私たちBeansはどんなことにも「まめ」でありたいと考える、そんな広告屋です。
「クライアントに真摯に向き合い、一番近くであれこれよく動き、気が利いて、行き届いた仕事をする」をモットーにしています。まずは相手の立場に立って、共に悩み、進んでいく姿勢を大切にしています。どんなに私たちに利益の出る案件であっても、それが相手にとって利益とならないと考えれば、案件自体を考え直すようアドバイスします。それが、クライアントにとってのBeansの存在意義であり、価値だと思うから。
私たちは、クライアントにとって一番の理解者であり、良きパートナーでありたいと考えています。
Beansでは現在、新たに営業組織の拡大を進めています。そこで今回は、営業体制の強化を通じてどんな組織を目指していくのか。今後の展望や想いについて、鍋野社長にお話をうかがいました。
新たな10年へ。営業スタイルを再構築するフェーズに
10年前、Beansを立ち上げた当初は、営業をしていたのは僕ひとりでした。そのときにご縁をいただいたクライアントとは、今も変わらずお付き合いが続いています。
僕たちの営業スタイルは、「売りに行く」というよりも、既存のお客様との関係を深めながら、そこからお仕事を広げていくやり方。これはBeansらしさでもあり、僕自身が大切にしてきた姿勢です。ただ、この先の10年を見据えたとき、もう少し積極的に新たな営業活動にも取り組む必要があると感じています。
正直に言えば、僕自身の“天井”は見えつつある。これまでのやり方を続けるだけではなく、違うフィールドで挑戦するフェーズに入っていると思うんです。
だからこそ、今求めているのは、一緒に“新しい営業スタイル”をつくっていける人。単に「営業に行く」「売る」ということではなく、どんなツールを使うのか、どんな手段がBeansらしいのかを、トライ&エラーを重ねながら一緒に形にしていける人です。
広告を“つくる”だけではなく、価値を“導く”存在へ
正直、広告業界の未来は見通しづらい時代になっています。SNSが普及し、個人でも自由に発信ができる。ホームページもノーコードで作れますし、印刷物も外注サービスを使えば誰でも発注できます。
そうしたなかで、僕たちのような会社に本当に求められているのは、“ものづくり”だけではなく、その前段にある「どうすれば成果が出るのか」を一緒に考える――つまり、コンサルティング的な役割だと思うんです。
僕らは、言われたことだけをそのまま形にするような仕事はしません。
たとえば、「ECサイトを作ってほしい」と依頼されることがあります。でも、よく話を聞くと、注文を誰がどう受けるのか、発送を誰がどのように行うのか、その仕組みがまったく決まっていないケースも多いんです。そんなときは「それなら、まずはチラシやフライヤーのほうが効果的かもしれません」と提案します。
あるときは、クライアントの社長さんにインタビューをして、そこから“社是”や“社訓”を一緒に作ったこともありました。それを額に入れて会社の玄関に飾ってくれたんです。後日、「会長がすごく喜んでくれた」という話を聞いたときは、本当に嬉しかったですね。広告の仕事の枠を超えて、誰かの役に立ち、喜んでもらえる。そんな瞬間の積み重ねこそが、Beansの仕事の醍醐味だと思っています。
「自分たちの価値をどう生かしていくのか」。
その問いに向き合いながら、Beansは次の10年をかけて組織をさらに成長させていきたいと考えています。そのために、クライアントの課題解決を支援し、伴走しながら一緒にゴールを描いていく。そんな取り組みを通じて、広告の仕事にとどまらない価値を提供していきたいと考えています。
“人”を軸に、つながりを広げていく
これからの事業展開においては、「市場」や「領域」というよりも、やはり“人”を重視したい――その一言に尽きます。 もっと多様な人とつながりながら、Beansの活動を広げていきたいと考えています。
そのきっかけのひとつが、「杭瀬スタヂオ」でのBtoC事業でした。下町の方々と直接触れ合うようになって感じたのは、そこに流れる“人の温度”の違いです。視線の高さが変わると、見える景色も、感じることも変わるんです。
これからの時代に求められるのは、気軽に声をかけられるような「便利な人」――そんな存在だと思っています。困ったときにふと頼ってもらえる。そんな“ちょうどいい距離感”の関係こそ、Beansらしさなんじゃないかと。
