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※本導入事例はサービスページに掲載している導入事例の転載です。
リース株式会社について
「個人の信用価値を最大化する」をミッションに掲げ、2018年9月に創業。生活に欠かせないインフラの一つである不動産領域から、信用インフラへと繋がる「家賃保証クラウド」などを提供している。
公式ページ:https://rease.co.jp/
smartroundページ:https://www.smartround.com/public/startups/rease
東海林 麻美さんプロフィール
リース株式会社執行役員、コーポレートユニットのマネージャーを務める。公認会計士として大手監査法人や中小企業再生支援コンサルティング会社、スタートアップにて経験を積み、2022年5月にジョインし、2023年2月より執行役員就任。
サマリー
・資本政策smartroundで、資本政策表のシミュレーションやバージョン管理を簡単に。
・株主総会smartround導入で、かかる時間を4分の1に削減し、ミスも激減。株主情報の管理もより効率的に。
・ライブラリの活用で最新の社内資料をいつでも確認できる状態になり、株主や投資家の手間を省くことに成功。
AI SaaSで家賃保証業界のDXを進め、収集した個人信用情報を活用して新たな"信用のモノサシ"の社会実装を目指す
ーー改めて、事業内容について教えてください。
事業としては、家賃保証会社の業務支援となるバーティカルAI SaaSを提供しています。独自開発した与信アルゴリズムをベースとした入居審査AIが特徴です。
家賃は毎月の支出に占める割合が高いので、個人の支払い能力を判断する上では、他の購買履歴などと比べても重要なデータになります。将来的には、家賃の支払い実績等のデータセットと与信アルゴリズムを活用したFintechサービスなどを展開していく予定です。
ーー入社のきっかけはなんだったのでしょうか。
監査法人時代に、金融機関の融資先に対する信用スコアの監査に携わっており、信用スコアは元々興味のあった分野でした。「個人の信用価値を最大化する」というミッション、事業内容に惹かれ、入社を決めました。
ーー主な業務について教えてください。
コーポレートユニットのユニットマネージャーという形で、財務、経理、法務、労務、総務、情シスとコーポレート全般を見ております。加えて経営企画室にも関与しております。
ーーいわゆる1人バックオフィスですよね。一番課題を感じる部分を教えていただけますか。
コーポレート専任は私だけなので、実質1人に近いですね。
1人3役が当たり前に求められる中で、自分の得意分野以外は0から勉強しなければいけないところを課題に感じています。初心者が手探りで進めていくことは会社にとってもリスクがありますよね。
公認会計士としての経験も豊富な東海林さん。必ずしも会計士を必要としないアーリーフェイズだからこそ、社内の影響などを考慮しながら、上場を見据えて仕組みを整えられるところが醍醐味だとか。
ーー0からのスタートとなる分野では、どうキャッチアップされていましたか?
とにかく勉強しました。自分で調べて勉強もしていたのですが、思い切って詳しい人に聞いてしまう方が良いな、という結論に至りました。
コンサルとして会社側から確認される立場でも働いていたこともあり、専門家に聞くことに対してネガティブな印象が無かったため、遠慮せずに質問できています。
ーー1人だと自分がやりきらなきゃと思って抱え込んでしまう、という話も聞きますよね。
スタートアップは急成長を求められる生命体のようなものなので、1人で全てやろうとすると、組織の成長の早さについていけなくなるんですね。
一方、間違いがあっては大変なので、スピード感を保ちながら正確性も維持するという観点から、抱え込まずに、詳しい人に頼りながら確認していくことは大事だと考えています。
私は会計士として税関係の知識もある程度持っていますが、業務の中では顧問の税理士の先生に教えていただくこともあります。特定の分野を専門的に極めている方だからこそ分かる部分は、お伺いすることも多いですね。
流動的な役割変更が発生しやすいスタートアップだからこそ、誰でも使えるツールがポイントに
ーー導入のきっかけについて教えてください。
最初に知った経緯は投資家からの紹介と聞いています。
私が入社した時にはあまり使われていなかったのですが、機能を調べていくうちに活用しないのはもったいないと感じ、移行を決めました。
導入の決め手となったのは、資本政策です。元々はスプレッドシート管理だったため、ミスが発生するリスクを防止したいという点が大きかったですね。
コーポレート業務の専任は、現状、私だけなので、ミスをなくし、業務を効率化できるツールは積極的に使おうと考えています。一方、導入するツールの選定にあたっては、どれだけ精緻に管理できるかだけではなく、誰でも簡単に操作できることも大事です。
