こんにちは、採用担当の緒方です。今回はインタビュー企画第2弾として代表の時津さんにお話を聞きました。
——まずは、これまでの経歴を簡単に教えてください。
大学の工学部を卒業後、マスターカードに入社しました。マスターカードはご存じの通り、世界で一番多くの消費者購買データを持っている会社の一つで、そこで大規模データを使った分析を実施し、売上と利益を伸ばすためのインサイトの提供や施策の効果検証を提供していました。
その後、Palantir Technologiesという、最近流行りの「FDE」というポジションを創った会社に転職しました。FDEとしては、単なる機能開発を担うエンジニアの役割に留まらず、顧客の現場に入り込んで課題を整理しつつ、それを解決するためのソリューションの提案、業務フローの構築、アプリの実装などを行っていました。
FDE(Forward Deployed Engineer)とは、顧客の業務や組織、社内システムを深く理解して課題を明確にし、解決するためのシステムを実装するエンジニアのこと。システム開発には生成AI(人工知能)を用いて、検証と実装のサイクルを高速に回す。米OpenAI(オープンAI)と米Anthropic(アンソロピック)が2026年5月、FDEのチームを抱える新会社を相次いで立ち上げたことで関心が高まっている。
出典:日経クロステック 客先常駐と似て非なる「FDE」、上流に強み 少数精鋭で知識集約型(2026/6/5)
——データという軸を持ちつつ、戦略から分析、システム実装まで様々なフェーズに関わってこられたんですね。その後、どうしてilldefinedを起業したのでしょうか?
大きな理由としては、データというものへの向き合い方を変えれば、企業の意思決定の精度がもっと高められるのではないかと考えたからです。
データ活用の領域に身を置く中で、データに対してクライアントから求められるプロジェクトは大きく2つであることが見えてきました。一つがマスターカードで経験してきたような、今あるデータから意思決定に対する示唆を得たい、というお題。もう一つがPalantirで経験してきたような、意思決定に対する示唆を簡単にデータから出せる仕組みを整えたい、というものです。
どちらのタイプのプロジェクトもとっても面白いのですが、振り返ってみると、この二つが全く別のプロジェクトとして扱われているのは正しいのか?という疑問が、キャリアの中で蓄積されていっていたような気がします。
そんな中、企業の意思決定に最も貢献できるデータ分析は、今あるデータによる示唆出しでも、それを自由自在に行うためのデータの蓄積でもなく、それらを前提としながら最もコスト低く意思決定に必要なデータを収集する仕組みを作るということなのではないかと考え、それを形にするプロダクトを作ろうと思いました。
——なるほど、起業前の仕事でデータの蓄積やデータを使った示唆出しをプロジェクトとして経験してきた中で、その先にやるべきことが見えたということなのでしょうか?
そこまで大した話ではないと思っています(笑)。本当に素直に考えてみたときに、清水の舞台から飛び降りるような大きな決断をする際には、「今ある手元のデータから考えられるのはこう」という考え方ではなくて、「それが妥当なのかを飛び降りる前に検証したい」と思うのが人情じゃないかな、程度の話です。
でも、現状でデータが意思決定に貢献している方法と、その人情に、ちょっとズレがあるんじゃないかな?と思いました。じゃあ、「飛び降りる前に検証したい」ってどういうことかなというのを考えた先に、当社のプロダクトであるiteratoが生まれました。
iteratoは、「今決めるべきことについて、何が分かれば決められるのか?」を問いかけて、意思決定に必要なデータを最小コストで取得する方法を提供するプロダクトなんです。そうすれば命懸けの選択でも、妥当性についてより確信を持って意思決定を下せるんじゃないか、と考えています。
——ありがとうございます。プロダクトについては、プロダクト責任者の方にも今後詳しくインタビューさせていただく予定なので、とても楽しみになってきました。さて、起業されて3年弱ほど経ちますが、経営の中で大切にしていることはありますか?
