別のコラムで割愛した「103万円の壁」についてコメントしようと思います。さきにお断りしておくと、私は税理士ではなく税務当局の職員でもありません。ただ仕事柄、長年「税」と付き合って来た身として昨今の報道に猛烈に違和感があるため敢えてこのコラムを作りました
タイトルにもある「税(金)の本質」は「みんなからお金を集めてみんなのために使う」です。例えば所得税や消費税で集めたお金を公共事業や社会保障に使うという意味です。税を納付することは社会の一員であることを意味し、自己の責任を果たしていることにもなります。「経済を回す」にも近い概念です
そうなると税の使い方が気になります。税率が上がっても、その使う先がよく分からないインバウンド留学生への補助金だったり政治家による使途不明金だったりすると我々は声を上げて差し支えありません
しかしだからといって「103万円の壁」よろしく「税金をいかに納めないようにするか」と取られかねない施策は、民主主義国家日本の自由競争経済の発展の逆を行くことに他なりません
私の身の回りにかつて「私、扶養の範囲内でしか働けないんですぅ」「でないと夫に怒られるのでー」などという同情すべき部下が数多く居ましたが、この考え方にも私は違和感ありありです。手取りを増やそう、これはOKです。賢く節税しましょう、これも良いでしょう。働きたいけど働けないのには様々な事情があるでしょうからやむを得ないとしても、心身ともに健康で働きたい人は社会に出て存分に働くべしというのが私の揺るぎない主張です
手取りを増やしたいなら税金を回避するのではなく懸命に働く。働いて稼いだなら法令に従って納税し、社会の発展に貢献してこその国民だと、私は考えるのです

スマホからInstagramストーリーズに投稿しよう
スマートホンのカメラを起動してQRコードを読み取ってください。