株式会社TCDは、「経営に、デザインの力を。」をコンセプトに、企業のブランディング支援・デザイン支援をトータルで手がけています。
とりわけ最近多いのが企業理念の見直しのご相談です。
企業理念の策定は、企業の理想像やぶれない軸を言葉にして、企業を取り巻く社内外の人を突き動かすような「言葉の力」が求められます。今回募集するコピーライターの方にも、こうした企業理念のライティングを担っていただきます。
コピーを磨き上げることはもちろん、クライアントと対話を重ねて想いを引き出し、それを本質的な言葉へと昇華させていく。そんなプロセス全体に関わっていただく仕事です。
本記事では、TCDプランナーの麻生が「企業理念のライティング」についてご紹介。実際のプロジェクトを通じて感じた、この仕事の魅力とやりがいをお伝えしていきます。
初めての理念草案提案 ー 徳山建設様との出会い
入社3年目の頃、お手伝いさせていただいた「徳山建設株式会社」(当時の社名は徳山土木株式会社)の企業理念開発は、上長と2人で担当し、初めて自分が考えた理念の草案をクライアントに直接提案させていただいた貴重な機会でした。
徳山建設は兵庫県西宮市にある、兵庫/大阪エリアの土木事業を担う総合建設会社です。その大きな特長は、民間工事と公共工事の両方を手がけることで培われた、難しい仕事をこなす「高い技術力」。民間工事では大手ゼネコンの一次協力会社として、マンションの外構工事や敷地内の公園、道路のセットバックなどを手がけ、公共工事では、兵庫県内の道路や河川、上下水道、防潮堤などの元請け工事を行なっておられます。
キーマンヒアリングで触れる、企業の「核」にある想い
理念策定のためにまず行うのは、キーマンヒアリングという、企業のキーパーソンへのヒアリングです。徳山建設では、徳山社長や専務、部長へのヒアリングを実施。民間工事、公共工事での詳しい仕事内容や市場概況をはじめ、ブランドの強みや弱み、今後のビジョンなどをお聞きし、徳山建設のあるべき姿を深掘りしていきました。
毎回その業界についての下調べを行った上でお話を伺いますが、下調べだけでは見えてこない、熱い想いに直接触れられるのがキーマンヒアリングの醍醐味です。徳山建設のキーマンヒアリングでは、特に徳山社長の想いの強さに圧倒されました。
例えば、見栄えが悪ければ施工をやり直すことも厭わない「妥協のない仕上がりへのこだわり」。災害が起きた時は、いち早く駆けつけて復旧を支援したいという、地域を守る強い意志。従業員の皆さんに、仕事を通じて「地域社会の発展を支えている」という喜びや、責任感を超える達成感を味わってもらいたいという願い。他にも、ここに書ききれないほどの様々な想いをお聞かせいただきました。
地域を守りたいと常に考え、妥協せずに一段階も二段階もレベルの高い施工を目指す徳山建設。上長と共に、徳山社長の元へ何度も足を運んでお話を伺ううちに、「自分の街にこんな土木建設会社があったら、どれほど安心だろう。どんな立場の方でも、目の前の仕事に真面目に真っ直ぐに妥協なく向き合う、というこの徳山建設のコアの部分を、絶対に余すことなく文章に込めたい」という想いも大きくなっていきました。
企業の「核」を言葉にする 理念策定のプロセス
企業理念策定は、「会社の存在意義は何か」「どう社会に貢献したいのか」「想いを実現させるためにはどんな価値観を大切にしたらいいか」といった、企業の目指す将来像を明文化するもの。企業理念は、社員が判断に迷う時の指針や仕事へのモチベーションにもなり得るので、全社員でベクトルを合わせるためにも必要不可欠です。
徳山社長やキーマンの皆様からのヒアリング内容をじっくり振り返りながら、どこが徳山建設の核の部分か、譲れない想いか、未来へのありたい姿かを整理。従業員の方にとっては、シンプルで覚えやすいか、実態に見合っていて納得できるか、この理念を目にしてワクワクできるか、困難な時に踏ん張ろうと思えるか、ということも大切です。そのため整理したコアの部分を、どんな言葉で、どんな順序で表現すると想いが乗る理念になるかを、つぶさに検討してMission、Vision、Valueに落とし込んでいきました。
企業理念の草案を考えるのはプレッシャーも感じましたが、一緒にプロジェクトに入って草案をブラッシュアップしてくださった上長は、この道数十年の尊敬する大先輩。いつもどんと構えて、「思いっきりやって大丈夫」と背中を押してくださるので、力みすぎずに草案を考えることができました。
上長と徳山社長のディスカッションを経て、「より社内の皆さんに伝わるように」とブラッシュアップされた言葉は、今実際に徳山建設の理念として掲げられています。
徳山建設株式会社 Mission
企業の「魂」を言葉に宿す、TCDのライティング
徳山建設の理念開発を通じて、企業理念策定は、その企業ならではの「魂」を言葉に宿す、とてもやりがいのある仕事だと改めて感じました。
その企業に脈々と受け継がれてきたものを未来にどう繋げていくか考え、クライアントに伴走しながら明文化していく、TCDならではのライティングに関心をお持ちの方は、ぜひTCDのコピーライター職にご応募ください。