今回は、当社代表の関戸隆にインタビューしました。東大理科3類に入学後、在学中に起業・会社売却を経験し、2024年7月にOptimAIze Consultingを創業。「医者になれば数千人を救える。でも、AIで医療を変えれば数億人を救えるかもしれない」——そんな覚悟で医療AIの道を選んだ関戸が、創業の原点と未来への想いを語ります。
プロフィール
- 名前:関戸 隆(せきど りゅう)
- 役職:代表取締役
- 経歴:
- 1997年生まれ、東京都出身
- 東京大学理科3類 入学
- 大学2年次に仮想通貨メディア「CoinOtaku」を創業、上場企業に売却
- 2024年7月、OptimAIze Consulting株式会社を創業
「誰もやらないなら、自分たちがやるしかない」——創業の原点
――まず、OptimAIze Consultingを創業した背景を教えてください。
日本の医療費って、年間約50兆円なんです。そして少子高齢化によって、この数字は今後さらに膨らんでいく。このままでは医療インフラが維持できなくなると言われています。
でも、東大医学部に入っても、周りを見渡すと...正直、この課題に本気で向き合おうとしている人がいなかったんですよね。みんな自分の医師としてのキャリアのことばかり。もちろんそれも大事なことですが、「日本の医療をどうにかしよう」という視点を持っている人が、あまりにも少なかった。
――それは意外ですね。日本の医療の最前線にいる人たちなのに。
そうなんです。だからこそ、**「誰もやらないなら、自分たちがやるしかない」**と思いました。
数千人ではなく、数億人を救う道
――医師になるという選択肢もあったと思います。なぜ起業という道を選んだのでしょうか?
医者になれば、一生をかけて数千人、多くて数万人の患者さんを救うことができます。それは間違いなく尊い仕事です。
でも、もし医療業界にAIで変革を起こせたら、話は変わってくる。
たとえば、AIによって医師の事務作業が減り、その分の時間を患者さんに向き合うことに使えるようになったら。製薬会社のデータをAIで解析して、今まで見つからなかった新薬の可能性を発見できたら。
そうすれば、数百万人、もしかしたら数億人の命や生活を良くする手伝いができるかもしれない。
――スケールが全然違いますね。
もちろん、リスクは高いです。起業なんて、うまくいく保証はどこにもない。でも、東大医学部というリーディングポジションにいる自分たちがやらなくて、誰がやるんだと。
ノブレス・オブリージュ——恵まれた立場にいる者には、それ相応の責任がある。そういう気持ちが、創業の原点にあります。
コロナ禍で出会った「最強のチーム」
――創業メンバーはどのように集まったのですか?
コロナ禍って、みんな時間があったじゃないですか(笑)。その時期に、周りの東大医学部の同期や先輩たちが、独学でエンジニアリングや数理・データサイエンスを学んでいたんです。
もともと優秀な人たちが、プログラミングやAI技術を身につけている。**「これ、今やらなかったらいつやるんだ」**と思いました。
そしてちょうどその頃、ChatGPTをはじめとするLLM(大規模言語モデル)が登場した。
周りには優秀なエンジニアがいる。東大医学部という専門知識がある。そしてAIという強力な武器が手に入った。
「今しかない」——そう確信して、2024年7月に創業しました。
参入障壁を高める「専門性」という武器
――創業から1年半ほど経ちましたが、チームはどう成長しましたか?
ありがたいことに、栗川先生が参画してくれました。栗川先生は東大医学部の助教で、研究でデータ分析を専門にされている方です。
彼が入ってくれたことで、チームの専門性がさらに深まりました。今では東大医学部出身のエンジニアが7名在籍していて、MD(医師免許)やPh.D(博士号)を持つメンバーもいます。
――それは他社には真似できない強みですね。
まさにそこが私たちの参入障壁なんです。
医療AIって、技術だけあってもダメなんですよ。医学的な知見がないと、クライアントである製薬企業や医療機器メーカーと対等に話ができない。逆に言えば、東大医学部という「パス」があるからこそ、参入障壁の高い医療領域で評価をいただけている。
大阪大学との認知症診断AIの共同研究や、アンジェスさんとのAI創薬プロジェクトも、この専門性があったからこそ実現できました。
11人のスタートアップが、日本の医療を変える
――現在の組織体制と、今後の展望を教えてください。
今はエンジニア7名を中心に、インターン生を含めて11名の体制です。小さなチームですが、フラットで、めちゃくちゃ議論する組織ですね。
インターン生が僕に直接戦略の提案をしてくることも日常茶飯事です。階層じゃなくて、合理的でスピーディな意思決定を最優先にしています。
今期末までには21名体制を目指していて、営業・人事・エンジニアを強化していく予定です。
――最後に、この記事を読んでいる方へメッセージをお願いします。
正直、やっていることは難しいし、リスクも高いです。でも、日本の医療を本気で変えようとしているチームは、そう多くないと思っています。
「医療×AI」に興味がある人、「誰もやらないなら自分がやる」というマインドの人、ぜひ一度話しましょう。
11人のスタートアップが、日本の医療インフラを守り、数億人の人生を良くしていく。その物語を、一緒に作りませんか?
編集後記
「誰もやらないなら、自分たちがやるしかない」——関戸の言葉からは、若さゆえの無謀さではなく、むしろ冷静な覚悟を感じました。東大医学部という恵まれた環境にいるからこそ感じた責任。創業1年半で大阪大学やアンジェス、TWOSTONE&Sonsとの提携を実現した実行力。OptimAIzeの挑戦は、まだ始まったばかりです。