将来規模が拡大してツールを利用する人が増える可能性が高く、流動的な役割変更も発生しやすいスタートアップでは、ある程度誰でも使えるようなツールでなければ、業務を円滑に回し続けることはできません。その点、smartroundは直感的で使いやすいと感じました。
余談ですが、私は監査法人時代の師匠から「君がいつ死んでも業務が回るようにしておきなさい」と教えられていたんです。なので、仮に自分が今日いなくなったとしても、後任の人が問題なく引き継げるようなメモを普段から残すようにしていますし、ツール導入においてもその点は強く意識しています。
ーー導入の旗振り役をしていただいたとのことですが、大変だったところはありますか。
初期設定など、移行にあたってのスイッチング・コストはありました。ただ、移行さえ終わってしまえば、効率化された状況が待っていると分かっていたので、それをモチベーションに進めていました。
smartroundは、バックオフィス担当者ならば一度は感じたことがある大変さを、細かな点まで解消していくすごいサービスなのですが、一方で専門的なところまでカバーしているため、例えば株主総会といった経験者の絶対数が少ない業務がどれほど効率化されるかについて、周囲の理解を得るには、ある程度説明が必要になります。
株主総会smartroundで招集通知を簡単に送れることだったり、資本政策smartroundで関数によるミスがなくなることだったりと、導入後の世界観を、どれだけ解像度高く伝えられるかが大事だと思っています。
株主総会smartroundの画面。送付対象の株主をワンクリックで選択でき、招集メールが送られる。
株主総会smartroundで、業務時間を1/4に短縮。ミスや管理の手間も大幅に削減
ーーよく使っている機能について教えてください。
一番は資本政策smartroundです。資本政策表を管理でき、コピーしてシミュレーションできる点がいいですね。実際の株式や新株予約権のデータを反映した証券データ連動版と分かれているので、スプレッドシートと比べて、最新版の管理が楽になりました。
情報の共有がタイムリーにできて、閲覧の権限も柔軟に変更できるのもいいですよね。
他によく使うのはライブラリです。株主や投資を検討されている方への資料共有で活用しています。株主のうち3割程度の方がsmartroundを活用し、任意のタイミングで確認してくださっているので、かなり負担が減りました。
資本政策smartroundは実際の資本政策をコピーし、シミュレーションを何パターンにも分けて行える。
ーー株主総会smartroundもご活用いただいていると伺いました。導入前後でどんな変化がありましたか。
元々は招集通知をメールで送付し、委任状は電子契約サービスで運用していました。ただ、時間もかかり、ダブルチェックも負担になっていたため、smartroundを使い始めました。
弊社は比較的株主が多いので、管理にかかる手間はかなり削減されました。以前は、メール、ストレージとあちこちに散らばっていた株主の情報も一元化できたので、メールアドレスの更新漏れなどもなくなり、ミスの発見やリカバリーにかける時間も削減できました。時間だけであれば、最低でも今までの4分の1くらいにはなっていると思います。
smartround内の証券データでは、株主ごとの保有証券や取得・喪失履歴、担当者のメールアドレスなどを一元的に管理できる。
会社の未来を左右する、バックオフィスの重要性
ーー今後、スマートラウンドに期待することはありますか。
定款や登記簿、議事録、取締役会関係書類など、法務・総務系のデータが全て管理できるようになると嬉しいですね。今は、スプレッドシートに、資料の格納先をガイドのような形でまとめているのですが、全部smartroundに集約できるとありがたいです。
大きなところで言えば、本当に便利なプロダクトなので、投資家、特にVCや金融系の投資家にもっと普及してほしいですね。
ーー最後に、スタートアップでバックオフィス業務に従事するみなさんに向けてコメントをお願いします。
少し話がズレるのですが、私は以前、中小企業の再生コンサルとして、倒産寸前の企業の原因を分析する財務DDを行っていました。
倒産に至る主な原因は、経費の使い込み、投資の失敗、経営悪化の察知の遅れ、と、会社によって異なりますが、ほぼ必ず共通してみられたのは、内部管理体制の不備や弱さです。
管理体制が不十分で会社が取り返しのつかないところまで追い込まれてしまった場面を何度も目の当たりにして、コーポレートは会社の全ての土台だなと身に染みて感じました。
呼び名こそバックオフィスと言われていますが、実は誰よりも経営を支える主役となる部署、ロールだと思っています。会社の生死がかかっている、ものすごく重要なポジションなんだということは、みなさんに伝えたいですね。私自身も、そういう覚悟を持って仕事しています。
ーー私たちも管理部門のみなさまを通してスタートアップの成長を支援できるよう、精進していきたいと思います。本日はありがとうございました!
※記載の状況は取材当時(2023年10月3日)のものです。