私たちBeansはどんなことにも「まめ」でありたいと考える、そんな広告屋です。
「クライアントに真摯に向き合い、一番近くであれこれよく動き、気が利いて、行き届いた仕事をする」がモットー。まずは相手の立場に立って、共に悩み、進んでいく姿勢を大切にしています。どんなに私たちに利益の出る案件であっても、それが相手にとって利益とならないと考えれば、案件自体を考え直すようアドバイスします。それが、クライアントにとってのBeansの存在意義であり、価値だと思うから。
私たちは、クライアントにとって一番の理解者であり、良きパートナーでありたいと考えています。
今回は、当社の新事業『HACO works』で「杭瀬スタヂオ」の運営に携わる中川さんにインタビュー。仕事の面白さや、自身が手がけたイベントについてうかがいました。
【プロフィール】
中川 紗也香:飲食業界を経てBeansへ入社。現在は2025年にオープンした「杭瀬スタヂオ」の企画・運営業務に従事している。
必要なときに協力し合える、理想の職場環境
――まずは中川さんのこれまでのキャリアを教えてください。
栄養士として3年間働いたのち、自営業でカフェを経営していました。コロナ禍をきっかけにお弁当やお惣菜の販売も始めましたが、次第に「もっと大きな仕事に挑戦したい」という思いが強くなり、東京のケータリング事業会社へ転職。3年ほど勤めたのち、地元の関西に戻りWebデザインの勉強を始めました。
ケータリングの現場では、撮影用のお弁当や懇親会のレイアウトなど、見た目の華やかさが求められる場面が多く、そこから「デザインで人の印象や気持ちが変わる」と感じるようになりました。その経験を機に、デザインを基礎から学びたいと思うようになったんです。
Illustratorなどを学ぶうちに興味は深まり、広告デザインに関わる仕事を探すように。そして2024年12月、Beansに入社しました。
――Beansへ入社を決めた理由は?
WantedlyでBeansを見つけ、興味を持ったのがきっかけです。まず惹かれたのは、アットホームな雰囲気でした。
実際に面接でオフィスを訪れてみると、打ち合わせは必要最低限で、各自が自分の仕事に集中できる環境でした。オンとオフのメリハリがありながらも、それぞれが自分の仕事に真剣に取り組み、必要なときには協力し合っている。まさに、自分が理想としていた「仲の良さ」だと感じました。
自由な発想が生まれる、スタジオ運営の面白さ
――現在の業務内容を教えてください。
当社が運営する尼崎市のレンタルスタジオ「杭瀬スタヂオ」の運営業務を中心に担当しています。スタジオでは、予約がある日はお客様が来る前に部屋の片づけや清掃、連絡対応などを行います。オープン当初は撮影利用が中心でしたが、最近ではイベント利用が全体の3〜4割を占めるようになりました。イベントによっては、重たいベンチを運ぶなど力仕事も発生します。
イベント中は、様子を見ながら新しい企画を考えます。また、大きな音が出るイベントや来場者が多い場合には、ご近所へのご挨拶に伺うことも。お客様が帰られた後は片付けや清掃を行い、一日の業務を終えます。
働き方としては、週の半分はスタジオ、残りの半分はBeans本社で勤務しています。本社では、デザイナーやコーダーの手が空いていそうなときに声をかけ、企画の相談などを行うこともあります。
――スタジオ運営の業務の中で、特に面白いと感じる瞬間はどんなときですか?
想像していなかったスタジオの使い方をしていただいたときに、面白さを感じます。
イベントの内容は本当に多岐にわたります。近所で行われるスカッシュの試合の控室として利用されたり、キッズダンススクールの子どもたちが70名ほど集まりムービーを撮影したり、近隣企業の周年祭に使われることもあります。夏休みには盆踊りの練習会場になったこともあり、老若男女問わず幅広く利用され、さまざまな交流も生まれています。
私自身も企画を行いますが、お客様の提案で実施するイベントも多くあります。たとえばキッズダンスのイベントでは、「1階のスペースが空いているのがもったいない」との声を受け、キッチンカーを持っている保護者の方が営業を兼ねてかき氷を振る舞ったこともありました。
一般的な貸しスペースでは用途が限られることが多いですが、当社のスペースは自由度が高く、空間の使い方もお客様次第。思いもよらない形で空間が活かされる様子を見るのが、とても楽しいですね。
杭瀬の街とお客様と共に、新たな文化を生み出す
――スタジオ運営にあたって、苦労した部分を教えてください。
近隣の方々とのお付き合いには、特に気を遣いました。イベント前にはご挨拶にうかがいますし、みなさん「気にしなくていいよ」と言ってくださるのですが、本当にご迷惑になっていないか、いつも気にかけています。周辺は民家も多く、地元の市場で休みなく働く方々もいらっしゃいます。地域の方々が長年かけて築いてきた街なので、大切にしたいと思っています。
日々のコミュニケーションでは、あまり“仕事モード”になりすぎないように心がけています。天気の話や日常の会話から始めたり、近所のお店を教えてもらったりと、自然なやり取りを大切にしています。こちらから壁を作らないように意識することで、少しずつ信頼関係が築けてきたように感じます。カフェを経営していた頃の接客経験がすごく活きていますね。
――杭瀬という街には、どんな印象をお持ちですか?
