TVer Tech Blog
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2024年4月、株式会社TVerはデータ活用を強化すべく、データストラテジー本部を設立しました。全社的にデータを活用しやすい環境の実現に向けて、データの分析・提供から品質管理までを担うのが、クオリティコントロール部です。
今回は、同部署で部長を務める小野寺に、現在の取り組みや目指す姿、仕事の魅力を聞きました。広告クリエイティブやテレビ番組の制作経験を持つ小野寺が見据える、TVerにおけるデータ活用の可能性についても迫ります。
■プロフィール
データストラテジー本部 クオリティコントロール部 部長:小野寺 正実
半導体設計エンジニアを経て、インターネットベンチャーへ転職。その後、株式会社バスキュールにて広告クリエイティブのテクニカルディレクターを務め、国内外の広告賞を多数受賞。日本テレビとバスキュールの合弁会社HAROiDの立ち上げメンバーとして参与し、分社化や担当業務の事業吸収を経て、2020年よりTVerへプロダクトマネージャーとして参画。2024年4月に異動。
──広告クリエイティブの制作経験が長い小野寺さんが「テレビ」の領域に関わるようになったきっかけは何だったのでしょうか?
バスキュールでテクニカルディレクターを務めていた2013年頃、放送局と協業したテレビ番組制作の機会をいただきました。手がけたのは、当時としては画期的だった視聴者参加型番組や、インターネットとの連動企画です。
これまで、誰も見たことのない表現を突き詰める仕事に大きなやりがいを感じていた私にとって、放送というインパクトの大きい領域で新しい取り組みにチャレンジできることは、非常に刺激的で楽しかったですね。
その後、日本テレビとバスキュールが設立した合弁会社HAROiDの立ち上げメンバーとして、プロダクトマネージャーを務めるようになります。HAROiD時代にも、テレビとインターネットを融合させたコンテンツ企画や新たなビジネススキームの構築など、さまざまな経験をさせてもらいました。
──TVerへ参画した経緯についても教えてください。
2019年にHAROiDは分社化し、ID/データ部門がTVerの前身であるプレゼントキャスト社に事業譲渡されました。私はそのタイミングで新規事業を担当するためにもう一方の会社に残ることとなり、一時テレビに関わる仕事から離れます。
事業の立ち上がりを見届けてから、TVerの一員として加わったのが2020年4月のことです。TVer参画後は、2024年3月まで現・サービスプロダクト本部に所属し、プロダクトマネージャーとして、TVerというプロダクトのコンセプトおよび中長期ロードマップの策定に携わりました。4月からは、新設されたデータストラテジー本部クオリティコントロール部へ配属され、部長を務めています。
──TVerでは自社プロダクトの開発という、また異なるポジションを経験されたんですね。
そうですね。ただ、広告会社でクリエイティブを制作するときも、TVerで自社サービスの機能を開発するときも、最も重要なポイントは変わりません。それは、届ける先のユーザーにどう伝わり、どう感じていただけるか、ということです。
TVerの開発においては、放送局との連携や個人情報の保護など、考慮しなければならない要素が多くあります。一方で、ユーザーにとっては「そのサービスを利用する価値があるか」という点が最も重要です。
ユーザーへ価値を届けながら、TVerの事業成長にも寄与する。この二つを実現するため、社内外のさまざまなステークホルダーの方々と対話を重ねながら開発を進めています。こうした全方位への配慮や働きかけは、クリエイティブの制作に携わっていたときも同じく意識していたことです。
──2024年4月に設立されたクオリティコントロール部は、どのような部署なのでしょうか?
クオリティコントロール部は、大きく2つの業務を担っています。一つは、社内のデータ流通や活用フローの整備といったデータマネジメントです。現在、私がメインで携わる業務でもあります。
もう一つは、社内および放送局向けのデータを収集・分析し、加工して提供することです。こちらは、部内に所属するデータエンジニア、データサイエンティスト、データアナリストが実務を担当しています。
──TVerでデータを扱う仕事の魅力は、どのような点にあると感じますか?
最大の魅力は、TVerでしか経験できない領域のデータに携われることです。国内最大規模のサービスとして有している数多くのユーザー情報に加え、他企業では扱う機会がなかなかない放送局の視聴データにも触れられます。
また、TVerにおけるデータ活用はまだ発展途上であり、挑戦できる余地が大きいことも魅力の一つです。
保有するデータを活用したサービス向上やユーザーへの価値還元、放送業界に対しての貢献など、現在もさまざまな挑戦をしています。データ領域で裁量をもってチャレンジをしたいと感じている方には、手ごたえのある挑戦環境が整っているのではないでしょうか。
──部内の雰囲気についても教えてください。
日頃から、意見交換や壁打ちが活発に行われています。たとえお互いの考えが異なっても、反発し合うのではなく、相手を尊重しながら何がベストなのかをとことん議論できるのです。疑問があれば積極的に相談しに行き、その領域に詳しい人の話を柔軟に取り入れる素直さを持ち合わせたメンバーが多いと感じますね。
また、データ分析に関する施策を進める際には、他部署の実務を理解することも重要なため、部を越えたコミュニケーションにも意欲的です。「自分の仕事はここまで」と線引きせずに、周りを巻き込みながら仕事を進めようとする姿勢のメンバーが多いです。
まさに、TVerがバリューとして掲げる「挑戦者」「仲間」「プロフェッショナル」という三つの言葉どおりのチームだと感じています。
──クオリティコントロール部の目指す姿について聞かせてください。
私たちの最終的な目標は、社内の誰もが必要なデータへ容易にアクセスできる環境を整備することです。
現在は、各部署からの依頼を受けてデータの分析・提供を行っています。今後は、必要となりそうなデータを事前に用意しておくことで、社内全体でのデータ活用をよりスムーズかつ活発にしたいと考えています。
そのために今、私たちが注力しているのは「データシステム全体の認知コストを下げる」ことです。
TVerは、サービス規模の急成長に伴い、扱うデータ量も著しく増加しています。その中で、あらゆるデータの出所や流通経路の透明化が急務となっています。まずはこの課題に着手し、データシステムのメンテナンス性、リスク管理力、品質の向上を目指す予定です。
──現在、部内では積極的に採用を行っています。どのような方に仲間に加わっていただきたいですか?
「データを用いて、課題をどう解決するのか」を主体的に考え、整理しながら実行に移せる方を歓迎します。
例えば、他部署から「TVerの現状をデータから分析したい」という相談が来たとき、相手はどのようなことに課題を感じているか、その背景をしっかりと理解しなければなりません。課題をどう定義するかによって、ソリューションとなるデータの出し方も変わってくるからです。
単に作業としてデータを提供するだけでなく、丁寧なコミュニケーションや本質的な課題解決につながる提案力が求められます。
──スキルはもちろんですが、業務への姿勢や周囲との向き合い方も重要だと言えそうですね。
その通りです。そして「テレビを開放して、もっとワクワクする未来を」というTVerのミッションに共感いただける方と、ぜひ一緒に実現したいと考えています。
これまでのテレビの概念を大きく変革するという取り組みは、自分自身を含め、多くの人たちの生活や視聴体験をアップデートする可能性がある。そう考えただけでワクワクしませんか?
現時点での放送業界の経験や知識は問いません。データの力で、想像を超える未来を創る仕事にご興味を持っていただけたら、ぜひ扉を叩いてみてほしいと思います。
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