業務プロセスの言語化・ドキュメント化を大切にしており、これにより属人化を防ぎ、誰がやっても同様のアウトプットを出せる状態を徹底しています。
多くの企業では、意思決定が仕組み化されていないことにより、意思決定が遅れたり、あるいは誤った意思決定につながることがあると感じていました。
業務プロセスを明文化することで、どの問いに対して答えが出せれば意思決定ができるのかを示し、お客様へのサービス提供の中でも明確なアクションにつながる結果を分析として届けるようにしています。
意思決定の仕組み化によって、最低限のリソースの投資で質の高いアウトプットを提供できるようになるため、同業他社と比較しても安い価格でサービスを提供できています。
お客様の中でも何が決まれば良いのかが曖昧=”illdefined”の状態になっている個所を明確にし、適切なところにリソースを投入できるようにプロセスを作り明文化すること=”well-defined”にしていくことを重視しています。
——日々の皆さんの仕事を拝見したり、社員の澤田さんにお話を伺う中でも、それが徹底されていることは感じていました。来年には4期目を迎えるにあたり、今後の展望や挑戦していきたいことを教えてください。
大きく2段階の成長を考えています。
1段階目は、iteratoを効果検証プロダクトとしてより多くの企業に届けていくことです。
特に小売やメーカー、アプリ・サブスクリプションを持つ企業での実績が増えており、iteratoとの相性が非常に良く、より大きな価値を届けられる業界であると認識しているので、これらの業界に効果検証の仕組みとしてiteratoを徹底的に広げていく必要があります。
そのためには経営として、1アカウントあたりのデリバリー品質を高め、効率的にそれをスケールさせていく会社内部の仕組みを磨き込んでいかなければいけません。先程の社内の業務を徹底して言語化する、ドキュメント化する、というのはその一環ですね。
2段階目は、iteratoを意思決定のための業務プロセスとして定着させていくことです。
実は、私自身はあまりiteratoを分析サービスだと捉えていません。もちろんiteratoの内部で高度な分析は行っているのですが、iteratoに対するユーザーの認知は、「分析をするぞ」ではなく、「意思決定に必要なデータを取得するぞ」であってほしいなと思っています。
言い換えると、1段階目ではiteratoを用いてクライアントの意思決定のプロセスにABテストやそれらしきものを外付けしていくことで、意思決定に必要なデータを取得し、意思決定を下していただきます。
その先の2段階目には、その意思決定のプロセスがより迅速に、効率的に動くように会社の仕組みやシステム側を変えていく、という世界があり得ると考えています。ここで動くお金は桁が2つも3つも違ってくるので、そういうお付き合いをするに相応しい企業になれるよう、自分たち自身を磨き込んでいきたいです。
Salesforceが営業の正解となるプロセスを定義したように、私たちが意思決定の正解となるプロセスを定義して広げていくぞ!という、馬鹿馬鹿しく聞こえるかもしれないけれどもひたむきな思いで、毎日クライアントと向き合っています。
——非常に楽しみなフェーズですね。最後に、そのような事業の拡大に貢献してくださる候補者へのメッセージはありますか?
我々が提供できる価値に共感いただける方、興味を持っていただける方とぜひ一緒に働きたいです。
illdefinedがやっているのはデータ分析ではなく、意思決定をするために必要なデータをどう効率的に取得していくか、という仕組みづくりです。企業がいままで持っていなかった仕組みを、本気でクライアントの中で動かす、というのは生半可なことではありません。課題を捉え物事を動かしていくコンサルティングスキル、業務を支えるシステムやそこから発生するデータの全体像をイメージしながら仕組みを実装していく専門性、そして何より前提として自分自身が一緒に働きたいと信頼される人間力の全てが必要で、ビジネスの総合格闘技だと思って取り組んでいます。
こういった経験は他の企業でも求められますし、今後のキャリアにとって絶対にプラスになると思います。
また、データ分析と生成AIは切っても切れない関係になってきている中で、ユニークなキャリアを提供できるのではないかと思います。生成AIによって、既存のデータを使った分析はどんどん代替されていくと考えています。ただ、繰り返しになりますが、我々はAIとは逆のアプローチで意思決定に必要なデータを取ってくるということをやっています。このアプローチの違いは、データ分析をやりたい、データの価値はもっと大きい、と信じて生成AIとの差別化を考えて行く上で、一つ示唆的なものになりうるんじゃないかと信じています。
——チャレンジングな課題を解決しお客様に価値を届けながら、今後ますます価値が高まる人材としての経験やスキルを得られるということですね。ぜひ、興味を持った方に集まっていただきたいと思います。時津さん、本日はお時間をいただきありがとうございました。
illdefinedでは現在、今後の事業拡大に貢献いただける社員を募集しております。
新規営業やプロジェクトの管理を行う事業開発・プロジェクトマネジメント職や、プロジェクトの推進を行うコンサルタント職を募集しておりますので、ぜひチェックしてみてください!
今後も事業内容や業務内容をより詳しくご紹介する記事の公開を予定しておりますので、ぜひご期待ください。