だからこそ、僕たちは大きく構えるよりも、ミニマムな関係性を丁寧に積み重ねていくことを大切にしたい。人と人とのつながりを、これまで以上に重視したいと思っています。
クリエイティブの世界は、AIによってどんどん効率化が進んでいます。でも、どれだけ技術が進歩しても、“温度感”はAIには再現できない。Beansが掲げている「まめな仕事」というコンセプトの本質も、まさにそこにあります。
テクニックはAIに任せてもいい。けれど、人の想いに寄り添い、相手の気持ちをくみ取る“肌感覚”だけは、僕たちの手で守り続けたいと思うんです。取引先には大手企業もありますが、結局のところ僕たちが一緒に仕事をしているのは「企業」ではなく「人」です。相手が誰であれ、その人とどう向き合うか。そこにBeansの価値があると信じています。
社長のイベントではなく、Beansのイベントにしたかった
そういえば、設立10周年を迎えるにあたって、「せっかくだから周年らしいホームページが欲しいな」と、僕がぼそっとつぶやいたんです。すると、誰に頼むでもなく、気づけば誰かが動き出していて。気がつくと、ちゃんと形になっている。Beansには、そんな不思議な力があるんですよね。
みんながそれぞれに“好きなこと”を大事にしていて、でもどこかで自然とまとまっていく。誰か一人が旗を振るというより、全員がそれぞれの場所で小さく旗を掲げている。そんなチームの在り方が、僕はとても好きですね。
「杭瀬スタヂオ」で行ったイベントでも、僕から何かを指示したり、仕切ったりはしませんでした。「社長が言ったからやる」というイベントにはしたくなかったんです。これまでなら全部に関わっていたと思いますが、今回はあえて手を引きました。イベント当日も、子ども向けにバルーンアートをやっていたくらいです(笑)。
「杭瀬スタヂオ」も同じです。社長のスタジオではなく、“Beansのスタジオ”にしたかった。だからこそ、中川にすべて任せました。彼女は僕が思い描いていた未来図をしっかり引き継ぎつつ、自分のバイタリティでその場を自分色に染めてくれている。それが何より嬉しいんです。
社員一人ひとりが、自分の好きなことや得意なことを生かして、自然に動き出す。それがBeansという組織の一番の魅力だと思っています。
「面白がれる人」と働きたい
一緒に働くうえで一番大事にしているのは、やっぱり“空気感”です。会話が自然に噛み合う人、コミュニケーションが取りやすい人。その人の“人となり”を感じられるかどうかが、何より大切だと思っています。
Beansのメンバーは、壁があっても「それくらいの壁ならすぐに超えられる」「ここから先は難しい」とはっきり線を引ける人たちの集まりです。同時に、物事や人との距離感、いわば“ライン”をきちんとわきまえています。そうやって自分も相手も尊重しながら関われる、“ラインが見えている人”と一緒に仕事がしたいですね。
そしてもうひとつ、僕が求めているのは“面白がれる人”です。広告の仕事をしていると、クライアントから難しい要望をいただくこともあります。でも、それを「大変だ」と深刻に受け止めるのではなく、「どう楽しもうか」と前向きに取り組める人こそ、Beansに合っていると思うんです。
実際に、営業メンバーが僕のところに「この仕事、受けていいですか?」と相談に来ることがあります。予算や納期のことを気にしての質問ですが、僕がいつも返すのはシンプルです。「やりたいの? やりたくないの?」って。
やりたくないなら、やらなくていい。でも、やりたいと思えるなら、どうにかしてやりくりすればいい。その判断基準は、“面白がれるかどうか”なんです。
結局のところ、僕たちの仕事は、社会を大きく動かすようなものではありません。広告がなくなったとしても、世界が困るわけではない。だからこそ、せっかくやるなら楽しむべきだと思っています。
壮大な趣味をやらせてもらっているような感覚。それがBeansの仕事の本質ですね。やるべきことはもちろんあります。つらいこともある。でも、最後には「面白かったね」と笑えるような仕事をしていたいんです。
僕の一番の仕事は、「Beansを長く続けていくこと」です。社員一人ひとりが仕事を面白がり、安心して人生を築ける会社でありたい。これまでの10年を大切にしつつ、新しい挑戦にも積極的に取り組んでいきたいと考えています。共に挑戦し、次の10年を一緒に創ってくれる仲間と働きたいですね。