思っています。以前から技術的にはありますが、寸法サイズを正確に測るというところですね。今まではテーラーさんが計っていた精度が正しいとされていたので、そこにいかに近づけていくかというところはあります。
また、我々が取り組んでいるところとしては、店舗での試着体験がしにくい現状なので、デジタルの中でリアルの顧客体験に近い技術を作り出すことが挙げられると思います。今まで近い技術はあったんですが、なぜ広がらなかったかというと、1着に対するコストがアパレル業界の1着に出せる投資額とフィットしていないというところがあるので、我々としては自動化できるところやAIに任せるところは任せてコストを下げることを進めているところです。
もう一つはデータを使える状態にするということがすごく重要です。我々がやっているようなスキャナ事業をやっている会社さんはグローバルにもいますが、データを生のまま企業さんに渡してもそれをどうやって今のサービスにつなげていくかというところは課題になります。アバター化できたり寸法サイズが取れる会社さんもいますが、撮れたデータをいかにつなげていくかというところも課題で、スムーズにサービスにつなげることができないということがジレンマになっています。
我々はそこはSDKやビューワーとして簡単につなげられるというシステムにしているので、使える状態にいかにできるかというところは今後のアパレル業界との取り組みにおいても重要ですし、トータルソリューションを提供していくというところがすごく重要であると思います。
ーー今おっしゃっていた内容は本当にそうだなと思います。新しいソリューションなので、イメージしにくいと思うのですが、これを読んでいるエンドユーザーが体感できる良さはどういうところにあると思いますか?
清末:今までリアルでやっていた体験、例えば店舗の試着室で着替えて友達に見てもらうとか、そういうことができるようになっていきます。コミュニケーションという軸になりますが、今までと明らかに違うのはSNSが出てきたことで多くの人に評価される、不特定多数にいいのか悪いのかの判断されるという時代になってきていると思います。そういう意味でデジタルにした時にリアルに近い試着ができるというのがファーストステップで、技術的にもコスト的にもそれが実現されたとして、それが顧客体験として自分の試着した結果を相対評価される母数が増えるというのが大きいところではないかと思います。
自分が持っている服が使えるというのも場所を特定しなくなっていくと思います。例えば自分がユニクロなどの店舗で買った服をメルカリなどの2次流通で販売するときに、誰かに試着してもらうのは今はできませんが、これが服のデータとしてDX化されて使えるようになっていれば、2次流通でも試着体験ができ、誰かに服の試着をしてもらったり、試着した服を評価してもらったりすることができるようになっていくのではないかなと思っています。
最後に
ーーありがとうございます。すごくわかりやすい例だなと思いました。服を新古品や中古で買う方も増えているので、試着ができると環境にも優しいのかなといういい未来が描けました。
最後に一言お願いします。
清末:今、メタバースとかアパレル、ヘルスケアなどいろいろな領域をやっていて膨大に仕事が増えていますが、開発人員もマーケティングの人員もぜんぜん足りていません。
こういった最先端技術に興味があって、グローバルなメンバーと一緒にやってみたいなという方がいらっしゃれば、経験問わず話をうかがいたいなとおもっていますので、ぜひご連絡いただければと思います。
ーー私も新しいメンバーのジョインをお待ちしています!清末さん本日はありがとうございました。