自分のおじいちゃんやおばあちゃんがたくさんいるような、そんな温かい街だと感じています。もちろん年齢に関係なく、地域のみなさんがいつも見守ってくださっているような感覚です。
イベントを行う際には、新聞紙をたくさん提供してくださったり、自転車の置き場を気にかけてくださったり、お菓子を差し入れしてくれる方もいます。翌日には「昨日は大変そうだったね。お疲れさま」と声をかけていただくこともあり、その一言に心が温かくなります。地域の方々やお客様に支えられ、引っ張ってもらいながら運営できていると感じます。
自分たちのアイデアを形にできる、Beansならではの手作りイベント
――2025年8月に開催された『夏のHACOまつり feat.宇津呂鹿太郎ライヴ』は、どのように企画されたのですか?
あるとき、スタジオを利用された方から「この障子の感じ、すごく雰囲気があるね」と言われたんです。それがきっかけで、「ここで怪談を語ってもらったら面白いかもしれない」と思い付きました。そこで、尼崎で怪談の売買をされている宇津呂鹿太郎さんにお声がけしてみたところ「ぜひやりましょう!」と快諾してくださって。
そこから、怪談ライブに合わせてBeansとしてもイベントを企画しようという話になり、社員全員でアイデアを出し合いながら準備を進めました。肝試しやお祭り会場のような演出も加え、どんなイベントになるか楽しみにしながら、みんなで一から作り上げました。
当日は、怪談好きの方はもちろん、地域の方やお子さん連れのご家族までたくさん来てくださり、大盛況でした。正直、かなり怖かったです(笑)。
――準備や運営では、どのような点が印象に残っていますか?
高校生の文化祭以来の“手作りイベント”で、協力しながら進めていく過程がとても新鮮でした。決まりごとがない分、「どう動いてもらうか」「どう見せるか」を考えるのは難しかったですが、その分、自由に発想できるワクワク感もありました。
デザイナーがキャラクターのパネルを作ったり、段ボールでお墓を作ったり、スタッフTシャツやライブ限定のオリジナルTシャツ、うちわを制作したりと、次々にアイデアが生まれて止まらないほどでした。みんなが「自分たちのやりたいことを精一杯やる」ことを、心から楽しんでいましたね。同時に、自由な発想を活かして、チーム全員で一つのイベントを完成させることができたのは、Beansならではの魅力だと感じました。
――イベントの反響はいかがでしたか?
参加者の方からは「ぜひ定期的に開催してほしい」という声をいただきました。特に子どもたちは、お祭りのゲームに参加すると引換券がもらえ、その枚数に応じてガチャガチャが回せる仕組みにしていたんです。そのガチャガチャの中には、デザイナー手作りの缶バッジが入っていて、これが大人気であっという間になくなってしまいました。
参加者の方々と一緒に盛り上がりながら、みんなが笑顔になれるイベントになったのが本当にうれしかったですね。
柔軟さを持ち、チームを引っ張れる仲間と働きたい
――今後の展望について教えてください。
現在は、卒業作品の展示や販売の練習など、学生さん向けのプランを検討しています。また、子ども向けのイベントも企画中です。地域に密着しながらも、さまざまな方に広く利用してもらえるスタジオを作っていきたいですね。そして、より多くの人にスタジオの存在を知ってもらい、出会いを通じて新しいつながりを生み出していければと思っています。
――どのような人と一緒に働きたいですか?
“文化祭の実行委員”のような気持ちで、率先して動きながら仲間を引っ張れる方と一緒に働きたいですね。計画的に取り組むことも大切ですが、臨機応変に対応できる柔軟さも求められます。
また、この仕事は想像以上に頭も体力も使います。会社の方向性に寄り添いながら進めつつ、新しいアイデアを生み出す企画力も必要です。さらに、近くの市場の方々と密に活動する場面も多々あるので、街づくりや地域創生に関心がある方であれば、特に楽しく働けると思います!