私は、2013年に「株式会社英宝」という会社をつくりました。
この会社のミッションは「遊びから文化の創造へ」、ゴールは「株式会社英宝を立ち上げた静岡にマジック・ザ・ギャザリングの博物館をつくる」です。
「カードゲームを文化にするってどういうこと?なぜ博物館なの?」
そんな疑問が頭に浮かぶ方もいらっしゃると思います。
今回は、「なぜ私はマジック・ザ・ギャザリング(以下、MTG)の博物館をつくろうと思ったのか」について、少しだけ語らせていただきます。
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私がMTGに出会ったのは高校生の頃。
私にとってMTGは「最高のパートナー」、そういっても過言ではない存在でした。
長年憧れていた魔法の世界を体感できるカードゲームがあるなんて…と、私はあっという間にMTGの虜になったのです。
そのまま熱が冷めることなく、MTGのカードを扱う会社までつくってしまったのですから、MTGにかける想いの本気度をお分かりいただけると思います。
そんな私が博物館をつくろうと思ったのは、とある事件がきっかけでした。
その事件を一言でいうと「カードの価値を知らない人による、カードの破棄」です。
ある時、弊社の考え方に共感してくださったお客様が、大切なMTGの原画を「英宝さんに託したい」と言ってくださったことがありました。
この原画は、世界中にあるMTGカードの「元の絵」となるもので、1種類のカードにつき、この世にたった1枚しかありません。
そのため希少性が高く、近年は高いものだと数千万円〜数億円の値がつくこともあります。
原画は、カードと違って保管するにも場所をとります。
1人のプレイヤーが生涯で収集できる原画には限りがあり、個々人がその制約のなかで苦労して集めてきたそれは、まさに「宝物」といえるでしょう。
そんな貴重な原画が、本人の知らないところで家族によって破棄されてしまったのです。
カードを知らない人からすれば、捨ててもいいものに見えたのかもしれません。
でも、私たちマジックプレイヤーからすれば、言葉にできないほどの悲しい事件でした。
しかも、こういった悲しい出来事は、至る所で後を断ちません。
私はあの事件のあと、「MTGの価値を正しく世の中に伝えていこう。そして、MTGが後世にわたって大切にされるように、この文化を継承していこう」と心に決めました。
私がゴールに掲げている博物館の建設は、そんなMTGの価値を守るためのものです。
なぜ博物館という形をとるのか?
そのヒントは、世界的名画『モナリザ』にあります。
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モナリザは、レオナルド・ダ・ヴィンチがつくりだした1つの作品でありながら、その文化的価値の高さに、今はフランスの国有財産としてルーブル美術館で保管されています。
たった1人が生みだした作品が、時代と共に文化へ昇華したのです。
これと同じことがMTGでも起こり得るのではないでしょうか。
この世にMTGが生まれて約30年。今やMTGは、プレイ人口およそ600万人、9ヶ国語への翻訳、64ヵ国での販売など、世界中で愛されるカードゲームになりました。
貴重な原画、カード、コレクション…そういった数々の作品は、もはやただのカードゲームの域を超えています。
この文化的資産を後世にまで受け継ぎ、MTGという宝が価値を知らない誰かによって失われることを防ぐためにも、私は博物館をつくりたいのです。
ちなみに博物館の建設は、私の故郷である静岡のいずれかの場所で考えています。
すでに建設に向けて色々と計画を進めているのですが、その辺の話はまたおいおいさせていただくことにしましょう。
今回は、MTGに対する私の想いが少しでも届けばうれしいです。
最後に…
当社では、新規事業を一緒に盛り上げてくれる新しいメンバーを募集しています!
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